みなさん、こんにちは!発酵デザイナーの小倉ヒラクです。
今回グリーンズの学校で「発酵デザイン入門クラス」を開講することになりました!今回のテーマは「暮らしにまつわるバイオテクノロジー」の入門講座です。
美味しい食べ物やお酒をつくるのはもちろん、農業の土壌改良や水質浄化、エネルギーの生産など、微生物の力を使ったテクノロジーは、環境と健康に負荷をかけない暮らしをつくるために重要な役割を果たしてきました。そして。その流れは微生物の生態の解明とIT技術の進化によりさらに加速しています。
なんとなく「健康や環境にいい」というイメージはあっても「なぜそうなのか?」がよくわからない。それは専門家でなくても理解できるリテラシーが未だ整備されてないからです。
ということで。今回不遜にも「誰でもいきなりリラックスして微生物の世界にジョインできる方法」の開発にトライしてみることにしました。
微生物やDNAを扱うバイオテクノロジーは、21世紀最大のフロンティアと言われています。
そう言われているわりには何がスゴいのかさっぱりわからないそのミクロの世界を、発酵デザイナーと一緒に楽しく学びましょう!
なぜ今、学ぶ場をつくったか?
これまで開催したワークショップの様子
実は微生物の世界というのは、細かく細分化されていてアウトラインを掴むのが難しい分野です。 それを横断して教えるには、ものすごく長い時間研究を積んだエキスパートの教授じゃなきゃ無理!でもそんな大御所がフツーの僕たち向けに入門講座をやってくれるの…?
このような状況をなんとかするためには「学び方」を根本からシフトチェンジしてみようかなと。
一方的に先生がレクチャーするのではなく、参加者がそれぞれの専門性を活かしつつ議論しながら知識を深めていくという、サイエンスショップ※の方法を参考にしてみようと思っています。
※サイエンスショップ:専門家と市民、NPOが共同である科学的課題に取り組む仕組み
今回僕は、全てに通じているセンセイではなく(そもそもそんなの無理!)、専門性を持った「ファシリテーター」として講座を企画します。
そのうえで、基礎的な知識を伝授した後は「私だったらこういう発酵食品をつくる」とか「こんなエネルギー開発ができるんじゃない?」とか「そもそも遺伝子組み換え技術ってどうなの?」等など、「バイオテクノロジーをどうやって暮らしと社会に活かすか」という「そもそもディスカッション」を交わしていきたいと思っています。
色んなバックグラウンドを持ったオトナが集まるわけだから、きっと面白い議論とアイデアが生まれると思うんだよね。
テクノロジーが社会に大きな影響を及ぼす時代だからこそ、知識と同時に「知識をどう活かすか」というリテラシーもゲットしようぜ!
クラスの進め方
基本は、
・実習(ワークショップ)
・レクチャー
・ディスカッション
を1セットで進めたいと思っています。
顕微鏡の操作や、菌の分離培養の基本について
微生物の見分け方も基礎を伝授しまーす。
もちろん発酵食品づくりの実習も!
「落語のように聞ける」と評判のレクチャー。色んな領域をカバーする予定。
実習や資料をもとに、みんなでディスカッションしましょう。
このスクールで学べること、得られること
このように「発酵デザイン入門クラス」では
・発酵食品のつくり方のコツ、原理がわかる
・微生物から派生するバイオテクノロジーのアウトラインがわかる
・微生物の種類/生態、遺伝子、酵素などの基礎知識がわかります
・微生物の取り扱い方、分析の基礎がわかります
(詳しくはカリキュラムをチェック!)
・同じ興味を持つ仲間と一緒に楽しく学べます!
ご質問がある方は、この記事にコメントするか、school [at] greenz.jp まで!
