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LOVEはコミュニティの通貨だ! green drinks Tokyo「これからのLOVE」レポート #gdTokyo

gdt1111 トーク1

greenz.jpが毎月第2木曜日に開催しているネットワーキングパーティ「green drinks Tokyo」。

11月は今年1年間展開してきた「これからの」シリーズ最終回として、誰もが気になるキーワード「LOVE」について開催されました。ゲストにブロガーで「愛妻家」のイケダハヤトさん、ブックコーディネーターで「非結婚」を提唱するnumabooksの内沼晋太郎さんをお迎えし、これからの社会で「LOVE」がどのような形をとり、どのような意味を持つのかという壮大なテーマでお話頂きました。

さっそくその模様をレポートでお伝えします。

※ちなみに今回は、テーマに合わせて特別に「ペアルック割」という特別割引をご用意。当日は5組のペアルックさんが来場されました!

左からLOVETシャツペア、革ジャンペア、デニムペア、革ブーツペア

左からLOVETシャツペア、革ジャンペア、デニムペア、革ブーツペア


まあ「LOVE」なわけです、時代は

という、「性善説」ならぬ「性LOVE説」を唱える編集長の言葉から始まった今回のgreen drinks。今年は東京デザイナーズウィークのテーマも「LOVE」でしたが、「大事な事なのにちゃんと考えて来なかった」LOVEについて、「深く話し合わないまま付き合っていると、非常時にそのズレが露呈したりすることが今回の震災で分かった。そうならないためには、誰が自分にとって大切な存在なのか見つめることが大事。そのためにLOVEについて真剣に考えたいと思ったんです。」と言います。

今回はLOVEの中でも「結婚」にフォーカスしましたが、家族編、友人編、ご近所編いろいろあるはずです。「愛妻家」と「非結婚」という構図ではありましたが、実際のところはどちらにも「愛」に溢れていた、そんなgreen drinksとなりました。


今回のゲストは?

イケダハヤトさん
gdt1111 イケダハヤト
ソーシャルメディアを中心にブロガーとして活躍し、多くの講演もこなすイケダさんですが、ツイッターのプロフィールを見るとそこには「奥さん大好きなので夜は早く帰ります」という一文が… greenz.jpはそこを見逃さずゲストとしてお呼びしましたが、「愛妻家」の肩書きで話すのは今回が初めてなのだとか。
http://www.ikedahayato.com/

内沼晋太郎さん
gdt1111 内沼晋太郎
本とアイデアのレーベルnumabooksを主宰する内沼さん。ブックコーディネーターとしてクリエイティブディレクターとして、本が素敵に生き残るためのアイデアをいろいろ仕掛けていらっしゃいますが、「非結婚」という話を編集長にポロリと漏らしたために、今回うっかりゲストに呼ばれてしまいました。こちらも「非結婚」についてしっかり話すのは今回が初めてだとか!
http://numabooks.com/


「愛妻家」の3+1のメリット

「ブロガーなのでこういうまとめ方をします」と話し始めたイケダさん。そのメリットとは、
1. 人間的に叩き上げられる。
2. フィードバックがもらえる。
3. 時間を有効活用できる。
+1. 帰る場所ができる。

というものです。

「今の奥さんと付き合い始めたから周りからの評価が変わった」というイケダさん。自分が悪いと思っていないことでも怒られたりすることで、叩き上げられるといいます。そして、奥さんと話すことで違う視点からモノを見ることができ、さらに帰宅時間など時間が限られているからこそ仕事の効率も上がるそうです。そして最後にフリーランスとして働くときに「帰る場所があることがとても大切です」と言います。

なぜ今LOVEなのか?

