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暮らしをつくれば、社会が変わる。エネルギーを手づくりする「暮らしの発明家クラス」第1期生が卒業。より進化したオフグリッドDIYクラスも募集中!

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第1期生のみなさん。「発明家ポーズをお願いします」とのリクエストに。

わたしたちエネルギー」は、これまで“他人ごと”だった「再生可能エネルギー」を、みんなの“じぶんごと”にするプロジェクトです。エネルギーを減らしたりつくったりすることで生まれる幸せが広がって、「再生可能エネルギー」がみんなの“文化”になることを目指しています。

使い終わったコーヒー豆で消臭剤をつくる、米のとぎ汁で野菜や花を育てる、壊れてしまった靴やかばんを直してより長く使う。

日々何気なく過ごしがちなぼくたちの生活も、ちょっとした工夫次第で自分らしく、より楽しく、そして地球にやさしいものにすることができるのかもしれません。

自分の暮らしを自分でつくる、「暮らしの発明家」。そんな発明家を生み出す学校が昨年グリーンズで開校され、その第1期生が今年1月に卒業しました。

クラスのファシリテーターを務めるのは、千葉県いすみ市でトレーラーハウス生活を実践するなど、自らも暮らしを発明中のグリーンズ代表・鈴木菜央さん。

講師には藤野電力の鈴木俊太郎さん、佐々木博信さんの2人をお招きし、暮らしの発明家になるためのヒントを学びました。

なぜいま、暮らしをつくることが必要なのでしょうか。そしてこの「暮らしの発明家クラス」では、何を学ぶことができたのでしょうか。菜央さんと第1期生のみなさんに聞きました。

暮らしを変えることが、社会を変える一番の近道

そもそも菜央さんが自らの暮らしをつくりたいと思うようになったのは、2011年に起きた震災がきっかけだったといいます。

菜央さん エネルギーがどこか遠くで、自分がいいと思わない方法でつくられていて、それが運ばれて自分の家の電気を供給している。じゃんじゃん電気が使えて便利だけど、それは、メリットだけを享受して、デメリットや危険性を、地方の人たちや未来世代に押し付けていることだだったんだ、と気が付いたんです。

「ブラックボックス化してしまっているエネルギーを、自分の手でつくってみたい」。そう思った菜央さんは2012年、自宅の一部屋をオフグリッドにしたことで、「電気はつくれる」ということを学んだそう。

菜央さん この「暮らしの発明家クラス」を立ち上げたのは、ぼく自身もっと電気のことを学びたいし、きっとエネルギーをきっかけに自分の暮らしをつくりたいと思っている人は多いはずだと思ったからなんです。

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クラスでは、リトルトーキョーの「小屋Books」をオフグリッド化するワークショップを行いました。

「ソーシャルデザイン、『ほしい未来をつくろう』と言ったときに、いままでは外側の未来に目を向け過ぎていました」。かつては自分自身も健康や家族のことを大切にできていなかった時期もあるという菜央さんは、暮らしをつくることがいま、おろそかにされがちだと話します。

しかし地域や社会といった外側を変えていくためには、もっと内側、自分自身のことも大切にしなければいけない。そう気付いてたどり着いた答えが、「暮らしをつくること」でした。

菜央さん ぼく自身がそうだったように、社会や街の課題解決に一生懸命になるあまり、自分の体や心、家族のことをおろそかにしてしまう人は多いんじゃないかと思うんです。

でも、社会をデザインすることと自分をデザインすることはつながっている。全部ひとつの流れだと思うんですね。

自分を大事にすることを通して、家族や地域を大事にしていく。地域を大事にすることを通して、社会や地球を大事にしていく。

ガンジーの言葉に「Be the change you want to see」(自分がみたい、変化そのものになりなさい)というのがあるんですが、これはそういう意味かなと。「Make the change」(変化をつくれ)じゃないんですね。

だから、暮らしをつくることのパワーって実は大きいんだと思います。社会を変える一番の近道は、暮らしをつくることなんじゃないかと思うんです。

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暮らしの発明家・鈴木俊太郎さんによる講義の様子。

「暮らしはすべてがつながっている」ということ

デザイナーやコピーライター、銭湯屋の二代目からサラリーマンまで。全国各地から多彩な顔ぶれが集まった、「暮らしの発明家クラス」第1期。みなさんは、このクラスで何を学ぶことができたのでしょうか?

最終回に行われた打ち上げに参加して、クラスの感想を聞きました。

前嶋葵さん ぼくは普段の生活をしていて、自分で何も生み出せていない、あらゆるものの自給率が0%だとある日気付いたんですね。

このクラスに参加して、それが少しだけでも、0%が1%になるだけでも、これからの生活が変わっていくのかなと思っています。

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みんなでクラスの感想を共有しました。

青木隆さん クラスでつくった太陽光パネルを家で使い始めて子どもたちに使い方を教えたら、小学校1年生の娘がそれを見て、「あれ、じゃあこっち(家の電球)はどこから電気が来てるの?」と言ったんですよね。

つくったのは小さなバッテリーだけど、大きな疑問につながった。クラスに参加して、ちょっとしたことでも自分でやってみることで、次の疑問や発見につながるんだなと思いました。

菅原浩さん (講師の)鈴木俊太郎さんのお宅におじゃましたのをきっかけに、暮らしをトータルで考えることができました。

電気や熱、コーヒーの煎れ方、なにかひとつのことをきっかけに、生活全体が変わっていくんだということが勉強できました。1番の学びは、暮らしはすべてがつながっているということです。

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鈴木俊太郎さん

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俊太郎さんの暮らしを覗くために、フィールドワークにも出かけました。

暮らしはすべてがつながっている。開校当初は電気をつくることをメインに学ぼうを思っていたという菜央さんも、クラスを通して、“暮らし全体”を考えることの大切さを学んだと話します。

菜央さん 暮らし全体を考えたときに必要なのは、電気をつくるだけでなく、たとえばカーテンを伸ばすといった断熱の工夫、早く寝ることで使う電気を減らすといった暮らし方の工夫、さらには仕事の仕方や生き方まで、すべてだと思うんです。

それはつまり、暮らしをただ受動的に与えられるのではなく、自分のものと捉えてハックしていくということ。そういう態度が大切だということに、気付くことができました。

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「いい仲間ができた」と、菜央さん。

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打ち上げは、各自で料理を持ち寄るポットラック形式。これもひとつの暮らしの工夫?

暮らしの発明家クラスは、オフグリッドDIYクラスとして、
まだまだつづきます!

第2期「暮らしの発明家クラス」は、「オフグリッドDIYクラス」と名を変えて、9月12日から始まります!

菜央さん 賃貸でも、アパートでもできる、エネルギーをつくる暮らしを、みんなといっしょに学びながら手づくりしていくクラスです。本当に初心者でもOK。ぜひ、いろんな人に参加して欲しいですね。

第1期で学んだことを活かして、より手を動かすワークショップを中心に、そして電気をつくるだけでなく、暮らし全体を考えていけるようなクラスを目指しているのだそう。

【スケジュール】
第1回 9/12(土) 10:30-18:30 フィールドワーク(集合:JR中央本線 相模湖駅)
第2回 9/14(月) 19:15-21:45
第3回 10/1(木) 19:15-21:45
第4回 10/25(日)10:30-18:30 出張DIYワークショップ(集合:JR外房線 上総一ノ宮駅)
第5回 10/30(金)19:30-21:45

みなさんも、オフグリッドDIYへの一歩を踏み出してみませんか?