ISSUE☆グリーンズ企画 Bioneers

3 weeks ago - 2016.09.07

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多様で持続可能な未来は、人びとのワクワクから生まれる。世界中の社会をつくる人々が大集合するイベント「Bioneers」がすごい理由

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こちらの記事は、greenz peopleのみなさんからいただいた寄付を原資に作成しました。

みなさんはカリフォルニアのベイエリアって知っていますか?

カリフォルニア州北部のサンフランシスコとオークランドという二大都市、学生運動の発祥地とされるバークレー、シリコンバレーと称されるサンノゼ一帯など、サンフランシスコ湾の湾岸地域のことをいいます。

かつてサンフランシスコといえば、ヒッピー文化や学生運動の発祥地、美味しいシーフード、最新のファッションカルチャーなどを思い浮かべる方が多い印象でしたが、最近ではベイエリアにIT分野の最先端企業が集まっていることもあり、私たちの暮らしをより良くする、新しいアイデアが生まれる街といったイメージを抱く方が多いかもしれませんね。

そのベイエリアの北部にあるサン・ラファエルでは、多様な分野のパイオニアたちによる、環境問題や社会課題を解決した未来のビジョンを共有する「Bioneers(バイオニアーズ)」というイベントが毎年10月末に開催されています。

過去には、greenz.jp編集長の鈴木菜央と前編集長でシニアエディターの兼松佳宏(YOSH)が参加。greenz.jpを立ち上げ、メディアとしての方向性をつくるうえで、とても感銘を受けたのだとか。

今回は、greenz.jpのメンバーも参加する予定の「Bioneers」とはどんなイベントなのか紹介するとともに、以前参加したことがある鈴木栄里さんと菜央さんに、当時の思い出や感想を伺っていきます。文末にはgreenz.jp編集部メンバーと一緒に参加する方の募集のお知らせも!

最先端の未来を発信しながらも、誰にでも開かれている「Bioneers」

「Bioneers」は、科学、生物、アート、女性、経済、宇宙、先住民の伝統文化、食など多岐にわたるテーマのパイオニアを招き、講演やパネルディスカッション、ワークショップや展示など、多様なプログラムを3日間にわたって行うカンファレンス。毎年おおよそ3000名の来場者が集まり、6万人を超える人々がソーシャルメディアから参加、全米18か所で衛生中継もされているそう。

プログラムは大きく、午前中のプレナリーセッション(基調講演。TEDのようなプレゼンテーションが行われる)と、午後のワークショップなど少人数形式の分科会で構成され、プレナリーセッションではTEDのような講演形式で、各分野のパイオニアが次々と、自分の専門領域と知見からつくりたい未来について話していきます。

過去の基調講演には、社会的企業の先駆けインターフェース社の創設者Ray Anderson(レイ・アンダーソン)、バイオミミクリの提唱者であるJanine Benyus(ジャニン・ベニュス)や『自然資本の経済―「成長の限界」を突破する新産業革命』の著者Paul Hawken(ポール・ホーケン)など、世界の思想的リーダーが多く登壇。

会場の聴衆の心に刺さった話にはスタンディングオベーションが起こるなど、発見、驚きと未来への希望がダイナミックに感じられる、他にはない場となっています。
 
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そして午後は様々なテーマに分かれてワークショップや、パネルディスカッション、ダイアログなどのインタラクティブなプログラムが用意されています。

それだけではなく、無料で入れる屋外スペースにはNPO、アートなどの活動家たちの展示ブースがあるChange Maker Fairがあったり、12歳以下のお子さんを持つご家族が無料で参加できるFamily Fairなどが用意されていたりします。
 
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さらにイベント会場にあちこちにアートの展示があり、18歳以下の青少年の孤立や偏見から守る活動を行うオークランドのDestiny Artsによるダンスプログラムなども組み込まれるなど、社会課題に対する知識が無くても気軽に楽しめるよう、開かれているのも大きな特徴のひとつです。
 
