静岡県浜松市は、1年を通じて風が強く吹く地域。風によって育まれてきた街ともいえます。そこで、浜松にキャンパスを構える静岡文化芸術大学では、「浜松の風」をテーマとするブースを展開しています。
浜松独特の強い風やその風土などから着想し、スツール、テーブル、チェア、お皿といった様々な作品を、すべて学生たちが手作りで制作。展示ブース全体から、浜松の風のような、涼やかな雰囲気が伝わってきます。
たとえば、この「風紋の机」は、一見シンプルなテーブルですが、浜松の風土が丁寧に表現されています。浜松市南部の中田島砂丘では、強い風によって、風紋と呼ばれる波状の起伏が起こるとか。そこで、実際に砂丘に出向いて、風紋を石膏で写し取り、テーブルを砂丘に見立てて、これを彫刻しました。風紋をあらわす曲線は、テーブル全体にやわらかい表情を与えているのみならず、ペンなどを置く実用的なスペースとしても活用できます。
また、浜松は、強風ゆえ、一般的な風鈴では音が鳴りすぎてしまい、多少、風流さに欠ける面が…。そこで、風を視覚で楽しめる、“浜松版風鈴”の「風模様」(左)が制作されました。風が吹くとクルクル回り、美しいモアレ縞が現れます。このほか、浜松の地形をかたどった「大地のお皿」(右)は、地元の豊かな土壌で栽培された作物が自分たちの食を支えていることを気づかせてくれる作品です。
どの作品も、シンプルながら、地元への愛着と感謝の気持ちにあふれる、温かなものばかり。あなたも、このブースを訪れ、クリエイティブな「浜松の風」に、しばし吹かれてみませんか?
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