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みかんの搾りかすで車が走る!?愛媛発、新発想のバイオエタノール生産を国が補助!

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みかんの名産地、愛媛県から画期的なニュースが飛び込んできた。石油代替エネルギーとして注目されているバイオエタノールを、みかんジュースの搾りかすから作ってしまおうという愛媛県の取り組みに、国が補助金を出す見通しとなったという。9月中にも正式に決定し、県や大学、企業などと連携して10月から事業を始める見込みだ。

愛媛県では、2007年8月に「愛媛県バイオエタノール導入可能性調査委員会」を設け、幅広いバイオマス燃料利用による新エネルギーの導入について、話し合いが行われてきた。委員会においては、トウモロコシなど、食糧競合が問題視されるものではなく、廃棄物系、未利用、資源作物、新作物などの利用を検討。「作付されてない田」における稲作、裸麦などと共に、愛媛県独自の「廃棄物系」燃料としてみかんの搾りかすが有力視されてるようになった。

愛媛県名産の温州みかんや甘夏、いよかんをジュースなどに加工する際に出るかすは、県内8社のジュース工場で年間約2.2万トン。これらは主に飼料や堆肥に利用されているが、15~20円/㎏の処理費用を払って廃棄処分されるものもあるという。このうち、約10%はエタノール発効に適した糖類を含む可溶性無窒素物で、この全量を利用すれば、バイオエタノール300klを製造することが可能。これを用いて製造できるエタノール混合ガソリンは10,000klで、愛媛県の年間ガソリン販売量の2%弱を賄うことができるという。

ただ、これを行うには大規模な設備投資が必要になるなど、主に採算面で課題が多かった。今回採択が決まれば、3年間で総事業費として補助率100%となる10億円の補助が受けられるため、一気にこのプランが実現可能となる。これまで廃棄物処理にかかっていた費用も不要になるなど、その他のメリットも多いこの事業は、実現に向け大きな一歩を踏み出した。

食用のみならず、燃料として県民の生活を豊かにする、これこそ、本当の意味の「地域特産品」といえるかもしれない。愛媛県民にとって「みかん」はますますなくてはならないものになりそうだ。