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今日も太陽を追いかける! 向日葵(ヒマワリ)ならぬ向日家『Heliotrop』

greenz/グリーンズ Heliotrop

Heliotrop

ドイツのフライブルグ市に、ヒマワリのような家がある。その名は、『Heliotrop』。ギリシャ語で、太陽に向く、という意味があるそうだ。ちなみに、「heliotrope」という英語は、それこそ向日性植物の意を持つ。
そう、『Heliotrop』は、太陽の動きに合わせて回転してしまう建物なのだ!

この目が回ってしまいそうな建物の設計者であり、住人でもあるのは、地元のエコ建築家 Rolf Dischさん。彼は、ソーラー利用システムの試験台として『Heliotrop』を設計した。そう考えれば、巨大な回転式ソーラーパネルを見ても、バルコニーの手すりが太陽熱温水器のための真空管を兼ねていると知っても、それほどびっくりはしない。でも、なんでソーラーパネルだけでなく、建物自体まで回転させる必要があるのだろう?

その答えは、窓と壁にあった。

『Heliotrop』の壁は、半分はいくつもの窓に覆われているが、あとの半分には窓がついていない。窓は、断熱性に優れた3層複層ガラスでできている。冬の寒い日でも、この窓で太陽の光を受ければ、冷気は遮断され、日の暖かさだけが部屋の中に伝わってくる。反対に、夏の強い日差しは、分厚い壁で受けて、室内を涼しく保つ。

そういうわけで、ソーラーパネルと建物は、一緒には回転しない。ソーラーパネルは常に太陽に向けられていて、建物の電力消費量を4倍から6倍上回る電力量を生産する。

モダンな外観で、太陽光と太陽熱をフル活用する技術を備え、一年中快適な住環境を提供する『Heliotrop』。てっきり新しい建物だろうと思っていたら、完工は1994年だった。びっくり!

ドイツでは、2002年に「低エネルギーハウス」規格(Niedrigenergiehaus)が設置されて以降、すべての新築住宅に一定以上の省エネ機能が義務付けられている。『Heliotrop』のような電力の生産量が消費量を上回る住宅は「プラス・エネルギー住宅」と呼ばれ、少しずつ数を増やしているようだ。

日本でも最近は、ゼロ・エネルギー住宅という言葉を聞くようになった。家庭用太陽光発電の電力に対しても「グリーン電力証書」が発行されれば、自家発電と省エネを通じて、お小遣い稼ぎができるようになる。日本版『Heliotrop』が登場する日も、そう遠くはないのかもしれない。

::Tree Hugger(翻訳:greenz)