2年ごとの奇数年に開催される山形国際ドキュメンタリー映画祭だが、映画祭が開催されない偶数年は、東京で「ドキュメンタリー・ドリームショー」が行われる。
そして、今年も9月20日から、東京のポレポレ東中野、アテネ・フランセ文化センターなどで開催されることが決まった。さて、どんな映画が待ちかまえているのだろうか。
今回は、「引き裂かれる魂たち」「旅するカメラ」「中国★紀録映画の20年」など13の特集が組まれ、129本が上映される。中国東北部の重工業地帯を描いた9時間の超大作『鉄西区』も気になるところだが、環境問題や持続可能な社会に注目していくつか見るべき作品を上げておくことにしよう。
『溺れる海』(2006年、インドネシア)
1980年代から沈泥によって急激に陸地化したジャワ島のスガラアナカン潟を描いた作品。地球環境の変化が住人に及ぼす影響について考えさせられる。
『アキ・ラーの少年たち』(2007年、シンガポール=カンボジア)
カンボジアの地雷博物館を舞台に、元少年兵のアキ・ラーと少年達を描いた作品。かつて自分が敷いた地雷を素手で撤去するアキ・ラーの姿に何を見るか。
『秉愛』(2007年、中国)
三峡ダムの建設によって移住させられることになった秉愛が権力に抵抗する姿を描いた作品。ダム建設という環境の改変が、人々に及ぼす影響の大きさを実感する。
『遭難フリーター』(2007年、日本)
平日は工場で単純労働、休日は東京で日雇い派遣をするフリーターが、フリーターの権利を求めるデモに参加。その日常から、働くこと、生きることの意味を探る。
そのほかでは、生命のメカニズムや物質のさまざまな性質に迫った「ドラマティック・サイエンス!科学映画劇場」も注目したいところ。かなり実験的といえるが、この映画から科学を知ることによって「地球」という惑星の真実が見えてくるかも。
ドキュメンタリー映画は世界を見るための鏡!ドキュメンタリー映画を通して世界について考えてみてはいかがでしょう?