あなたより、辛い人がいるんだよ。
しんどいときや助けてほしいとき、そんな言葉をかけられたら、どう思うでしょうか。
もちろん、自分が一番しんどくて可哀想だなんて思っていない。
でも他の人が耐えられることが、私にも耐えられるわけじゃない。
限界だから、助けてほしいと声をあげているだけ。
表現は少し変えていますが、これは「一般社団法人 京都わかくさねっと」が、学校・社会・家庭から孤立し、生きづらさを抱えた少女たちに取ったアンケートに書かれていたメッセージです。
親からの虐待やいじめ、貧困、差別……。現代社会が抱えるさまざまな問題に巻き込まれ、苦しみ、SOSすら出せない少女たちの居場所をつくりたい。
そんな想いで開かれている場が、今回の記事で取り上げる「わかくさカフェ」です。
運営をするのは「一般社団法人 京都わかくさねっと」(以下、京都わかくさねっと)と、京都市左京区東丸太町にあるホステル「HOSTEL NINIROOM」(以下、NINIROOM)。
ホステルの客室をお昼寝場所として用意するほか、食事や生活用品も無料で提供。ほっと一息つくことができる時間と出会いを創出しています。
わかくさカフェのプロジェクトに取り組む、京都わかくさねっとの北川美里(きたがわ・みさと)さんと渡部由紀子(わたべ・ゆきこ)さん、NINIROOMマネージャーの大東瑠美(だいとう・るみ)さんに、活動への想いを伺いました。
結婚を機に大手広告代理店を退職後、子育て期間中に京都保護観察所で内勤保護司として従事。京都府更生保護女性連盟の事務局長として「京都わかくさねっと」を設立し、2018年に法人化。
保護司や民生委員としての活動を経て、京都わかくさねっとに参加。少女たちの相談に乗るほか、旬の食材を使ったご飯をつくり、提供している。
地元の市役所で働いた後、2018年からHOSTEL NINIROOMに勤務。マネージャーとして、施設の管理や、様々なイベントの企画・運営、広報などをマルチに行う。
居場所のない少女たちを地域で支える「わかくさねっと」
「わかくさカフェ」の運営主体である京都わかくさねっとは、社会の中で生きづらさを抱えている少女たちを応援するために活動する団体です。「すべての少女が自分らしく心豊かに生きられる社会」を目指して、2016年7月に「若草プロジェクト in KYOTO」として活動を始め、2018年に法人化しました。
北川さん 保護観察所で内勤保護司(犯罪や非行をした人たちが、再び罪を犯さないように支える民間のボランティア)を始めたのが、20年ぐらい前のことです。活動をする中で、最初から犯罪者として生まれる人はおらず、環境や生きづらさによって巻き込まれてしまうんだという気づきがありました。視点を変えれば、彼女たちは社会が抱える問題の被害者でもあるんです。
かつて、20歳になったばかりの少女を担当した北川さん。学歴も身寄りもない少女がこの社会で立ち直ることは本当に難しかったといいます。結局再犯をし、施設から届いた手紙には「今まで親身になって悩みを聞いてくれたのは、薬物売人の彼と北川さんだけだ」と書かれていたのだそう。社会にはこんなに多くの人がいるのに、誰も彼女の声を聞かなかったのかと思うと、無性に腹が立ったそうです。
北川さん 女性が社会で一人生きていくのは、この国ではとてもハードルが高いこと。特に「こども」と「おとな」の狭間にいる年代の少女たちは、家庭や学校などでトラブルを抱えていても行政の支援の手が届かないケースも多いんです。地域の中で安心できる場所を見つけたり、信頼できる大人と出会えたりする機会はどんどん少なくなっており、つながりを求めてネットやSNSに頼る少女も多く、それらが犯罪や性的搾取のきっかけにもなります。
渡部さん 私も保護司や民生委員(厚生労働大臣から委嘱される、地域の相談員)など、色々なことをやってきました。でも、組織の“長”という立場になるほど決まりが増えて、自分の思っていることができなくなってしまって。実際は少女たちがこんなに困っているのに、というもどかしさがありました。上から目線で「支援や施しをしてあげましょう」みたいな態度では、少女たちに響かないし、届かない。もっと彼女たちと対等な立場で活動したいと思っていたんです。
