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電力会社の主要株主に原発事故後の姿勢を問う!A SEED JAPANが送った公開質問状、その内容とは?

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終わりが見えない福島の原発事故。東京電力の責任問題に世間の関心が集まる中、原発を所有する電力会社だけでなく、その主要株主やPRI(責任投資原則)の署名機関に対しても事故を受けた姿勢を問う動きがあります。主要株主は、企業のガバナンスに大きな責任を有する重要な存在。原発事故を機に、彼らは電力会社に対する投資を見直す行動に出るのか、否か。

6月19日、株主企業等に対し、次のような公開質問状が送付されました。

株主等に送られた公開質問状の本文(一部)

株主等に送られた公開質問状の本文(一部)

質問2:電力会社に対する投資方針について
今回の福島原発の事故を受けて、電力会社への投資方針を見直していらっしゃいますか(あるいは見直しを予定されていますか)。また見直しをされている(あるいは予定されている)場合、具体的な内容をご回答ください。見直しておらず、今後見直す予定もない場合は、その理由をご回答ください。

質問3:今年度の株主総会における議決権行使について
今年度の電力会社の株主総会のうち、東北電力、東京電力、中部電力、関西電力、中国電力、九州電力の6社において、原子力発電からの脱却および再生可能エネルギーの利用等に関連する議案が提出されています。これらの議案に対してどのように対応されましたか。6月末に開催される株主総会における実際の対応に基づいて、対応の結果とその理由をご回答ください。

質問4:原子力発電のリスクや代替エネルギーに関する見解について
今回の福島原発の事故を受けて、電力会社に対する投資の際に原子力発電のリスクについてどのように考慮するか、あるいは代替エネルギーとなる再生可能エネルギー事業のポテンシャルについてどのように考慮するか、貴団体として統一的な見解をお持ちでしょうか。またお持ちである場合は、具体的な内容をご記入ください。

※「国際青年環境NGO A SEED JAPAN 電力会社の主要株主およびPRI署名機関に向けた公開質問状及び回答票」(Wordファイル)より、一部抜粋。

方針や対応状況だけでなく、その理由も求める、スキのない質問項目。回答の全文は、そのままウェブサイトで公開(未回答でもその旨が公開)されるため、株主側も回答には慎重にならざるを得ないはず。質問状の送付先リストには、3大メガバンク(三菱UFJフィナンシャル・グループ、みずほフィナンシャルグループ 、三井住友フィナンシャルグループ )をはじめとした都市銀行、東京都、大阪市などの自治体のほか、保険会社、投信会社などが名を連ねていますが、各団体は今頃、回答に頭を悩ませているところでしょうか。

この質問状を送付したのは、国際青年環境NGO「A SEED JAPAN」。彼らが以前、メガバンクに対し、クラスター爆弾関連企業への融資方針を問う質問状を送付したことは、greenz.jpの記事「私たちのお金を戦争に使わないで!NGOの提言にメガバンクが動き始めた」でも紹介しましたが、今回は、金融機関のみならず、企業や自治体に対しても、今最も関心が寄せられている社会問題への姿勢を問う取り組み。

今後寄せられる回答が気になるところですが、私たちはそれをどのように捉えればよいのでしょうか?「A SEED JAPAN」で本プロジェクトを担当する土谷和之さんにお話を聞きました。

まず、みなさんにとって身近な金融機関や自治体の回答を見て、企業の姿勢を知ってほしいと思います。疑問があれば、例えば電話での問い合わせやCSRレポートにあるアンケートなどで声を届けるなど、一般の方でもできることは多くあります。マエキタミヤコさんがツイッター(@maekitam)で、東京都の「都民の声」に電話で都民の声を伝えようというアクションを広められていますが、自治体の広報窓口に思いを伝えるというのもよいでしょう。

まずは知ること。そして、声を届けるためのアクション。社会を変えていくために、私たちができることはたくさんあります。そのためのきっかけを作ってくれるのが、この質問状なのです。

今回の質問状は決して敵対的な意味を持つものではなく、あくまで市民と金融機関等との対話の一環で実施しているものです。回答を作成するのはとても大変かと思いますが、前向きにご回答いただけることを期待しています。こうしたやりとりを通じて、市民と金融機関等がお互いを理解する契機となれば、と思います。今後も、こうしたテーマについて、金融機関等と継続的な対話をしていきたい、というのが私たちの考えです。

A SEED JAPANの「エコ貯金プロジェクト」では、イベント出展やワークショップによって市民にその考え方を伝える活動を行う一方、金融機関の関係者をゲストに招いた「エコ貯金フォーラム」を開催し、市民と金融機関の対話の場を設けてきました。地道な活動が徐々に金融機関を動かしつつあることは前回の記事でもお伝えしましたが、今回の結果は如何に? 今後ホームページで発表される回答にご注目ください。

どんな質問を送ったの?質問状の全文を見てみよう。