イギリスで開発された、ソーラーパネルで発電する無人の飛行機が07年6月末、54時間、高度50000フィート(15240m)以上の高度を飛びつづけ、世界記録を更新した。
プレスリリースによると、この無人の飛行機は「Zephyr(ゼファー、そよ風)」と呼ばれ、ソーラーパネルは「paper thin=紙のように薄い」超薄型、電池はリチウムイオン電池を使用、機体はカーボンファイバーでつくられ、その機体の幅は16m、重量は30kgを切るというから驚きだ。大人3人いれば、手で持ち上げて離陸が可能だという。
この飛行機を開発したのはイギリスのハイテク軍事企業QinetiQ社。開発が完了した暁には、高度15000m以上を数か月の間飛び続ける性能を持つに至るそうだ。開発にかかった費用は公にしていないが、イギリスの防衛省からの資金援助を得て開発したものだという。また、2008年より、軍事的に活用し始める、との見通しだ。つまり、レーダーに写らない、低コストの偵察/情報収集用の飛行機として開発されている可能性が高いわけだ。
しかし、同プレスリリースには「Zephyrは地球のマッピング、観測、気候観測、パイプラインの点検、畑の栽培状況の確認、山火事や、違法漁業の警戒目的など、民生目的にもピッタリです」とある。
同社の最新技術が、平和と持続可能な未来のために使われるといいですね!
ちなみに、NASAでも1999年にソーラー飛行機「Helios(ヘリオス)」の初飛行を成功させている。日本語の記事はコチラ。燃料電池を積み、数か月飛び続ける性能を目指したが、残念ながら、2003年の試験飛行中、トラブルが発生し、太平洋(ハワイ・カウアイ島の16キロほど西)に墜落、プロジェクトは終了したようだ。その写真などはコチラにくわしい。
そして、動画はコチラ。
未来の世界は、ソーラーの旅客機が飛んでいるかもしれませんね。
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