そのようなメリットがあるので、イケダさんにとって愛妻家とは「超合理的な生き方だ」といいます。そして、この「愛妻家」という現象に「なぜ今LOVEなのか?」という疑問の答えがあるというのです。

会社コミュニティが崩壊し、拠り所としてそれとは違うコミュニティを求める傾向にある現在。それは地域であったり、趣味であったりしますが、何よりもまずは家族です。愛妻家とはその家族というコミュニティを大切にする生き方のことなのです。

「私たちは経済的にはすでにある程度豊かで、年収1,000万とか1,500万を得るために必死で働くよりも、もっとほかのことがしたいはず」とイケダさんは言います。人の役に立つことをしたいとか、大切な物を大切にしたいとか。それは、「お金よりコミュニティへの帰属を求めるようになってきているということ」であり、コミュニティに帰属するためにはLOVEがコミュニティの通貨として機能する。だからみんな「LOVEを求めている」と「これから“は”LOVE」論を締めくくりました。

イケダさんにとっては愛妻家というあり方がこれからの自分の生き方であるけれど、人それぞれ「LOVE」を元手にいろいろな生き方を選択することができる、そんな愛にあふれたメッセージが感じられるお話でした。


だから私は愛について語ることにしよう

続いて、このプレゼンのために40枚ものスライドを用意したという内沼さんの出番です。

「非結婚について話す」ことを告知したときにツイッターなどに来た反応を紹介したあとで、「僕が話す非結婚は独身生活を楽しみたいとか、いろんな女の子と遊びたいという訳でも、結婚する奴はバカだというわけでもない」といい、「だから私は愛について語ることにしよう」というジャック・アタリの言葉を紹介します。

そして「結婚という枠組みがないほうが一人の相手を愛し続けることが出来る人もいるんじゃないか?」という質問を投げかけ、結婚を同じく制度/枠組みである就職とパラレルに考えていくことで、そのことの意味を解き明かしてきます。

それはつまり、会社勤めの人とフリーランスの人がいるように、結婚している人といない人が当たり前のように居てもいいということ。しかし、「結婚っていいもんですよね」とは言うけど、「会社っていいもんですよね」とは言わない。これは結婚という枠組みが幸せの代名詞のように言われていますが、ある意味それは思考停止なのではと提起します。

「結婚は枠組みにすぎないのだから、それにとらわれなくていい」ということで「会社という枠組みの中でいい仕事をし続けることが出来る人もいれば、それがないほうがいい仕事が出来る人がいるように、結婚という枠組みの中のほうが一人の人を愛することが出来る人見れば、それがないほうが一人の人を愛することが出来る人もいる」とひとまず結論づけます。

使い古された言葉とレッテルへの疑問

「彼氏なのに … 」というセリフに内沼さんは疑問を感じるといいます。それは彼氏/彼女/夫/妻というような使い古された言葉にはすでにステレオタイプな役割があり、それが関係性を規定していくということへの疑問です。

ひとつはそのような「使い古された言葉で規定された関係性じゃなくて、自分たちなりの関係性を築いたほうがいいんじゃないか?」ということ。次に「彼/彼女と紹介することで所有や所属の関係になってしまう。相手は所有物ではなく一人の人間だから、変なレッテルを貼らずに紹介した相手にも変な気を使わせないほうがいい」ということ。

そして最後に「一方の気持ちが離れてしまっていても、定義は続いたままなので、無理とか嘘を積み重ねることで余計に関係が悪くなってしまうということがある。関係性というのは自然に変わっていくもので、レッテルによって関係性を定義してしまうと、お互いの気持ちいい距離を保てなくなるんじゃないか」ということ。

そんな疑問を乗り越え、自分たちで作った関係性によっていれば、「何も当たり前ではないから、いつでもありがとうと言える関係になる」と内沼さんは締めくくります。

当たり前のことだと慣れてしまわずに、いつも新鮮な気持ちで「ありがとう」ということが出来る、そんな関係なら結婚しているかしていないかという古い定義は無関係だよなあと、納得してしまうお話でした。


意外と多い?「非結婚派」

gdt1111 トーク2

ここからは会場からの質問と意見にお答え頂きました。

最初は、「一人を愛することを善とすることが前提条件になっているようですが、そのあたりの考えは」という質問。

イケダさんは「一人を愛すること以外はよくわからない」という答え、内沼さんは「一対一でなければいけないとは思っていなし、それは善とか悪とかではないと思う」という答えで、他のあり方も理解はできるけれど、自分としては一人を愛することを考えているという答えでした。

次は、こどもを持つという話が出てこなかったことについて「子どもを育てる条件として結婚するということをどう思うか」という質問。

内沼さんは「子どもがいても結婚は必ずしも必要ないが、いまは結婚している方が有利なのではないか。」という答え、イケダさんは「子どもを持ちたくて結婚したわけではないが、子どもを持つなら結婚している方が合理的だし、数年内には子どもを欲しいと思っているので、結婚していてよかったと思う」との答えでした。

