ISSUE ☆日本と世界のソーシャルデザイン

3 months ago - 2016.06.10

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京都市とスターバックスが立ち上げた「YES, WE DO KYOTO!」プロジェクト、新しいエコアクションがスタート!“風呂敷のスリーブ”“明かりのない店内”

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みなさんはスターバックスで熱い飲み物を注文したときにカップに巻かれる再生紙製のスリーブが、1日どのくらい使われているかご存知ですか?

全国の店舗でなんと1日約20万枚利用されているそうなんです。4月29日、この何気なく使っているスリーブに注目したエコアクションをはじめ2つのプログラムが京都市内のスターバックス16店舗で開催されました。

お気に入りの色や柄の風呂敷でスリーブをつくって使う「ORIGAMI SLEEVE」!

ORIGAMI SLEEVE」は、4月19日の記事「京都市とスターバックスが初コラボ!

”京都らしいこれからのエコアクション”を京都市民と一緒に考える「YES,WE DO KYOTO!」プロジェクトキックオフ対談」でご紹介した、同プロジェクトのワークショップから生まれた京都市民発のエコアクション。

お気に入りの布を折り紙のように折って自分だけのスリーブをつくれたら? 再生紙製スリーブの使用量を抑えながら、マイスリーブを楽しめるというアイデアです。

ワークショップに協力したのは、明治34年創業の風呂敷・袱紗製造卸売問屋である宮井株式会社。もともと京都市が進める「DO YOU KYOTO?」プロジェクトに参加しており、今回のエコアクションの趣旨にも賛同し、協力することになったそう。

取材したスターバックスコーヒー京都三条烏丸ビル店のワークショップには、大学生から親子連れまで幅広い世代が参加されていました。はじめにスターバックスのパートナー(スタッフのことをこう呼びます)の挨拶や自己紹介などのあと、宮井株式会社 企画開発室 室長の久保村さんより風呂敷についてレクチャー。

風呂敷の歴史や扱い方、基本の結び方である「真結び」について教えていただき、ちょっとした買い物にも便利なバッグをつくりました。
 
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1枚の風呂敷がエコバッグに早変わり!講師の鮮やかな手さばきに、みなさん真剣な面持ち。

続いて、スターバックスのパートナーが、ちょうど着物の帯のような「ORIGAMI SLEEVE」のつくり方を紹介。

カップに対して、ちょうどいい締め具合に仕上げるのが最初は少し難しかったようですが、みなさんすぐにコツをつかんだようで、最後は納得のできあがり!

うまく仕上がったORIGAMI SLEEVEで包まれたカップには、スターバックスから熱々のコーヒーが振る舞われました。
 
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風呂敷がおしゃれなスリーブに。いつものコーヒーがあなただけの特別な一杯になるかも?

パートナーの中には、ワークショップの準備のために練習するうちにオリジナルのつくり方まで編み出してしまった人もいたのだとか!

「風呂敷には無限の可能性がある。実用性のあるエコを楽しみながらできるのがいいですよね」と、ふろしきの奥深さに魅了されてしまったようでした。参加者からも「とても楽しかった。自分でも好きな風呂敷を買って持ち歩いて使ってみたいです」と嬉しそうな笑顔がこぼれていました。

明かりを消して「ない」ことを楽しもう

そしてこの日実施されたもうひとつのエコアクション「“Nothing” is “Charming”」。

コンセプトは「『ない』ことを楽しむ」。あらゆるものが過剰なまでにあふれる現代において、日本文化のひとつでもある「引き算の美学」をスターバックスの店舗で実践しようというもの。

今回引くものは「明かり」。京都市内の13店舗が参加し、各店夕方から夜にかけて決められた時間にライトダウンして、お客さまがどんなことを感じたのかを共有しあおうという試みです。
 
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取材した京都三条大橋店。鴨川に面した窓の向こうに対岸の明かりが。

照明が落とされた店内にはあたたかい光を灯すLEDキャンドルが並び、いつものスターバックスとは全く違うバーのような雰囲気に。居合わせたお客様は最初は驚いた表情でしたが、カップルも、友だちどうしのお客様も、なんだかいつもよりお互いの距離が縮まり楽しそう。優しいLEDキャンドルの灯りが演出するゆったりした時間に包まれました。
 
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同じく京都三条大橋店にて。ライトダウンした店内奥の壁のアートがライトアップされて美しい。

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キャンドルひとつを囲む女の子たち。身を寄せあって笑い合う彼女たちを見ていると、こちらまで微笑んでしまいます。

予定時間を終え、通常の照明に戻った店内は、一瞬目を覆うほどの明るさ。「普段こんなに明るかったの?!」と驚いてしまいました。

ライトダウンしていつもと違うスターバックスを体験したお客様に、感じたことをお聞きすると、

「おだやかで優しい気持ちになれた」
「明かりのありがたさを感じた」
「コーヒーをより深く味わうことができた」
「普段考えないことを考えることができた」

など、「明かり」の引き算により、みなさまの感覚はより研ぎ澄まされたようです。
 
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黒板には、思い思いに過ごしたお客様の感想が共有されました。

開催まで、お客様の反応がどのようなものになるのかわからなかった「“Nothing” is “Charming”」ですが、お店全体を包む空気がいつもよりとても優しく感じ、文字通り「ない」ことの魅力を楽しむ時間となりました。

アイデアコンテストではなく、みんなのアクションプランに!