そんなとき、作家の瀬戸内寂聴さんや、元厚生労働事務次官の村木厚子さんたちが「若草プロジェクト」という全国ネットワークを立ち上げ、心にSOSを抱えた女の子たちと、彼女たちを支援する大人たちとをつなげ、支援の輪を広げる活動をしていることを知ったそう。京都でも少女たちの孤独をなくしたい、居場所をつくりたいという気持ちで、京都わかくさねっとの活動が始まりました。
活動の軸は、寄り添い支援。家庭にも学校にも地域にも居場所のない少女たちとの間に否定をしない安心安全な関係性を築き、相談に乗ったり、買物に同行したり。お二人の経験をいかし、少女たちを地域全体で支えようと、一人ひとりの生きづらさに向き合っています。
新しい居場所づくりのきっかけは、「NINI ROOM」の投稿
一方のNINIROOMは、2017年の12月にオープンしたホステルです。西濱愛乃(にしはま・あいの)さん・萌根(もね)さんの姉妹が「友達の部屋」をコンセプトに「暮らすように旅をする」拠点をつくりたいと、東京での仕事を辞めて京都に移住し、開業しました。
大東さん NINIROOMの1階は、宿泊者の方以外も利用できるカフェで、2階と3階が客室になっています。印刷会社のオフィス兼倉庫だった築40年のビルをリノベーションして、オープンしました。 世界各国や日本各地から宿泊に来られるお客さんと、地域の方との交流を生み出せる場所になれば良いなと思い、運営しています。
「居場所づくり」という共通のキーワードを持ちながらも、異なる分野で活動していた、京都わかくさねっととNINIROOM。両者が手を取り合うきっかけになったのは、2020年3月に始まったコロナ禍でした。
大東さん コロナ禍で外出自粛になったとき、家にいる時間が増えることによって、家庭内暴力や児童虐待が増えているというニュースを見ました。そんなことが起きるなんて考えたこともなかったし、すごくショックを受けて。NINIROOMは当時、コロナ禍で旅行者も減り、空き部屋もたくさんあったので、私たちにも何か役に立てることがないかなとFacebookで投稿してみたんです。
この小さな問いかけを見つけてくれたのは、京都市上京区を中心に活動する、地元新聞社の記者。「京都わかくさねっとさんが、そういう空間を求めていたはず」と、つないでくれたのだそうです。
北川さん コロナ禍のとき、京都わかくさねっとにやって来た少女のなかには居場所をなくして孤独を感じている大学生も多くいました。リモート授業になって学校に行けなくなったり、バイト先が休業になって仕事に行けなくなったり。仲間や活躍の場を求めて、私たちのところに来てくれていました。
関わっていくうちに、少女たちは自分の言葉で話せるようになり、一旦は元気を取り戻してくれるんですけれど、その先に行く場所が地域の中になかなか見つからなくて。すると、またしんどくなって戻ってきてしまう。少女たちと地域がつながる扉をつくれないだろうか、と考えていたところだったんです。
渡部さん これまで私たちは、困っている少女たちを見つけようとしていたんです。でも「どこかにいないかな」と探しても、社会とのつながりが薄い彼女たちに出会うのは、とても難しい。だから、彼女たちの方から思わず立ち寄ってみたくなるような、おしゃれな場所がほしかったんです。
少女たちにとって、支援団体の相談窓口に行くのは気が引けても、NINIROOMのような素敵な空間へは思わず足が向いてしまうもの。この場所はまさに理想的だったという北川さんと渡部さん。「私たちと一緒に活動してくれませんか?」とダメ元でお願いしてみたところ、二つ返事でOKをいただいたそう。
こうして2020年7月、少女たちのための新しい居場所「わかくさカフェ」がオープンしました。
友達の部屋のように、気軽に立ち寄れるフラットな空間
