ap bank fesでも導入されている「グリーン電力証書システム」。自然エネルギーの環境付加価値を消費者に販売する仕組みとして広がりを見せているが、この証書を発行するビジネスに、いよいよ自治体が参入する。山梨県都留市。“環境教育都市としての都留”を目指し、さまざまな取り組みを進めているこの街が、自治体第一号へ名乗りを上げた。
今回、都留市が登録を予定しているのは、小水力市民発電所「元気くん1号」。平成16年4月29日の都留市制50周年を記念して、水のまち都留市のシンボルとして、また水力発電の普及・啓発をめざして作られた。現在、平日昼間は市役所に供給、夜間及び休日には売電して発電電力を有効利用している。
年間発電量は最大約108,000kwh。これによる電気料金削減予想は最大約170万円、CO2削減予想は最大約80tにものぼる。実際、2007年は市庁舎年間消費電力の14%を賄った実績を持つ。小さくても、名前の通りパワフルな能力は既に保証済みだ。
グリーン電力証書を発行できる団体となるためには、「元気くん1号」に計量法に適した発電量メーターを設置し、認証機構(日本エネルギー経済研究所グリーンエネルギー認証センター)に登録する必要がある。都留市は、この秋にもこれらの手続きを完了する予定で、さらに来年には「元気くん2号」を建設するという。ちなみに、これまでに認定を受けた証書発行者は11社。小水力発電では3件と、まだまだ少ない。
グリーン電力証書の相場は1kwh10円程度だという。果たしてビジネスとして成功し得るのか?他の自治体からも、都留市の取り組みは注目を集めることだろう。