オレゴン州は、米国初となるエコな取り組みに向かって歩き出した。プロジェクトの名は、『ソーラー・ハイウェイ』!
この「ソーラー・ハイウェイ」だが、プレスリリースによると州間幹線道路のインターチェンジに、合計出力104キロワットの太陽光発電施設が設置されるという。この出力規模は、岐阜県にある三洋電機のソーラーアークの約6分の1、標準的な住宅用太陽光発電施設の約25軒分に値する。
オレゴン州の交通システムの1年間の電力消費量は、4500万キロワット/時。同州交通局は、その約4.5%にあたる年間200万キロワット時を太陽光発電する、という目的を掲げている。それも、現状のコストを上回らずに、という条件付きだ。年間200万キロワット時というと、日本人1人当たりの年間電力消費量の約240倍だ。ハードルはなかなか高い。
その高いハードルをこえるため、オレゴン州交通局が考えたのは、地域の民間企業との提携。例えば、この『ソーラー・ハイウェイ』プロジェクトでは、資材の提供、設計、施工を、地元4企業から成るコンソーシアムが担当する。うち3企業は、オレゴン州の『新興小規模事業者』に認定されている。
そう、この『ソーラー・ハイウェイ』は、地元で太陽光発電ビジネスを展開するベンチャー企業を支援し、費用対効果にも配慮する、環境にも社会にもやさしいプロジェクトだ。
オレゴン州にとって『ソーラー・ハイウェイ』は、再生可能エネルギー活用の第一歩でしかない。同州知事は昨年、州機関に対して、電力需要の100%を再生エネルギーでまかなうよう指示した。交通局に限らず、いろんな公的機関が、再生可能エネルギー活用の国内パイオニアを目指して動き出しそうだ。