3月16日、オバマ米国大統領を支える新アドバイザーが着任した。環境問題諮問委員会(CEQ)の特別顧問としてグリーン雇用拡大による景気回復への道しるべを示す、という大きなミッションを担う彼の名は、Van Jones。この名前、聞き覚えありませんか?
greenzでも5月に紹介していたVan Jonesは、昨年、何かと環境分野で話題になった人。TIME誌の”Hero of the Environment 2008(環境界のヒーロー)”、そして、Fast Companyの”12 Most Creative Minds of 2008 (最もクリエイティブな12人)”に選ばれている。
昨年10月に出版された著書”The Green Collar Economy: How One Solution Can Solve Our Two Biggest Problems(グリーン雇用経済:1つの解決策で2つの最も大きな問題を解消する方法)”は、アル・ゴアに推薦され、話題を呼んだ。
最近のグリーン雇用ブームの火付け役ともいえるVan Jones。どんな活動をしてきた人なのだろう?
Van Jonesの活動は、人権活動からスタートした。1996年、彼は2人の友人とともにElla Baker Center for Human Rightsを創立し、警察官による黒人への差別的行為や黒人青少年の犯罪行為を減らすための活動を始めた。
貧困層の人々の人権保護活動を続けるうちに、Ella Baker Center for Human Rightsの活動範囲はグリーン雇用まで拡大した。安定した仕事をもち、誇りを感じて働く人が多ければ多いほど、コミュニティは安全になる、という方程式が見えてきたからだ。その活動は、地元のカリフォルニア州オークランド市でのアメリカ初のグリーン雇用連合の設立へと実を結んだ。オークランド市は、25万ドルの資金をグリーン・ジョブ研修に充てた。
2008年、Van JonesはさらにGreen For All を設立した。貧困層の底上げにつながるオープンなグリーン経済づくりを推進する活動団体だ。2012年までに、グリーン雇用活動の資金として連邦政府の補助金10億ドルを調達することをゴールに掲げている。
アフリカ系アメリカ人も気候変動の議論に参加する時がきた。
ハイブリッド自動車や有機食品のような高価なものに対する需要を拡大するだけでは地球温暖化問題は解決しない。グリーン経済の恩恵を受けるのが白人や富裕層だけではないということに、みんな気づくべきだ。
とVan Jonesは語る。
2月27日、第1回中流階級調査特別委員会にパネラーとして出席したVan Jonesは、
Let’s green the ghetto first!(まずは、ghetto(スラム街または貧困層の人々の居住地区)をグリーンに!)
と発言して、聴衆から盛大な拍手を浴びた。
(同委員会の動画はコチラ↓)
グリーン雇用を推進することは、いま最も仕事を必要としている人たちに、いま最も必要とされている仕事をしてもらうことだ、と話すVan Jones。
景気後退で職を失ったアメリカのブルーカラーに、自信と誇りにあふれるグリーンカラーとして再出発する機会を与えてくれる政策が誕生しそうだ。
Van Jonesについてもっと知る
greenzの過去記事「ホワイトカラー?ブルーカラー?いえいえ、これからのビジネスは、グリーンカラージョブの時代です」をもう一度読む