日本の政治が大きく揺れ動いた2009年秋。新たに日本の政治を担うこととなった民主党は、「2020年までに温室効果ガスを25%削減する」という公約を高々と掲げた。今月発売された環境とCSRと「志」のビジネス情報誌「オルタナ」16号も、「CO2削減」が大きなキーワードとなっている。今回は、その詳しい内容をいくつか紹介していきたい。
まずは、特集の「グリーン革命が始まった」から見ていこう。25%という数値は、前麻生内閣が想定していた目標値の3倍となり、CO2を大量に排出してきた一部の企業にとっては大変厳しい数値である。ただ、温室効果ガスを巡る世界の気候変動革命で様々な国に追い抜かれてきた日本にとっては、遅れを取り戻すチャンスともなるのだ。ここでは、国立環境研究所特別客員研究員や外務副大臣参議院議員など、現在の日本の環境界に携わるキーパーソン達からCO2削減対策に関する様々なコメントが寄せられている。また、削減の目標値を40%に設定するスウェーデンなど、対策に積極的に取り組む海外からの報告も興味深い。
日本の誇る最新の技術で、25%という数値をチャンスに世界をリードする環境対策先進国へと成長出来るのか?この好機を活かせるかどうか、これからの取り組みに期待したい。
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そこで注目なのが、もう1つの特集「2010年のクルマ2020年のクルマ」だ。迫り来る「CO2の25%削減」の波は、エネルギー問題で深刻な課題を抱える自動車業界にも大きな影響を与えることになるだろう。今回はトヨタ、ホンダ、日産など日本を代表する自動車メーカー5社の技術担当者が、クルマ社会の未来について熱く語った。話題の中心となっているのは、減税・補助金などの後押しを受け世間に浸透してきているエコカー。この特集でもほとんどの企業が独自の技術を駆使しながら、生き残りをかけたエコカー技術開発に尽力している。移り変わる社会のニーズに、自動車業界はどのような対応をしていくのか。トヨタの技術者からは、前号で取り上げた「バックキャスト」という言葉も飛び出した。
それぞれの企業の取り組みを”技術者の視点”から分析する点は大変興味深く、読み応えは十分だ。CO2削減の目標年である2020年のクルマ社会は一体どうなっているのだろうか?各企業の見解にぜひ注目したい。
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「25%削減」という数字を達成すれば、低炭素社会を目指す世界に対し日本の高い環境技術を大きくアピールすることが出来る。そのためにはこの数値をポジティブに捉え、持続可能性な社会の実現するためのエネルギー源として、積極的に取り組むことが重要となってくるだろう。目標達成のヒントがたくさん詰まったオルタナ16号を、ぜひ手に取ってみて欲しい。
ちなみに今後は奇数月の発売になるため、17号の発売は1月12日頃となるそうだ。特集は「稼げる農業、楽しい農業」(タイトル・内容は予告無しに変更する場合があります)と、次号も目が離せない内容となっている。
環境とCSRと「志」のビジネス情報誌「オルタナ」
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