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鈴木菜央が初めて参加した2006年当時の展示ブースの様子

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12才以下の子どもとご家族が無料で参加できるファミリーフェア

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誰でも書き込んでいいインタラクティブなアート作品

種から、持続可能性や多様性のある未来がはじまっていく

そもそも「Bioneers」とは、Biological(生物学の)とPioneers(パイオニア)を掛け合わせた造語。

創設者のKenny Ausubell(ケニー・オースベル)が考案し、Natural Medicine(自然治癒)、Natural Solution(自然による解決法)、Biocultural Diversity(生物的・文化的多様性)を基本の考えに、ほしい未来をつくる活動家たちにとって”希望の補給地”としてイベントを26年間続けています。
 
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Bioneersの創設者・ケニー(左)とニナ(右)

Bioneersが始まったきっかけは、1989年にケニーが設立したオーガニックの種の会社、「Seeds of Change」にありました。もともと、1990年から94年まで「Seeds of Change」という名でイベントを開催していたため、今でもイベント中には自然受粉した種を交換したり、種の専門家から学んだりする「種」の交換会が行われています。
 
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多種多様の種が集まる、種の大交換会!

グリーンズにも多大の影響を与えた! 自由で多様で希望に満ち溢れる「Bioneers」

ここからは、実際に「Bioneers」に参加した経験のある鈴木栄里さんとgreenz.jp編集長の菜央さんにお話を伺っていきます。

実際に「Bioneers」に行くと、どんなトピックの話を聞けたり、どんなセッションやワークショップに参加できるのでしょうか。栄里さんは、自らが参加したときの印象深いセッションを、こう話します。

栄里さん イタリアの植物学者の話なのですが、昔から植物に話しかけたり、歌いかけたりすると植物が良く育つと言われているじゃないですか。先住民の文化には、特定の植物を収穫する前に歌う歌があったり、植物にある効力を持ってもらうために、歌う歌があったりしたそう。

一見迷信に思えるけど、それは私たちが植物とのコミュニケーションの仕方を忘れたからじゃないかという疑問から、実は植物が音の振動を通じて、コミュニケーションをとっていることを発見した話は、とても印象的でした。

午後の分科会では、Joanna Macy(ジョアンナ・メイシー)のワークショップに参加し、What if together we….?(もし一緒になって、何かできるとしたら)というテーマで話していたのですが、グループのメンバーは80代のおばあちゃん、60代の活動家の男性とその奥様、学生と、なんて多様なメンバーなんだ! と驚きました。

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What if together we… ?(もし一緒になって、何かできるとしたら)というテーマでのワークショップ

そして菜央さんは「Bioneers」での経験が、グリーンズに大きな影響を与えたと話します。

菜央さん 僕が初めて参加したのは2006年で、greenz.jpを創刊して4か月目のころでした。日本では、環境について考えたり、社会をつくる活動は一部の人がやっていて、まだ一般化していない時代でしたね。

だから、プレナリーセッションの講演で登壇者がいいことを言うと、2000人のホールいっぱいの参加者がスタンディングオベーションが起きたり、アートから瞑想、ラップ、先住民文化、宇宙論と、1000年スパンの文化の話から、最先端の科学の話までさまざまな専門家がスピーチするので、刺激的すぎて、頭がパンクしそうになりました。「ああ、これが日本でも実現したい未来だな!」と強く思いましたね。

また、当時は日本では環境活動、社会運動が対話の文化、内省の文化が出会っていなかった時代でしたが、たくさんのワークショップが行われていて、参加者がゆっくりと対話をしたり、内面に深く入っていく時間があることも驚きました。こんなに自由で、多様で、希望があって、アットホームで、しかも本質的なイベントがあって、数万人が集まる。しかも長く続いているということに度肝を抜かれました。

