3月7日、‘協働’という形で、社会的な起業をサポートする、ソーシャルベンチャー・パートナーズ東京(SVP東京)のネットワークミーティングが開かれた。学びの場として、2~3ヶ月に1回のペースで開催、今回で50回目を迎えた。そのテーマは、「社会起業・ NPOが飛躍するために、いま、本当に必要なこと」。昨年10月には、鳩山首相が所信表明演説の中で「新しい公共」の必要性を訴え、その中心的な担い手としてNPOを挙げており、今、一番議論が必要とされるテーマと言えるだろう。
鳩山首相が必要性を強調する「新しい公共」。所信表明演説では、「人を支える役割を、『官』だけが担うのではなく」「一人ひとりにも参加してもらい、それを社会全体として応援しようという新しい価値観」と語り、全員参加型社会への転換表明だと受け止めることができる。
今回のミーティングでは、そのようなNPOや社会的企業が抱える問題解決に向け、中間支援組織は何ができるのか、官民を超え、意見交換された。(下記に登壇者の紹介あり)
幾つかキーワードを挙げると、
・(社会的企業を継続させる)‘生態系’を創りだすことが中間支援の役割
・生態系は (NPOと企業、人材やお金など)撹乱が大切
・お金を出すだけではダメ みんなでNPOを育てていく
・投資してもらうには、楽しい、好きといった共感性が必要
・NPOの情報開示が大切
・社会起業家を目利きする力が今後求められる
など、幅広い意見が飛び交わされた。
特に興味深かったのは、セキュリテ・猪尾さんが触れた、株式会社トビムシ・森の所有者・村・森林組合が手を組み、‘共有の森のファンド’で資金を募る連携プレー。これは、まさに新しい生態系の一つではないだろうか。
また、2月末に鳩山首相が視察に訪れたという、マドレボニータ代表・吉岡さん(SVP東京の投資・協働先卒業生)からは、「(同じくSVP東京が投資・協働した)NPO法人フローレンスさんからの電話がきっかけ!」という、首相訪問の裏話を聞くことができ、このようなイベントや中間支援が、社会起業家同士のつながりの場としても機能していることが感じられた。
「人を支え、人の役に立つことは、人間にとって大きな喜びとなります」鳩山首相はこうも述べている。全員参加型社会とは、私たちを含めた社会全体がエンパワーされる社会である。そのような社会の実現にむけて、中間支援組織がリーダーとなり、さらなる議論を進めて欲しい。
【登壇者】
NPO法人マドレボニータ代表 吉岡マコさん
経済産業省 地域経済産業グループ 立地環境整備課 地域振興係長 一色広樹さん
NPO法人シーズ・市民活動を支える制度をつくる会 関口宏聡さん
日本財団CANPAN プロジェクトマネージャー 山田泰久さん
セキュリテ(ミュージックセキュリティーズ株式会社取締役) 猪尾愛隆さん
SVP東京 代表 井上英之さん
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