わかくさカフェのコンセプトは、「ひとりでゆっくりしたいとき、誰かといっしょにいたいとき、気軽に立ち寄れる場所」。疲れたときは、部屋でお昼寝をしたり。困ったことがあったときは、ランチを食べながらお話ししたり。毎日10時から18時までなら、いつでもNINIROOMに来て大丈夫。もちろん、料金はかかりません。
また毎月第2、4水曜日の15時から18時までは京都わかくさねっとのスタッフが常駐するので、悩みを相談したり、一緒にフラワーアレンジメントや読書会をしたりすることもあるそう。NINIROOMのコンセプトである「友達の部屋」に遊びに来るように、安心して訪れて良いのです。
北川さん お昼寝ができる空間っていうのが、私たちのちょっと推せるところで。安心して一人でゆっくり過ごせるように個室を用意してもらっています。少女たちにとっても、すごく贅沢で、安らぐ時間になっているようです。
渡部さん 自分が孤独で困っていることを、ちょっとだけでも忘れてくれたら、それで私たちの役目は終わりなんですよ。一緒にご飯を食べて、ぐちゃぐちゃと話している間に、明日も頑張ってみようかなって。ここに遊びに来たら、またこうやって笑えるのかなって、それだけのこと。それ以上は望んでいないし、それこそが大切なんだと思います。
大東さん どこかの会議室でやっている「困り事相談会」みたいな場所には行きづらくても、こういう開かれた場所だから、立ち寄ってもらいやすいのかな。私たちは、 別に学校に復帰させようとか施設に通わせようみたいな専門員ではないし、20代、30代のスタッフが多いので、お兄さんやお姉さんのような感じで接しています。
大東さん お客さんもいろいろな人が出入りするから、年齢とか国籍とか関係なくみんなフラット。そこに居合わせた人が自然と交流し、会話をしなくてもそれぞれが良い距離感でいられる。そういう場所なので「困ってる子」として扱うんじゃなくて、一個人として受け入れる雰囲気がすごく良いなって思います。
一回目はドキドキしながら訪れる少女たちも、二回目からは気軽な気持ちでやって来るのだそう。ここにいることで元気になって、次の場所を見つけようっていう力が勝手に湧いてくるのかなと、三人は口を揃えます。
また、NINIROOMでは以前、就労移行支援事業所と連携し、障がいのある方々の職場実習を受け入れたことがあったそうです。そのときに感じたのは、役割があることで、人はいきいきとしていくということ。だからわかくさカフェでも、少女たちにお昼寝の後のベッドメイキングを頼んだり、できる範囲でスタッフのお手伝いをお願いしたりすることもあるのだとか。
普通の顔をしていても、みんな何かを抱えている
「わかくさカフェ」には、どんな少女たちが訪れているのでしょうか。
初年度(2020年7月〜2021年3月)には、お昼寝部屋の利用が53回、相談者が15人、食事の利用が155人あったそうです。
大東さん この利用人数が多いのか少ないのか分からないけれど、多かったら良いというものでもないですしね。人数がどんどん少なくなっていっても、来られる場所として、ずっとあり続けることが大事かなと思っています。
訪れる少女たちの名前や属性はあえて聞きません。「中央値は19歳くらい」と北川さんは推測します。
北川さん 初めて来た少女が、「ここ見て!すごい!」って、はしゃいでいて。てっきり部屋が素敵で喜んでいるんだと思ったら、「ここ、洗濯機がある!」って。さまざまな理由で住居が定まらなければ、洗濯ができない問題があるんだなって、私たちも初めて知りました。
わかくさカフェに来る少女たちは、外から見たらいたって“普通”で、そのしんどさは全然見えない。だからこそ難しいと、北川さんは続けます。
北川さん 私たちは少女たちに、来た理由を聞かないんです。泊まるところがない、お金がないと具体的なニーズが分かっている少女もいますが、半数くらいは、自分が抱えている心のモヤモヤをどうしたらいいのか分からない、生きている意味が分からないといった少女たちです。彼女たちは「あなたはここにいていい」と言ってもらえて、初めて自分はしんどかったって喋り出してくれる。そこで初めて自分だけではなく誰もが悩みを抱えていることを知って、やっと前を向きはじめます。
