アメリカの「FAST COMPANY MAGAZINE」誌が、2009年の「ビジネスシーンで最もクリエイティブな世界の100人」を発表した。
クリエイティビティとは、どんな仕事においても大切な要素の1つである。その才能を世界的に評価されている人とは、一体どんな人たちなのか?気になるベスト3はこの3人!
1位 ジョナサン・アイブ(Jonathan Ive)
Photo by Apple Inc.
アップルのデザイン部門を率いる、インダストリアルデザイングループ(IDG)担当上級副社長。スティーブ・ジョブズの片腕としても知られている。1992年アップルに入社以来、iMac、PowerBook、iPodなどのデザインディレクションを担当。当時ベージュ一辺倒だったパソコンの世界に、カラフルでポップなiMac旋風を巻き起こした。アップルのアイデンティティを支えるそのデザインは、50〜60年代にBraun社のプロダクトデザイナーであった、ディーター・ラムスの影響を強く受けている。イギリスのロンドン出身であり、2005年には大英帝国勲章のCBE(3番目の勲章)も授与されている。
2位 メリンダ・ゲイツ(Melinda Gates)
Creative Commons. Some Rights Reserved. Photo by World Economic Forum.
マイクロソフトの会長ビル・ゲイツの妻であり、世界最大の慈善基金団体であるビル&メリンダ・ゲイツ財団の共同設立者。財団は2000年の設立以来、世界の健康・教育問題の改善と発展に大きく寄与している。問題を抜本的に解決するための大規模な取り組みだけでなく、病気や貧困に苦しんでいる人を今すぐ救うような地道な活動(例えばコンドームを配るなど)も同時に行ってきた。投資家のウォーレン・バフェット氏に「メリンダがいなかったら財団に寄付していたかは怪しい」と言わしめるほど、彼女の財団に対する貢献度は計り知れない。
3位 シャイ・アガシ(Shai Agassi)
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ベタープレイス社のCEO。地球環境に優しく、再生可能エネルギーを利用できる電気自動車を、いつでもどこでも快適に運転できるサービスとシステム、そしてインフラを提供している。具体的に言うと、自動車はすべて電気自動車にして、ガソリンスタンドの代わりにバッテリースタンドを作って素早くバッテリーを交換する、という自動車業界のパラダイムシフトを目指しているのだ。ルノー・日産との提携による電気自動車の開発や、携帯電話のような料金プランシステムの構築、サービスのグローバルスタンダードの策定など、大いなるビジョンを持ってビジネスに取り組んでおり、“クリーンテック業界のスティーブ・ジョブズ”とも言われている。
他には、動物性の素材(皮やファーなど)は一切使わないオーガニックファッションを作り続けているStella McCartneyや、街行く人のストリートファッションを撮影し、ハイセンスでハイクオリティな写真を2,000枚以上をプログにアップし続けたブロガーScott Schumanさんなども選ばれており、バラエティ豊かなラインナップである。
そして、我らが日本人からは4名が選出された!一人ずつ簡単にご紹介しよう。
28位 山内一典(Kazunori Yamauchi)
世界で累計5000万本以上の出荷を記録したゲームシリーズ「グランツーリスモ」の生みの親。彼のデザインはディテールが素晴らしく、ゲームだけにとどまらず、実際に日産のGT-R車のデザインも一部手掛けている。
http://www.polyphony.co.jp/
31位 宮崎駿(Hayao Miyazaki)
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言わずと知れた日本のアニメ界の巨匠。20年以上に渡り、エポックメイキングなアニメをこの世に生み出してきている。2009年8月には「崖の上のポニョ」の吹替え版も全米公開された。
http://www.studioghibli.net/
54位 片山正通(Masamichi Katayama)
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インテリアデザイナーであり、自身のオフィス「Wonderwall」の代表。家具や照明からTVのセットデザインまで活躍の幅が広く、国内外で高く評価されている。近年ではユニクロのNYC店の内装も手掛けた。
http://www.wonder-wall.com/
95位 西山浩平(Kohei Nishiyama)
Creative Commons. Some Rights Reserved. Photo by cloneofsnake.
エレファントデザイン代表。インターネットを使い、ユーザーの欲しい物を形(商品)にして販売する、新しいマーケティングシステムの「空想生活」を立ち上げた。無印良品と「空想無印」、2008年秋からはLEGOと「LEGO(R) CUUSOO」など、企業とのコラボレーションも。
http://www.cuusoo.com/
クリエイティブな人が選ばれるというだけあって、さすがにデザイン系の仕事で活躍されている方が多い。宮崎駿監督のように日本では老若男女知らない人はいないというような人以外にも、クリエイティブの分野で世界的に高く評価されている人がいるというのは、同じ日本人として誇らしく喜ばしいことだ。
しかし、クリエイティブというのは、何も形ある物をデザインすることだけではない。今後は3位のシャイ・アガシ氏のように、世界基準で評価されるような、新たなビジネスをクリエイトする日本人がもっと出てくると、日本もさらに面白くなりそう。私たち一人一人が、自分の中のクリエイティビティを研ぎすまし、日本の枠に捕われずに伸ばしていけることを期待して、がんばれニッポン!
「ビジネスシーンで最もクリエイティブな世界の100人」を全員見たい!