ようやく収束の気配を見せてきたものの、まだまだ予断を許さないメキシコ湾の原油流出事故。greenzではそのメキシコ湾に加えて、ナイジェリアでも原油流出が起こり続けていることをお伝えしました。そんな中、今度は中国でパイプラインが爆発し、原油が流出するという事件がおきてしまいました。その事件を衝撃的な写真の数々とともにお伝えします。
事件がおきたのは、2010年7月16日。中国遼寧省の大連新港で中国石油天然気グループの原油パイプラインが爆発・炎上しました。
中国石油天然気グループによると流出し、海へと流れ出た原油は1500トンで、事故直後には周辺の海面は約20センチメートルの原油の層で覆われたとのことです。
中国政府は事故直後に大連新港を封鎖、原油除去専門の船舶に加え、地元の漁船500隻も動員し、原油の除去に努めているそうです。
しかし、沿岸の原油の量は凄まじく、浜辺は大量の原油で黒く染まりました。
原油の除去作業中に、作業員の一人が原油の海で溺れそうになり、救出するという出来事もおきました。
7月23日の時点で、タンカーが接岸できるくらいまで原油の除去が進んだということですが、これまでの原油流出事故の先例から見ても、汚染の影響が完全になくなるには数年かかるのではないでしょうか。
大連は、中国北東部、北朝鮮に接する遼寧省南部の都市です。つまり、日本から見れば対岸ともいえる場所、潮の流れによっては中国だけでなく、北朝鮮、韓国へも汚染が広がる可能性があるといいます。しかも油田があるわけではなく、パイプラインによって運ばれた原油を船に積む港で起きた事件です。
このことが示唆するのは、同じような事故はどこでも起きる可能性があるし、もしそのような事故がおきたら、その被害がどこまで広がるのか予想できないということです。このような事故を防ぐためにはどうすればいいのか。もちろん事故がおきないようにする対策、汚染を除去する方法を考えることも非常に重要ではありますが、根本的になるべく石油に頼らない暮らしを模索することも必要なのではないでしょうか。
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