「Bioneers」は、人間を賛美している。自由で、フラットで、開かれている。環境的、社会的課題は大きいけれど、人間の可能性はまだまだ無限だと思わされました。そして、北米で社会をつくる活動をしている人たちの哲学のよりどころのようなところだと感じました。人間の可能性は無限。大丈夫だよって、希望を与えてくれるよりどころになっている。グリーンズを立ち上げたばかりでしたが、多大な影響を受けました。

男性性と女性性が共存し、
一つの哲学で多様な分野を統合する日本にはない場

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プレナリーセッションの内容を即興の詩でまとめるなんてパフォーマンスも。

更におふたりに「Bioneers」はなぜ活動家たちなど、多くの人びとを惹きつけているのか、その理由を伺いました。

栄里さん 「Bioneers」はすごくバランスがいいと思っていて、午前中のプレナリーセッションはいろんな情報が入ってくる頭のワークがメイン。午後の分科会は、ワークショップなどのインタラクティブな内容で、すっと体に落ちてくる。プレナリーセッションの男性性、分科会の女性性のエネルギーが対等に、横並びで行われている。

菜央さん それは僕もそう思う。環境問題、消費者としてどうふるまうべきか、地球のマクロレベルで何が起きていてどうするべきか、自分の体を大切にする、伝統文化を守っていくという、日本ではバラバラに行われていることが「Bioneers」ではすべて統合され、一つの大きな哲学でつつむ。そんな場が日本にはないと思う。

栄里さん 本当にそう。日本ではたくさん素晴らしい取り組みが出てきているけど、まだまだ大きなムーブメントにはなりきれていない気がする。「Bioneers」のように、同じ場所で、同じ価値観や指針を共有して、お互いがどんな活動をしているのかを知って、希望を持つだけでいい。そんな場が日本にもあったらいいと思う。

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芝生でフラダンスを踊る人がいたり、お話をしたり、この場で翌年のプロジェクトが生まれたり、自由な空気が流れています。

気になる2016年の「Bioneers」は?

2016年は10月21日〜23日に開催予定。バイオミミクリの提唱者・Janine Benyus(ジャニン・ベニュス)、350.orgのBill McKibben(ビル・マッキベン)やBeehive Design Collectiveという風刺画で有名なアーティスト軍団のRyan Camero(ライアン・キャメロ)など見逃せないスピーカーが登壇するのだとか。(2016年開催の「Bioneers」の詳しいスケジュールはこちら

今年は、この記事にも登場頂いた鈴木栄里さん、鈴木菜央さん、greenz.jp編集部デスクのスズキコウタさんも参加する予定。greenz.jpでは、現地からのレポートや、現地周辺のチェンジリーダーたちの活動を紹介する記事を複数本発信していきます。そして、なんと現在、3人と一緒にBioneersに参加する人を大募集中なのだとか!

この記事を読んで「Bioneers」の様子をもっと知りたいと思った方は、その記事を楽しみにお待ちください!
 

– INFORMATION –

 
東京アーバンパーマカルチャーとgreenz.jpと一緒に、Bioneers Conferenceに参加しよう!(申し込み締切: 9/20まで!)
http://tokyourbanpermaculture.blogspot.jp/2016/08/tupbioneers.html

ソーヤー海と鈴木えりと旅する〜カリフォルニアのパーマカルチャーとギフトの世界〜
http://tokyourbanpermaculture.blogspot.jp/2016/08/blog-post_30.html

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Bioneers Conference

writer ライターリスト

笹澤 つかさ

笹澤 つかさ

greenz ジュニアライター 静岡県出身。IT通信系の営業として働く中で、生活者の声を反映したモノを届けたいと思い、一念発起しシドニーの大学院へ留学し、マーケティングを学ぶ。 帰国後、広告代理店を経て、現在は生活者の見えにくい声を拾えるマーケットリサーチャーとして修行中。 2015年6月からライターインターンとして参加。 ものづくり×「食」、「木の文化」や「伝統技術」など、ものづくりによってデザインする暮らしに関心。

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