開催概要(全5回)
講座日程
第1回 10/30(日) 13:30-16:00
第2回 11/6(日) 13:30-16:00
第3回 11/13(日) 13:30-16:00
第4回 11/27(日) 13:30-16:00
第5回 12/4(日) 13:30-16:00
ファシリテーター
発酵デザイナー。「見えない発酵菌たちのはたらきを、デザインを通して見えるようにする」ことを目指し、全国の醸造家たちと商品開発や絵本・アニメの制作、ワークショップを開催。東京農業大学で研究生として発酵学を学んだ後、山梨県甲州市の山の上に発酵ラボをつくり、日々菌を育てながら微生物の世界を探求している。
絵本&アニメ『てまえみそのうた』でグッドデザイン賞2014受賞。2015年より新作絵本『おうちでかんたん こうじづくり』とともに「こうじづくりワークショップ」をスタート。のべ800人に麹菌の培養方法を伝授。自由大学や桜美林大学等の一般向け講座で発酵学の講師も務めているほか、海外でも発酵文化の伝道師として活動。雑誌ソトコト『発酵文化人類学』の連載、YBSラジオ『発酵兄妹のCOZYTALK』パーソナリティも務めている。
会場
会場 グリーンズオフィス(第1回フィールドワーク、第3回ワークショップを除く) 東京都渋谷区神宮前2-19-5アズマビル1階
東京メトロ 千代田線 「明治神宮前」駅、銀座線「外苑前」駅、副都心線「北参道」駅、JR「原宿」駅からそれぞれ徒歩10分
参加費
一般(全5回分) ¥36,000
学生/遠方(全5回分) ¥30,000
※学生割引は先着2様までとさせていただきます。
※東京、神奈川、千葉、埼玉以外にお住まいの方は遠方料金にて受講いただくこができます。先着2名まで。
※開講時学生証の提示をお願いする場合もございますので、あらかじめご了承ください。
定員
12名(一般8,学生2,遠方2)
※申し込みは先着順です。定員に達し次第申し込みを締め切らせていただきます。
※最低開講人数は6名です。開講の決定は初回授業の1週間前までご連絡いたします。
申し込み方法
下記「申し込む」ボタンをクリックしてお申し込み後、決済をお済ませいただきましたら、正式受付となります。 ※決済はVISA、MASTER、JCB、AMEX、Paypal、コンビニ/ATMが利用可能です。
申し込み締切
10/21(金)22:00 ※定員に達し次第、受付を停止します。お早めにお申込み下さい。
カリキュラム
第1回【チェックイン】微生物の世界へようこそ
なぜ今微生物/バイオサイエンスなのか?課題を整理しながら参加者の自己紹介と菌を見つけに行くフィールドワークを行います。
第2回【発酵を楽しもう】食のDIYサイエンス
発酵の歴史・技術のアウトラインと発酵食品づくりのツボを学びます。
参加者の顔ぶれを見ながら考えますが、麹(こうじ)か野生酵母パンづくりのどちらに挑戦予定。
第3回【微生物と僕たちの暮らし】ミクロの生態系を知る
いよいよアドバンス編。微生物学のアウトラインを学びます。コンポストをつくりながら、微生物の生態系と代謝を実感します。
第4回【微生物視点で世界を見渡す】白・赤・緑のバイオテクノロジー
微生物学を応用したバイオテクノロジー(医療や環境)を学ぶとともに、人間の体内と地球の物質循環を学びます(たぶんこの講座の一番のハイライト)。
ちょっと上級編の実習をやる予定。
第5回【バイオテクノロジーとあるべき未来】バイオリテラシーを学ぶ
伝統的なバイオテクノロジーから派生した、新たな先端テクノロジーの世界を垣間見ます。遺伝子工学やバイオミミクリー、合成生物学など、これから発展を遂げるであろう生命工学のトピックスを押さえたうえで、市民である僕たちがどのように生命と向い合っていけばいいのかディスカッションします。
*内容は都合により変更する場合もありますので、あらかじめご了承ください。
みなさんのお申込みをお待ちしています! ご質問がある方は、school[at]greenz.jp まで!
※グリーンズの学校【よくある質問】まとめました!まずはこちらをご確認ください
「グリーンズの学校」卒業生の活躍
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