今まさに虐待を受けていて、児童相談所や警察署に相談しているような少女もやって来ます。実は抱える問題が大きいほど、行政の支援から離れてしまうこともあって。逃げる場所の一つの選択肢として、私たちのところに来てくれるんだと思います。
中には、一見何不自由なく育っていそうな家庭の少女も多いそうです。
北川さん 母親との関係で悩んでいる少女は多いです。親の悪口を言ってくる子も多いけれど、心のどこかで自分のことを認めてほしい、無条件で愛してほしいと思っています。今の時代は親の立場が強く、なかなか子どもが反抗できないことも多い。親は親で一生懸命子どものために、人生のレールをつくってあげようとします。しかし、子どもは親の所有物ではないから、自分の人生を歩みたいと思って悩むのでしょう。
私のことを母親みたいに慕ってくれる子も多いのですが、「大人って、こんなにいい加減でええんや」って感じるみたいで(笑)。私と出会うことで、自分の母親も人間やねんなって、心が整理されて、親から独立していく。 思春期からの卒業を手伝っているんだと思っているので、「いい加減」をもっともっと見せていこうと考えています。
「世の中のこと、少女たちはあんまり知らないんですよね」と、渡部さんは優しく続けます。
渡部さん みんな自分たちの知っていることだけで、問題を解決しようとしちゃう。でも世の中には、 少女たちが考えている以上にお節介をしてくれる人たちがいるし、相談できる人もいる。それを感じてもらうために、こうやっていろいろな人が出入りできる場所がほしかったんです。
私たちが大切にしていることを、NINIROOMさんがきちんと汲み取ってくれているから、「安心して、ここへ行っていいよ」って言えます。そうじゃなかったら私たちが引率して、「こういう人なので、こんなことに気をつけてください」って、毎回説明しなきゃいけない。そんなことを何も言わなくても、NINIROOMさんはちゃんとみんなと接してくださる。だから少女たちも、自分たちのことをペラペラ話されていないって、安心してくれているんじゃないかな。
私たちは支援者ではなく、居場所
わかくさカフェの活動を始めて、約4年。様々な環境にいながら、わかくさカフェを訪れた少女たちは、それぞれの転機を迎えていきました。
北川さん 学校の進路相談室には行かないんだけど、わかくさカフェで進路の相談をしていた少女や、スタッフの役割をしながら就職試験の指導を受けていた少女もいました。自分のやりたいことはあるけれど、 進学のやり方が分からないって、いろいろ話してくれました。相談って雰囲気じゃなくて、悩みをみんなでああでもない、こうでもないって話し合う感じ。そんな風につきあっていくうちに、みんな勝手に自分の進路を決めて巣立っていくのです。少女たちのパワーには驚くばかりです。
渡部さん わざわざわかくさカフェに来てくれて、隅のテーブルで受験勉強をやっていたんですよね。国立の大学を受けるぐらいの実力があるにもかかわらず、「勉強なんか知らん」みたいな感じで。でも、すみっこでちょこちょこと勉強して、無事に合格していました。
大東さん 最初は利用者というか、困っている側として訪れて、継続して来てくれる中で活動にも共感するようになって。今度は自分が受け入れる側にまわりたいって、ずっと関わり続けてくれている子もいるんですよね。
少女たちの道を、そっと見守り続けているわかくさカフェ。そんな活動の中に「支援者はいない」と、北川さんは言います。
北川さん 私たち、何かの資格を持っているわけではないですから。だから、ボロクソ言われることもあるんです。あんたら、資格もないのに何やってんねんって。だから私たちは支援者ではなくて、ただの居場所なんですっていうことを伝えています。大変な思いをしている少女たちを、自分たちが支援するっていう立場ではない。一緒にご飯を食べてギャーギャーやりましょうみたいな。だから、受け入れない子ってほとんどいないんですよ。