続いては311による変化について。イケダさんは「震災と不況でコミュニティの重要性が変わり、愛という通貨が重要視されている」と最初に話されたことが震災以降強まっているという答え。内沼さんは「僕が話したような話が、ちょっと理解されやすくなったような気はする」とのことでした。

そして、女性に意外と多かった「非結婚派」。

一人は「女性だけど非結婚派でした。それは大きな声では言えなかったので今日は内沼さんにすごく共感できた。付き合うと別れが来るので最初から付き合わなければ別れが来ないという話も誰もわかってくれない」という感想に内沼さんは「すごくわかります」と答えていました。

もう一人は「結婚という制度に疑問があって、結婚って何が素晴らしいのかわからない」と話し、イケダさんに「結婚ってこんないいもんだっていうのを聞きたい」とリクエスト、また内沼さんには「彼女/彼氏に代わるいいネーミングがあったら教えてください」とリクエストしました。

イケダさんは「僕は合理的な人間なので結婚したのは経済的・文化的合理性からで、特に結婚自体にそんな『幸せ!』みたいなメリットがあるとは思わない。あえて言うとしたら結婚という大きな儀式でたくさんの人に祝福してもらえること」という答え。内沼さんは「祝福」という話に納得しつつ「人の前で誓いを立てたりしたことが縛りにならないといいなと」と意見を述べます。

そして呼び方について「いいのがないので、パートナーとか恋人とか言ってしまう。恋人っていいじゃないですか、甘酸っぱくて」と答えると、すかさず編集長から「今の質問をしたのは恋人なんです(笑)」との発言が!

最後は編集長へ「これまでノマド的なライフスタイルを送ってきたイメージがありますが、結婚を選択するのはどうしてですか?」という質問。

編集長は「ずっとノマドと再定住(再び定住すること)について考えてきました。今使われているノマドという言葉は、何だか場所を使い捨てていくイメージがある。以前より流動性が高まっているけど、いつどこがホームになるかわからないから1つ1つを大事にしていく、という発想が大切だと思うのです。」と、恋人の前で照れながら答えていました。

gdT1111 質問者gdt1111 YOSH

最後はお二人にもうヒトコトずつ。

いま話しているのは一人の男・女を愛するという枠組みだけれど、それすら重要ではなくなってきている。ビジネスでも何でも自分が大切にできるものを持って、それを大切に出来る生き方をデザインできたら、閉塞感がないような生き方ができると思います。僕もそういう生き方を貫いていきたいし、そういう生き方を志向していけば楽しくいきていけるんじゃないかと思いました。(イケダさん)

共感してくれる人が多くて嬉しかった。自分にとって結婚とか、同じ場所に住む/住まないとか、同じ所で働く/働かないとか、自分で選択できるようになってきている。最定義されて新しい言葉が生まれてきている。それぞれがちゃんと考えて、自分がこうするのが気持ちいいなという生き方をするのがいいと思う。自分にとってはその1つが結婚しないということだったので今日話す機会をいただき、ありがとうございました。(内沼さん)


これからのシリーズで伝えたかったこと

トーク終了後、今年1年の「これからの」シリーズのまとめとして編集長から挨拶がありました。

『これからの』というのが何だったのかお二人の話で気づきました。それは、LOVEでもお金でもすべてを『自分ごと』に一回しようよってこと。遠くで誰かが決めていたようなことを自分のところに引っ張ってきて、考えて、納得して、何事にも望んでいく。自分の想いに正直に生きる。それがこれからの大切な価値観だと思えました。(YOSH)

光るバッチペアのペアルック

光るバッチのペアルック

LOVEというテーマはパーソナルな部分に深く関わってくるので、なかなか語りづらいものですが、「自分ごと」ということを考えると、だからこそ重要な問題であり、そこをしっかり考える必要があるのだと感じさせられました。

今回は結婚を巡る話でしたが、コミュニティが重要な要素になったように、LOVEは人が何かに関わろうとするときに必ず必要になるもの、今年の「これからの」シリーズは終わりましたが、来年もLOVEを探しにgreen drinksに是非お越しください!

今年最後の green drinks Tokyo に参加しよう!