カンヌで気になったソーシャル系広告レポート、
今日は創造的なメディアの使い方が評価される
「メディア・ライオン」から。
まずはシルバーを受賞した、
南アフリカの「世界エイズデー」の広告、
「AIDS STATES」。
新聞の全てのページのページ数の数が、
南アフリカにおけるエイズの統計数字になっています。
たとえば6ページのところだと、
ページ数をあらわす6のあとに、
「million people in South Africa are living with HIV」
といった感じです。
ふだん何もないところに
何かがあるというだけでも、
インパクトがあると思うのですが、
この事例は書かれている内容自体も
ショッキングなので、
何気なく朝刊を開いた人などは
驚いたでしょうね。
日本の毎日新聞が
水族館を使って実施した「PLASTIC FISH」は
ブロンズを受賞。
水族館の水槽のガラスに
レジ袋で作られた魚が張られており、
クジラやイルカがレジ袋を口に入れて
死んでいることを伝え、
海洋環境の保護を訴えています。
これはパッと見美しさと
メッセージの深刻さとのコントラストが
効いていますね。
楽しい雰囲気で水族館に来ている人も
ハッとなって思わずメッセージを
読んでしまうでしょうね。
実施して間もなく話題となっていた、
WWFの「TARGET PRACTICE」も
ブロンズを受賞していました。
これは通路の左右にいる
野生動物がライフルを構えていて、
通る人は赤い光で狙われるという広告です。
ライフルで命を狙われるのは
どういうことかを疑似体験させるんですね。
難点は、「おもしろい」ところでしょうか。
ポスターから光が出てたりするのは珍しいので、
「あーおもしろい」となってしまって、
あまり怖い感じはしないのではないでしょうか。
とはいえ、メディアの使い方に
アイデアがあるので、そこが評価されたのでしょう。
マスメディアを使った広告に対して
多くの人が不感症になりつつある今では、
「メディア」の概念がどんどん広がっています。
本来売り物になっていないメディアは
実施するにあたりなかなかハードルが高いですが、
値段があってないようなものなので
交渉次第ではローコストで情報を届けることができます。
勇気はあるけど予算がない、
というNPO/NGOの方は、
トライしてみてもいいのではないでしょうか。