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お酒を足して美味しいカクテルにしても、ステーキのソースにしても良し。コロラド州のピクルス製造会社が考案した、”あまりもの”だらけの野菜ミックスって?

料理をすると、どうしても人参の皮や魚の骨など、捨ててしまう余りものがある方は多いはず。家庭で食料廃棄をゼロにすることは難しいですよね…。

このように、フードロスをゼロにするのは一見難しそうですが、実は企業内で実現可能にさせた商品があるんです!

それが今回ご紹介する、アメリカのコロラド州を拠点にピクルスの製造・販売を行う会社「The Real Dil」がつくる商品「Bloody Mary Mix」。

動物由来の成分は未使用なため、ビーガンにも対応。

「Bloody Mary Mix」は一言で表すと、ジュース状の野菜ミックスです。そのメインに使われている材料は、どれも”あまりもの”ばかり! 商品製造のために新たな食材の入手はせず、キュウリをつけていた液や、ピクルスを製造する過程で出てきたさまざまな野菜の切れ端を再利用しています。

材料があまりものだからといって味が劣っているわけではありません。おいしいのはもちろん、使用方法がとても豊富! たとえば、ウォッカに入れてカラフルなカクテルにしたり、マリネソースとして使って大きなお肉のかたまりをグリルで焼くのもオススメだそう。そんな利便性から、会社の主商品であったピクルスを抜いて、今では1番の人気商品になっています。

食材を余すことなく使うことができ、料理も楽しくなりそうですね。

「Bloody Mary Mix」とは別に、「The Real Dill」では、地元のNPO団体と提携し、貧困状態の家庭に対して農業支援も行っています。製造過程で生まれた生ゴミを提供し、野菜を育て食糧を確保することで自立支援をしているそう

「The Real Dill」の創業者は、Justin Park(以下、ジャスティンさん)とTayler Dubois(以下、テイラーさん)。2人は会社が順調に大きく成長する一方で、毎週捨てられる140kgもの生ゴミに罪悪感を覚えていました。

そんな中、普段通りキュウリをつけていた液を捨てているとき、「これはあまりものだけれども、とてもおいしい。何かいい使い道があるかもしれない」と気づきます。そこで考案されたのが「Bloody Mary Mix」。彼らの小さなアイデアは、本来捨てられるものに新しい価値を与え、今では大人気の商品となりました。

小さなアイデアでフードロスをゼロにすることを達成したジャスティンさんとテイラーさんですが、この偉業に対し彼らは、とても謙虚な回答をしています。

別に目立ったことをしたいと思ってフードロスのゼロ化に取り組んだわけではないんだ。いち企業として、とるべき責任を果たしただけだよ。

創業者のテイラーさん(左)とジャスティンさん(右)。

フードロスの問題は決して、遠くアメリカにあるだけのものではありません。耳にしたことがある人も多いと思いますが、実は日本は世界の中でも食料廃棄量がトップクラス。食べられるけれども捨てられている、いわゆる食品ロスは約600万トンもあるのです。1年間で世界から集められる貧困地域への食料援助量は300万トンなので、日本ではその2倍の量の食材を破棄しているということになります。(出典元)(出典元

「The Real Dill」が実現したように、フードロスをゼロにすることを目標に掲げ、小さなアイデアと工夫を凝らしていくだけでも、この深刻な事態からの改善は可能なはずです。

みなさんも、余った食材をいかし、一手間かけてスープやソースをつくってみませんか? 創造性を働かせ楽しみながら料理を行うことで、私たちが出す生ゴミの量も少しずつ減っていくはずですよ。

[ViaFASTCOMPANY,FOOD&WINE,The Real Dill,Re:Vison

(Text: 川又彩華)
(編集: スズキコウタ)