解散から投票日までが40日という長い長い今回の選挙戦、マニフェストが出たと思ったら修正されたり、相手の弱い点を批判しあったり、撤退すると思ったらしなかったり、長いだけに情報が錯綜し、どんどん何を判断材料にしていいのかわからなくなってしまう。もちろん一つ一つの政策を吟味することも重要だけれど、今回の選挙では候補者たちの“エコ度”をチェックできるサイトなんかも出来てきているので、それを参考にまずは“エコ”への取り組みをチェックしてみてはどうだろうか?
まず“エコ”を投票行動の判断材料にしようというのには理由がある。今年の末にはコペンハーゲンで第15回気候変動枠組条約締約国会議(COP15)が開催される。これはポスト京都議定書の枠組みを決める重要な会議である。この会議を前に日本も環境への取り組みを法制化し、世界に対して態度を明らかにする必要があるのだ。そのためには自分が望む環境政策を掲げる候補者を選び、日本の国の政治にその意見を反映させていく必要がある。
そんな環境政策の法制化を目指すキャンペーンとして以前から行われているのが“MAKE the RULE”だ。気候保護法(仮)の法案も作成しているこのキャンペーンサイトが今回の選挙戦に際して
未来を選べ! ~衆議院議員選挙の候補者&マニフェスト エコチェック!~というページを公開している。各政党のマニフェストをチェックできたり、小選挙区へ立候補予定の候補者に対して実施したアンケート調査の結果がウェブで公開されている。
具体的には法制化、再生可能エネルギー政策、CO2排出量削減目標、脱原発といった側面からどれくらい環境政策に対する意識が高いかを精査している。高速道路無料化の影響など各党の政策がどう環境に影響を与えるかも解説されていて非常にわかりやすい。
ただ、小選挙区候補者へのアンケートはまだ出揃っておらず、判断の材料にするのは難しい部分もある。しかし、アンケートに答えていないこと自体、環境に対する意識の低さと考えることも出来るので、まず自分の選挙区についてはチェックしておきたい。
さらにもうひとつ候補者のエコ度を測る“エコ議員通信簿”というサイトもオープンした。コチラは複数の環境NGOが合同で運営しているようで、各選挙区の候補者にアンケートをとるという方式は同じ(政党のマニフェストに対する評価はしていない)。ただ、MAKE the RULEよりも質問項目が多く、諫早湾干拓事業や捕鯨、自転車専用道整備といった個別具体的な政策に対する賛否も問うているのでそのような個別の政策に興味を持っている人にはいいだろうと思う。
オーガニックな一次産業のための農地証券制度・営農法人株式の導入なんてのは本当にいい質問だ。食糧自給率を問題にする人は多いけれど、オーガニックとか農業と雇用・地域社会の関係といった問題を国の政策レベルで話す政治家が一体どれだけいるのか、ぜひとも知りたいところだ。
総選挙というのはこれからの数年、国としてどんなことに取り組んで欲しいかを1票に託す場(まあ正確には2票だが)、しっかりチェックして投票に行こう。
“MAKE the RULE”で候補者のエコチェック!