緩やかに終わった、「北海道洞爺湖サミット(G8・主要国首脳会議)」。
中でも、中国やロシアと並び、著しい高度経済成長をとげるBRICsのインドの動きを振り返ってみよう。
新興国といっても未だ貧困問題を抱えている。まず先進国が率先して責任を果たすべきだ
インドのシン首相は、主要排出国会議(MEM)で強気な姿勢を打ち出していた!
もともとインド政府は6月30日の時点で、地球温暖化対策に取り組むための独自の「行動計画」を発表。その計画を、主要排出国会議(MEM)で説明する方針だった。その内容は、太陽光など自然エネルギーの活用促進のほか、
(1)リサイクルを進め、水の使用効率を20%高める
(2)植林を促し、森林面積の割合を23%から33%に増やす
(3)エネルギー効率を向上させ、12年までに1万メガワット節約する
――など8項目。
気になる地球温暖化ガスの具体的な削減目標は、盛り込まれていなかった。(関連記事)
会議ではインド以外の新興国からも、「温室効果ガスの50年半減の長期目標を世界で共有」としたG8首脳宣言に対する厳しい批判が続き、緊迫した場面も。「長期目標を含むビジョン共有を支持する」とG8首脳宣言を肯定する形で合意したが、具体的な数値目標はなかった。また、シン首相はサミット閉幕後に、「持続的な経済成長は発展途上国にとっては重要。今のところ、排出規制料については考えることもできない」と強調した。
「新興国」と「途上国」の立場を、巧みに使い分けるインド。インドなど振興国を抜きにして原油高対策など経済を語れない今、今後の動向にますます目が離せない!