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ゴミ箱もソーラーの時代?環境に優しいソーラーゴミ箱「BigBelly」だ!

BigBelly: Creative Commons. All Rights Reserved. Photo by halgil

BigBelly: Creative Commons. All Rights Reserved. Photo by halgil

2009年5月、米フィラデルフィアの歩道に見慣れないゴミ箱が設置された。大人の胸の高さまであるビッグサイズなこのゴミ箱は、なんとソーラーで動く圧縮型ゴミ箱だ。環境負荷が低くコストダウンにもつながる”一石二鳥”なこのソーラーゴミ箱「Big Belly」について、詳しくご紹介しよう。

「Big Belly」は、上部に備えられた30ワットのソーラーパネルを使って発電し、この電気で圧縮機を動かし、ゴミをコンパクトに収納してくれるゴミ箱だ。150ガロン(約567リットル)の容量は、ゴミを圧縮するおかげで、収納効率が通常のゴミ箱の4~8倍も向上している。ゴミの収納キャパシティが大きいので回収頻度を下げることができ、これによって、燃料費や人件費などの回収作業に伴うコストを削減できるだけでなく、回収車からの温暖化ガスの排出量も減らすことができる。また、太陽光から電源を得るため、このゴミ箱を設置するための大規模なインフラ設備が必要なく、1台あたりの平均初期投資額は4000米ドル(約39万円)と、比較的安価なのも魅力だ。

以下の動画のスピーチでも述べられているとおり、現在、フィラデルフィアは、Michael A. Nutter市長を中心に、持続可能な未来型の都市づくりとして「Greenworks Philadelphia」プロジェクトを推進している。「BigBelly」の設置もこの活動の一環で、2009 年7月までに市内に500台設置する計画だ。このゴミ箱の導入により、従来週19回だったゴミの回収が週5回に減らせ、今後10年間で1200万米ドル(約11.8億円)ものコスト削減につながると見込まれている。

フィラデルフィアのほか、加ブリティッシュコロンビアの町・バンフ(Banff)や、米ペンシルベニア大学(University of Pennsylvania)、アリゾナ州立大学(Arizona State University)などの大学キャンパス、メジャーリーグ「Boston Red Sox」の施設など、「Big Belly」は米国内外で次々と導入されている。以下の動画で紹介されている米カリフォルニアのラホーヤ(La Jolla)の例では、「BigBelly」を試験的に導入した結果、公共のゴミ箱がゴミであふれることがなくなり、付近の住民がゴミの悪臭に悩まされることも減ったそうだ。

都市の公衆衛生を守る上でゴミ問題は避けることのできない課題。コスト効率と環境負荷の軽減という2つの命題を同時に解消する「BigBelly」は革新的な商品として評価できるだろう。もちろん「ゴミをいかに効率よく回収するか?」だけではなく、有効な資源をリサイクルするなど「ゴミそのものの量をいかに減らすか?」ということも忘れてはいけない。「BigBelly」のような環境に優しい商品をうまく活用することで、一定の利便性も確保しつつ、環境負荷をかけない行動へとつなげていくことが大切だ。

フランス発のソーラーカー「Bluecar」について調べてみよう。