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計3回のワークショップからユニークでオリジナリティあふれるエコアクションアイデアが生まれました。

今回紹介した「ORIGAMI SLEEVE」と「“Nothing” is “Charming”」は、どちらもワークショップから誕生したエコアクションです。

大学生、スポーツクラブの職員、放送局社員、お坊さんなど異なるバックグラウンドを持った京都市民のグループが公募で集まり、1月〜3月にかけて3回のワークショップが開催されました。(2回目までの途中経過は以前にgreenz.jpでも記事として紹介しました

まず「京都らしいエコなライフスタイル」とは何かを考えた1回目。思索を深めるために一澤信三郎さん株式会社一澤信三郎帆布 代表取締役)が考える京都らしさについてのお話しをうかがいました。

一澤さん あ、ここでこんな面白いものつくってはるんやな。私らでもまだ発見がある。あきない街。それが京都やと思う。1000年の都やし、人の往来が多いでしょ、洗練されたものが残っているし、目に見えないところに力をいれている。長い間使っているうちに「さすがやな」と思えるものがある。

また、エコロジーの科学的な視点を伊勢武史さん(京都大学フィールド科学教育研究センター准教授)に教わり、ライフスタイルのとらえかたについては、クリエイティブ・ディレクター・プランナーの松倉早星さん株式会社ovaqe)の仕事からヒントを得ました。

そしてエコアクションのアイデアを発見した2回目。国内外のソーシャルデザインの事例を参考に「京都らしいエコアクション」について考えました。伊勢さんと松倉さんもアドバイザーとして各チームと意見交換を繰り返して、最後に「その日の」ベストアイデアと各賞を選出。

「その日の」としたのには理由があります。京都市とスターバックスにはワークショップをただのアイデアコンテストにせず、参加者全員でアイデアを育て、実践したいという思いがありました。

3回目のワークショップでは、グループをシャッフル。2回目で選出されたエコアクションのアイデアをもとに、さらにアイデアを深めたり、もっと新しいアイデアを発見したりしながら、1年間を通して実行していく「YES, WE DO KYOTO!」エコアクションカレンダーが誕生したのです。
 
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コンセプトや具体的なアクションプランを話し合い、実行できる形に。

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練り上げたアイデアをカレンダーに書き込みアクションプランに。

最終日は、京都市長もサプライズで登場!

そのワークショップ最終日には、門川大作京都市長がサプライズゲストで登場。それぞれのアイデアに耳を傾け、「YES, WE DO KYOTO!」プロジェクトに対する期待感を伝えられました。

門川市長 社会的な課題に真正面から取り組む企業・事業、そして人間こそが、社会から信頼され、地域社会と、そして、この地球とともに未来を切り拓いていける。

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門川市長もひとつひとつのアイデアに耳を傾け激励。

また、京都市環境政策局地球温暖化対策室の松浦卓也担当部長は、今回のエコアクションがスタートであることを再確認。

松浦部長 今日の会場である御池創生館の入口に「柳池校」の石碑があります。明治の2年にこの場所に日本初の小学校ができました。その後、太政官布告により全国に小学校が設置されました。

京都の学校制度が国の制度に先がけて始まり、京都のカリキュラムが国に採用されたのです。同じように、みなさんのエコアクションのアイデアが先駆けになって、全国に広まるよう期待しています。

今回、ワークショップに参加した市民からは、

「少しのアイデアでここまで広がるとは思っていなくて、びっくりした!」
「ひとりではできないことも、みんなで協力すれば実現可能になる、ということがとてもスバラシイ!」
「エコという言葉に感じていた義務的な印象がなくなった!」

などの感想が聞かれ、環境問題が少しずつ1人ひとりの「自分ごと」に変わり始めました。

1年を通して実行されるエコアクションに注目

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単発ではなく継続したアクションが京都市からスタートし、日本全国へ!

京都市民とスターバックスが連携してともに考えたエコアクションは、今後も1年を通じて様々な形で実行されます。初回として開催された「ORIGAMI SLEEVE」と「“Nothing” is “Charming”」は6月、7月も開催が決定。そして、6月12日には、3つ目のエコアクションとして「IKEBANA of Alien Species 外来種いけばな」が京都大学で開催されます。(受付は終了)

身の回りに自生する外来種植物をフィールドワーク形式で採取し、日本の伝統文化であるいけばなのスタイルで生けて楽しむエコアクション。エコアクションをつくるワークショップにもゲストとして参加していた伊勢さんが所属する京都大学と、考案した市民メンバーが所属する池坊華道会の協力により実現しました。

その他にも京都を走って巡るエコな小旅行「ECO RUN TOURISM」、京都市内で様々なエコアクションを同時多発的に実施する「YES, WE DO KYOTO! WEEK」の実施を検討中です。京都市からはじまったエコアクションが日本全国そして世界のエコなライフスタイルになるように。プロジェクトはまだはじまったばかりです。

みなさんも「YES, WE DO KYOTO!」に参加することから、自分らしいエコアクションを始めませんか?そして、「自分のまちらしいエコアクション」を考えるヒントにしませんか?

(撮影: 衣笠名津美)
(ライター: エコアクション取材 池田佳世子)

[sponsored by 京都市、スターバックス コーヒー ジャパン]

「YES, WE DO KYOTO!」プロジェクトにふれてみよう!
「YES, WE DO KYOTO!」

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6月、7月のエコアクション開催予定はこちら

writer ライターリスト

東 善仁

東 善仁

greenz シニアライター 1976年6月4日 奈良県(都祁村)生まれ、大阪市在住。「weather」としての活動はクリエイティブディレクター、コピーライター。実家の里山と都市を往復しつつ、どちらでも楽しく暮らせるアイデアを考えています。スチールパン奏者見習い。

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