8月8日(木)、東京・お茶の水で「green drinksお茶の水 vol.1」が開催されました。green drinksお茶の水では、もともと学生街であるお茶の水の特性を生かし、学生が中立の立場となって企業や地域とつながり、「“くくり”を超えた“フラット”な場」を目指しています。
記念すべき第1回目は「集まろう!お茶の水ミライビト ~学生×地域×企業 みんなでできること・したいこと~」 をテーマにお茶の水の学生、企業、ワーカー、地域住民が想いを共有し、一緒にできること、したいこと、そしてお茶の水の未来を考えました。
今回はプレゼンターに、お茶の水に誕生したばかりの3つのスポット、「お茶ナビゲート」さん、「三井住友海上・ECOM駿河台」さん、「WATERRAS・淡路エリアマネジメント」さん、そしてお茶の水地域で活動する学生団体をお迎えして意見交換をしました。
開催場所は今春竣工したばかりの「御茶ノ水ソラシティ」内にある「お茶ナビゲート」
それぞれの活動を知る機会
まずは3つの新拠点のみなさんに、今自分たちが行っている活動について紹介していただきました。
1人目は「お茶ナビゲート / NPO法人連想出版」の中村佳史さん。お茶の水周辺を散策するための地図を仕掛けに、様々な情報発信、また交流を生む場を提供している中村さん。お茶ナビゲートに限らず、神田の古本街での活動もご紹介していただきました。
2人目は「三井住友海上・ECOM駿河台」の玉垣裕美子さん。都市空間に緑に囲まれた公開空地を展開するECOM駿河台さん。そこで行われたイベントや取り組みについて説明していただきました。環境への取り組みに限らず、人と人とが交わる場としても利用されていました。
3人目は「WATERRAS・一般社団法人エリアマネジメント / 安田不動産」の若松友治さん。今回はWATERRASで行っている地域活性化イベントの紹介だけでなく、学生が利用できるWATERRAS内の活動の場の提案もしていただきました。
お茶の水に通っているだけのワーカーや学生では普段聞くことができないお話を多く語っていただきました。企業の行っている活動を知ることでお茶の水というまちについて再認識もできたと感じました。
続いて学生たちの発表。1人目は日本大学の4年生土屋光太郎さん。毎年10月にお茶の水で開催される「お茶の水アートピクニック」の学生プロデューサーとして学生がどのようにまちと関わっていけるのかを語っていただきました。
2人目は明治大学3年で「明大まちづくり道場」代表の森脇麻生さん。現在、お茶の水で行っている音楽を活用したまちづくり活動について紹介していただきました。
3人目は明治大学3年の「カンダユメラボ」代表、黒嶋洋平さん。これまでの活動と今年10年目を迎える団体での新しい試みについて発表していただきました。
そして4人目は日本大学2年生「学生団体One.」に所属する大城義弘さん。団体の紹介に合わせて、今後お茶の水でやりたいことも発表していただきました。
後半は学生が本音をぶつける熱いパネルディスカッションに
パネルディスカッションでは学生から一歩踏み込んだ質問や疑問が投げかけられました。
特に印象深かったのが、森脇さんの「今、学生が活動していることが本当に地域の役に立っているのか?」という疑問でした。これには、プレゼンターのみなさんだけでなく、この場に参加していただいた地域の方に回答をいただくことに。
学生が活動をしていて一番気になる部分ですが、このようなことを聞く機会も今までありませんでした。地域の方からは「学生の活動は本当にすべての地域住民が認知しているわけではないので全体的な地域住民としての意見は言えないですが、しかし僕自身はまちにとってとても貢献してくれていると思っています」との意見をいただきました。
地域の方から直接意見をいただける場は今までになく、学生たちも自分たちの疑問を解決できるヒントを多く得た場になりました。
パネルディスカッションを終えてからは交流会となりました。自分から話をしに行く学生が多く、その場で出来たグループの中では自分のやりたいことを熱く語ったり、企業の方に質問したり、また学生同士もつながる機会となりました。
学生の疑問に答えるお茶の水地域の方
お茶の水のこれからが楽しみに
当日、green drinksお茶の水の学生コアメンバーとして参加した学生は次のように感想を述べてくれました。
様々な活動をしている人と「ククリ」を超えてお話しすることができました。地域活動をしながらも知らないことも多く、驚かされることがあり、またこのような機会を設けることで新たに知ることもありました。
今回ここで活動を紹介していただいたプレゼンターの企業の皆さんや参加していただいたワーカーや地域のみなさんとも協力すれば、学生だけではできなかったこともできる気がする、そんな可能性の生まれる場となったと思います。
また学生間では自分の団体の活動だけでなく、他団体の方で協力し合ってできるのではないか?と頭の中でたくさん案が浮かび、これからの活動が楽しみです。
今回のgreen drinksでは、お茶の水で活動していないが違う地域で似たような活動をしていてヒントを得ようとしている方や、つながりを作ろうとしている方、またまったく地域活動をしていないが興味を持ってくれた方が参加してくれたことがとてもうれしかったです。
「学生らしく」をメインに考えて当日は活動していたためか、笑いが起きたり、プレゼンターの話を聞きながら思い思いに知り合いと話す姿が見れて、自分たちの雰囲気づくりがいい方向に向かってくれたのではないかとうれしく感じました。
お茶の水のミライを考えるうえで学生の立ち位置というものがすごく重要なものだと改めて感じました。これからも定期的に行われるgreen drinks お茶の水。今後の展開も楽しみです。
Text:鎌田桜子(日本大学理工学部建築学科/green drinksお茶の水学生オーガナイザー)