「世界の子供たちに一人一台のPC を!」という壮大なビジョンのもと、発展途上国の子供にオリジナルPC「XOシリーズ」を寄贈しているプロジェクト「One Laptop per Child(OLPC)」が、次世代機「XO-3」のデザインを発表した。この薄くてスマートな流線形のタブレットPCは2012年に正式リリースされる計画で、販売予定価格はナントたったの75ドル(約6,820円)。コンピュータを活用した新しい教育のカタチを生み出すポテンシャルを持つのみならず、次世代PCそのもののカタチをも揺さぶる”台風の目”になる予感!?
「XO-3」は、縦8.5インチ(約21.6センチ)、横11インチ(約27.9センチ)で、厚さはたった0.24インチ(約6ミリ)という超薄タブレット。マルチタッチ式になっており、以下の画像のとおり、文字入力もできる仕組みになっている。
タッチスクリーンは、直感的な操作を可能にしてくれる。2人用ゲームなどの遊び系アプリケーションや学習用ソフトウェアを使って、子供たちが楽しみながら学べるよう配慮されているそうだ。
また、電子書籍モードが搭載されており、電子ブックリーダーとしても使える。
一方、背面にはカメラが搭載される見込み。子供たちはこのPCを使って、画像や動画を気軽に撮影できる。このように、「XO-3」は、通常のPC機能から書籍リーダー・カメラまで一通りの機能が揃った、強力な学習サポートツールというわけだ。
2007年からOLPCが提供し始めた初代「XO」は35か国以上130万人を超える子供たちの手に渡ったそうで、「XO-3」はこれらの置き換え版と位置づけられている。また、ハードウェアメーカーを問わず生産できるよう、このアーキテクチャは公開される方針で、この技術の”伝播”が次世代PCの開発にも波及的な効果を与えるとみられている。
先ごろマイクロソフトが「Slate PC」を発表し、Appleでもタブレット型の新デバイス「iPad」が今春リリースされる予定など、タブレットPCは次世代PCのひとつとしてホットなテーマ。OLPCの「XO-3」はこれらに比べ圧倒的に安価で提供しようと試みており、その動向はPC業界のみならず、世界中から注目されている。彼らはどのようにこれを作り上げ、「XO-3」を手にした子供たちはどんなクリエイティブな学びを実践していくだろうか。このOLPCの取り組みが希望ある未来につながることを期待しつつ、私たちもその行く末を見守っていこう。
タブレットPCの特徴について調べてみよう。
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