スロー本社の壁は赤くて、モダン。この部屋で焙煎を行っています
フェアトレードのコーヒー豆を、自ら焙煎して販売しているスローさん。今回は、その焙煎人の小澤さんを訪ねて、千葉県は松戸にある本社に行ってきました。
たどりついたのは、たくさんの店が並ぶ問屋街。
しかし、シャッターが閉まった場所が多く、しんとしています。
電車で都内から、松戸に向かうにつれて、だんだんプラットホームの幅や、窓から見える家の大きさが大きくなり、街並みもゆったりしてきたような気がしていましたが、この問屋街も、とても道幅が広く、昔の看板も残ったままで懐かしい感じです。
ここがスロー社です。こんにちわー。
とてもステキなコーヒーの香りがします。昨日、焙煎を終えたばかりだそう。
道具も赤い壁に映えて、風情があります
オーガニックコーヒーの生豆。これから焙煎される豆たちです
小澤さんがいらっしゃり、2Fへあがってお話を伺いました。
まずは、コーヒーを1杯。コーヒーって、とってもいれるのに手間がかかるから、気持ちが入りますよね。こういう風にしっかりコーヒーを入れる、ってことがスローなのかな。
お湯をそそぐと、あわあわーと泡がもりあがり、ゆっくりとコーヒーになって下に落ちていきます
ありがとうございます。いただきます
頂いたのはカルロスさんのコーヒー。ブラジルで周りをまきこんで有機農法に切り替えたカルロスさんの素晴らしさに打たれ、そしてもちろんその豆のよさにも打たれ、仕入れるようになったのだそう。うーん、しっかり苦くておいしい!
小澤陽祐さん
「やっぱりコーヒーはおいしくなくちゃ」
と小澤さん。フェアトレード、というところだけに価値があるようなコーヒーでは、結局売れないし、フェアトレードという考え方も、世に広まらない、とおっしゃっていました。そんな小澤さんの棚から見つけたのが、プラスチックの箱。
「これ、ぼくの宝物なんです」と、見せて頂いたのは、焙煎する前に、手ずから丁寧に選別したコーヒー豆以外のもの。それは、コーヒー産地から届いた、小さなお手紙のようでもあります。焙煎人の小澤さんならではの宝物です。
その後、スロー社のある問屋街のすぐ隣に立つ、市場に連れて行って頂きました。すれちがう人々と丁寧に挨拶をしていく小澤さん。果物・野菜からお魚まで揃う市場を抜けて、たどり着いたのは「みどりの都」という直売所。
「松戸市無農薬栽培研究会というところがあって、とっても頑張っているんですよ…」と、小澤さん。中には、無農薬の野菜だけでなく、ちょっと珍しい種類の野菜もたくさん。そのほか、カレー粉や砂糖などの、身体にやさしい調味料や、ひょうたん(!)なんかも売っていたりして、うっかりたくさん買い物をしました。もちろん、スローコーヒーのブースも。あっ、チョコレートも置いてありますね。
「そうそう。バレンタインデーにはチョコレートって決まっているけれども、ホワイトデーになったとき、男性からは何をあげたらいいか、ちょっとわからないですよね。だからそれよりは、ちょっとおいしいケーキと、心をこめてコーヒーを入れてあげる時間があればいいんじゃないか、って思うんです。普段、厨房に入らない男子も、それをきっかけに入りやすくなって、いずれは料理も手伝えるようになったりできますしね。」
スローの棚をチェックする小澤さん。この後、ゴボウを買ってらっしゃいました
なるほどー。先ほどのフェアトレードのお話と一緒に、green drinks Tokyoでお話して頂きませんか?
「そうですね。そうしたら、実際にコーヒーを飲んで頂きつつ、バレンタインデーも近いので、お砂糖やミルクの代わりにコーヒーと相性のよい、フェアトレードなチョコレートをセットで食べて頂きましょう。」
わかりました! ありがとうございます~。
というわけで、2月12日(木)のgreen drinks Tokyoは「Coffee×LOVE」をテーマに、小澤さんをお迎えして、お話を伺います。
おいしいコーヒーの入れ方講座と、小澤さんが選んだコーヒー&チョコマッチング試飲会も開催。みなさま、ぜひお越しくださいませ。
ところで、スロー社を訪ねて感じたのが、その「下町」な感じ。スロー社のある問屋街と、市場、そしてその隣にある食堂(酵素玄米の定食屋さんがあった!!)が、昔の下町のようで、とてもあったかみを感じました。そんな周囲と調和しながら日々コーヒーを焙煎している小澤さん。これはおいしいコーヒーができないわけはありません。