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問題を解いてモンスターを確保だ!”勉強って面白い!”をゲーム感覚で体感できる「モンスタークエスト」[マイプロSHOWCASE]


モンスタークエストの風景

“勉強”と聞くと、みなさんはどんなイメージを持ちますか?どちらかというとワクワクしないという方もいるかもしれません。でも、もっと身近な日常の中に勉強を楽しくするきっかけがあるはず。

今日ご紹介する「モンスタークエスト」は、「勉強するって絶対面白いはず。それをどう伝えたらいいんだろう?という疑問から始まったプロジェクトです。

モンスタークエストって?

モンスタークエストの説明一部。わからんモンスターを退治せよ!
モンスタークエストの説明一部。わからんモンスターを退治せよ!

「モンスタークエスト」は、ゲーム形式で問題を解いて学ぶ仕組みのこと。例えば、これから解く算数の問題にモンスターを設置(紙のキャラクターシール)。問題を解くとモンスターを確保して、オリジナルの図鑑に収納することができます。モンスターを確保するために、子どもたちは一生懸命です。

こんなユニークな活動を仕掛けているのが、株式会社スターシャル教育研究所(以下、スターシャル)代表の林幸弘さん。

熱血タイプというよりは、「あれ?みんな疑問に思ってないぞー。うーん、これはどうするかなー」とその疑問や違和感を大事にする人、という印象。彼が手がけるさまざまなプロジェクトの源泉は、「いかに仕事を面白くするか」という一言に集約できます。

今回は、「モンスタークエスト」を仕掛ける林さんの思いを伺いました。

林幸弘さん

林幸弘さん

スターシャルではモンスタークエストの他にも、「Study*Cafe」「代々木高校」といったプロジェクトを展開しています。

「Study*Cafe」は、「やる気がないけど勉強しなきゃ」という中高生のための駆け込み寺のようなもの。対症療法的でありますが、「勉強がつまらない」という子どもたちと直接話すことができる大事なプロジェクトです。「代々木高校」では、不登校や引きこもりだった子を受け入れています。

そして「モンスタークエスト」は、それらに来る前の小学生の段階で、「勉強って面白い」あるいは「もっと面白くできる」という気持ちを、ゲームの手法を取り入れて体感してもらうことを目的としています。

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「仕事がつまらない」を何とかしたい

もっと勉強をワクワクするものにしたい。そんな林さんの原体験は、学生のときにジムのインストラクターをやっていた頃まで遡ります。さまざまな社会人と出会う中で、「つまらなそうに仕事をしている社会人が多い」という印象を持ったそう。そこで出ていたのが「どうして勉強や仕事が、そもそも耐えることになっているんだろう?」という疑問でした。

バイト中にお客さんの社会人から「学生はいいなあ。遊べてさ。」と言われ、「うーん、何か違うぞ」と思ったんです。仕事と趣味を切り分けて、「無理に仕事を面白くする必要ないじゃん。」という同年代もいたり。

でも一方で、経営者で創業している人、フリーランスで動いている人は、「仕事は面白いもんだよ」と言ってくれた。どっちが正しいとかはないんだけど、「どっちがワクワクする社会?」って考えると、後者だと思うんです。

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「仕事を面白くするにはどうしたら?」という思いから、林さんはまず自分で仕事を始めてみることに。そこで立ち上げたのがさきほどの「Study*Cafe」という個人塾です。

「カフェの雰囲気で勉強したら、勉強は楽しくなるかも?」と考え、実際に店主と交渉して、営業終了後の時間を借りることに成功。中学生や高校生の生徒に、同世代の大学生もアルバイトで雇って、小規模の塾の経営を始めます。

しかし「Study*Cafe」で中高生と接する中で、「勉強は楽しい!」と伝える以前に、今ある課題への対症療法的な活動になってしまうことに「これは、まずいなあ」と思ったそう。対処療法ではなく、もっと楽しいことにフォーカスするためにたどり着いたのが、「モンスタークエスト」というアイデアだったのです。

モンスタークエストボックスの中身。これらはシールで何度も貼り直せる工夫。ワクワクが詰まってる。

モンスタークエストボックスの中身。これらはシールで何度も貼り直せる工夫。ワクワクが詰まってる。

「自分の頭で考える」というものさし

そんな林さんが大切にしている軸が「自分の頭で考える」ということです。

教育の現場出が、”数値化”が話題に上がります。分かりやすいので言うと、学校のテストは点数で習熟度が分かるという仕組みで、それはそれで大事です。他にも、「今まで10分かかった問題が5分で解けるようになった」という効率性を判断することもできるでしょう。でも、だからなんなのでしょう?

むしろ大切なのは、問題をどう解いたか、どう考えたかを丁寧になぞっていくことです。自分の頭で考える訓練をしないと、誰かに言われたことをやるだけの人間になってしまう。

どうしたらいいか自分の知恵を絞ることで、聴くべき質問も変わってきます。「数値化できない部分は可視化できないから扱わない」というのではなく、そこが教育の醍醐味だと思いますし、僕がやりたいところなんです。

その中で、「100点をとった子が、本当に60点をとった子より考えているかどうか」は、結果だけからでは測ることはできません。それでも点数だけで、落ちこぼれと判断されてしまっていいのでしょうか。

単純に学校の教えるペースについてこれないのが原因だとすれば、「『仕方ないよね』ではなく、社会全体でお互いを支え合いことがポイントになってくる」と林さんは言います。「モンスタークエスト」の設定も、問題に取り組む子どもの積極性や自発性を引き出すデザインなのです。

林さんの話を聞いていて、ふと小さな頃の木工教室の先生を思い出しました。何か作品をつくるときに、「これでいいですか?」と先生に聞くとと怒られたのです。今思えば、「これをつくりたくてこう考えたのだけど、どう思いますか?」と聞かなくてはいけなかったんですね。

小さい頃にはその違いがよくわかりませんでしたが、その先生が伝えたかったことはやはり、「ひとつの正解よりも、自分がどう思うのか?を大切にしろ」ということだったのかもしれません。

モンスターを集めまくれ!楽しみまくれ!

モンスターを集めまくれ!楽しみまくれ!

「日常が退屈だ。」「勉強や仕事がつまらない。」という方は、「本当にそうなんだろうか?」と自分に問いかけてみてください。もしかしたら自分がつまらなくしているだけかもしれないし、面白がる視点をひとつ取り入れることで世界が変わってみえるかもしれません。

丁寧にひとつひとつ、自分の頭で考え、取り組んでいく。そうすることで、きっと何かキラリと光るものが見えてくるはずです。

(Text:大橋弘宜)

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