資格を持った支援者ではないからこそ、境界は緩やか。でも、長年の経験をもとにしっかり向き合ってくれる安心感がある。しかも、NINIROOMの代表が姉妹の二人ということもあり、スタッフの間にはきょうだいのようなアットホームな雰囲気が漂っています。少女たちに対して、適切な距離感と温かな思いやりを持ち、安心を届けられる居場所。それが、わかくさカフェという空間なのです。
京都の丸太町には、安全な逃げ先がある
今年の成人式の日、以前わかくさカフェに頻繁に通っていた少女が、NINIROOMで振袖の記念写真を撮ってくれたそうです。虐待を受けていた彼女は、京都を離れ、次の土地に向かう前の最後の思い出の一枚に、NINIROOMを選んだのです。
少女たちの道のりの途中に、一息つける場所として、優しく存在するわかくさカフェ。最後に、これからの目標を問いかけてみました。
大東さん 私たちのようなただの宿泊施設やカフェでも、他の団体と一緒に社会課題の解決に役立つことができる。それは、本当に大きな発見でした。カフェに来た一般のお客さんたちが、「何やってはるんですか?」と質問してくれて、わかくさカフェに興味を持ってくださることもあります。社会や地域を大きく変えるようなことは難しいかもしれないけれど、こうして小さく知ってもらうことはできる。私たちはこれからも場所を開き続け、身近なお兄さん、お姉さんとして、ずっとフラットに関われる体制でいられたら良いなって思いますね。
渡部さん ちょうど今、「ヘアドネーションをするためにカットしたけれど、どこに送ったら良いですか?」っていうLINEが少女から届いたんです。人のために何かをしたいなって思えるのは、生きる余裕が生まれたからだと思うんですよね。今まで誰かに助けられてきた人が、誰かのために何かをしてあげたいなって考えられるようになれるって、すごいことだと思うんです。
少女たちは、私のことも気遣ってくれるんですよ。今まではいろんな年代の人と出会ってこなくて、そんなことを言ったことのない子が、私に「道危ないよ」とか言ってくれるようになった。人とのつながりをつくり続けていく必要性を感じますね。
北川さん しんどさを感じる少女が避難できる場所は地域に増えてきましたが、まだまだ地域の中に少女が活躍できる場所が足りないんですよね。今って何かあるとすぐ叩かれてしまって、失敗を許されないような社会だから、彼女たちがチャレンジする機会はどんどん減っています。でも、NINIROOMさんには「なんかやりたい」って手をあげたら、勝手に「◯◯部」をつくって遊ぶような風土があるんです。だから私たちも、みんながやりたいことを持ち寄って集まれる機会をつくりたいなと思います。
中には、他の人と喋るのが苦手な子もいるんですけれど、ここでは普通に地域のみなさんと喋っていたり、この前は外国の人と初めて話せたって教えてくれたりとか。そうやって集まる姿を見て、彼女たちも頑張ってるんだなという理解が、地域でも増えてきてるんじゃないかなと思います。地域の人たちと交流をすることで、彼女たちも大人を理解するし、きっと地域も少しずつ変わっていく。わかくさカフェが、そういう場になっていたら嬉しいですね。
「あなたにとってわかくさとは、どんな場所?」というアンケートに、少女たちからは、こんな答えが届いていました。
「辛いことや嫌なことがあっても、その場にいると忘れられるような温かく大切な居場所」
「自分を取り戻す居場所」
「エネルギーチャージできて、明日からも頑張ろ!って思える場所」
少女たちが地域とつながる扉をつくりたかった、京都わかくさねっと。空き部屋を使い、家庭内暴力や虐待といった問題の助けになれないかと願った、NINIROOM。それぞれの想いは、ひとつのFacebookの投稿から結ばれ、わかくさカフェという温かな居場所として京都の丸太町に開かれています。
小さくあげた声でも、誰かにとっては、大きな声になって届くこともある。そんなつながりの数々が、地域や社会を居心地の良い場所へと変えていくのではないでしょうか。
(撮影:水本 光)
(編集:村崎 恭子)