自分が使っているエネルギーがどこから来ているのか、ということを考えたことのある方はいったいどれくらいいらっしゃるでしょうか。これまで、エネルギー政策は国主導で行われてきていました。一人ひとりが使用している大切なエネルギーに関する政策を、国民の想いや気持ちを反映したカタチで作ってもらうことを目的として「みんなのエネルギー・環境会議」が発足しました。
「みんなのエネルギー・環境会議」は、環境エネルギー政策研究所の飯田哲也氏、幸せ経済社会研究所の枝廣淳子氏、日本サッカー教会の岡田武史氏など、そうそうたるメンバーが発起人に名前を連ねています。
以下が発足記者会見での様子です。
まだスタートしたばかりの活動ですが、エネルギー政策に興味を持つ人が増えていくためにはこうした活動が必要な気がします。興味をもたれた方は以下の設立趣旨もご覧ください。
「みんなのエネルギー・環境会議」設立趣旨
電力をはじめとするエネルギーは、あらゆる産業や企業の活動はもちろん、私たち一人ひとりの暮らしを支える「活力」です。
これまでは「電気代を払っていれば何の心配もなく好きなだけ電気を使っていい」と、“コンセントのあちら側”のことは気にしていなかった多くの人が、東日本大震災と東京電力福島第一原子力発電所の事故を受けて、自分たちの使う電力の量やその作り方に対する意識と関心を持つようになってきました。「自分たちのエネルギーについて知りたい」「考えたい」「話したい」「変えていきたい」という思いが高まってきています。
日本のこれまでのエネルギー政策は、経済産業省を中心とする国が業界と調整をしながら作ってきました。その政策策定過程には、審議会やパブリックコメントなど、主に専門家を対象として部分的なヒヤリングの機会はあっても、広く私たち生活者の考えや意思に耳を傾け、政策に反映することはありませんでした。生活者が自分たちでこの国のエネルギーについて考える際にまず知る必要のある「現状はどうなのか」「このままだとどうなるのか」「代替案をとるとどうなるのか」「それぞれのコストや負担額はどのような前提で計算されているのか」などの国民の素朴な疑問に対して、政策策定者や研究者たちがデータや予測、計算などの情報を開示し、質問に答え、議論を深めるオープンな場も、これまでありませんでした。
3.11後も、国の「エネルギー政策の作り方」は変わっていないように思われます。国と産業界が非公開のエネルギー・環境会議で、今後の日本のエネルギーのあり方についての方向性や政策を作ろうとしています。その方向性や政策が、今を生きる私たち一人ひとりはもとより私たちの子ども・孫をはじめとする未来世代に大きな影響を与えるにもかかわらず、また、3.11を受けて国民の間にエネルギーに対する不安と関心が高まっているにもかかわらず、以前と同じく、国と産業界の調整だけで作ろうとしています。
私たちはこれから作られる日本のエネルギー政策が、我が国・日本の社会と将来を大きく左右するものになると認識しており、エネルギー政策を作るプロセスそのものを国民に開かれた場にしていきたいと思っています。
「みんなのエネルギー・環境会議」は、原発推進/反原発・脱原発、自然エネルギーの今後等について、「こうあるべき」という特定のスタンスを打ち出すためのものではありません。それぞれの観点についての賛成・反対を含め、さまざまな立場や考え方の人々がオープンに日本の産業や暮らしを支えるエネルギーの今後について、考え、語り、議論し、対話する場を作っていくことをめざします。
エネルギーについて考えることは、私たちがどのような豊かさを望むのか、未来の暮らし方をイメージするのか、を考えることでもあります。国民の参加と合意に基づく民主的なエネルギー政策をつくっていくとともに、エネルギーに関する議論それ自体が日本を真に幸せな民主主義国家にしていく一助になると信じています。
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