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人事・組織づくりの経験で、地域と施設を輝かせる。福岡県赤村「源じいの森」の特命マネージャーという仕事 #求人

この求人のグリーンズジョブでの募集期間は2024年3月1日(金)〜2023年3月29日(金)です。
募集の詳細については記事末をご覧ください。

[sponsored by 福岡県赤村]

「人事や組織づくりの経験を、地域でいかしてみたい」

そう考えている方を、待ち望んでいる村があります。

それが、福岡県赤村。グリーンズジョブでもこれまでも3度、複合施設「自然学習村 源じいの森」をご紹介してきました。

ビジョンづくりや新施設のオープン、全国で初めてとなる「地域プロジェクトマネージャー(※)」の採用など、源じいの森が2020年ごろから取り組んできた再生プロジェクトは着々と進んでいます。

次なるチャレンジは、「働く人が笑顔になれるようなチーム・カルチャーづくり」。そのために必要なのが、「特命マネージャー」という存在です。

村にとっても、源じいの森の黒字化は重要課題。一時は営業担当などの募集も検討したといいます。しかしなぜ今、オープンな組織文化を育む特命マネージャーを募集することにしたのか。その背景には、「みんなが働きたいと思える職場づくりが、施設にとっても、地域にとっても重要」という考えがありました。

(※)地域プロジェクトマネージャー制度:総務省が令和3年度からはじめた、地域の重要プロジェクトを推進する人材を行政が雇用することを後押しする制度。

村にとって大切な場所、源じいの森

福岡県赤村は、人口3,000人ほどの村。田川郡で唯一炭鉱がないため、春にはたくさんのホタルが飛び交うほど美しい川が流れる自然豊かな地域で、北九州空港から車で1時間弱、電車では博多駅から2時間と、都市部から足を運びやすいのも特徴です。

そんな赤村の顔となるのが、「自然学習村 源じいの森」。宿泊施設、キャンプ場、研修・会議・運動やコンサートのできる多目的ホール、食堂、温泉を兼ね備えた施設で、1992年のオープンから30年以上、地域内外の人に親しまれてきました。

宿泊施設(和・洋室)や研修室、多目的ホール、レストラン、陶芸体験コーナーなどがある「ほたる館」

福岡県最大級の広さを誇るキャンプ場は、「キャンプライフ・コーディネーター」によるイベント企画や情報発信が実を結び、現在では冬でもなかなか予約が取れないほど多くのお客さんが来場。また、温泉は2022年度には約13万人が利用するなど、多くの方が訪れています。

キャンプ場の様子(提供:源じいの森)

大浴場、露天風呂、家族風呂を備えた「源じいの森温泉」は、住民の健康を守る施設でもあり、地域外から多くの方が訪れる観光施設でもあります(提供:源じいの森)

「源じいの森の存在意義は、観光や研修の場所であるというだけではありません」。そう語るのは、源じいの森の支配人であり、全国初の地域プロジェクトマネージャーである庄﨑茂(しょうざき・しげる)さん。

庄﨑さん 赤村の人たちにとって源じいの森は、大切な働く場所でもあります。僕らのような移住者だけじゃなく、たくさんの村の方たちが働いているんですよ。その意味でも、源じいの森が持続していくことは、赤村にとってすごく重要なんです。

改革によって、魅力的な人が集まってきた

村にとって大切な場所である源じいの森の運営は、順風満帆だったわけではありません。90年代後半には年間47万人いた来場者は、17万人にまで下落。このままでは運営が立ち行かなくなってしまうという危機にありました。

そこで2020年ごろから始まったのが、冒頭でもお伝えした再生プロジェクトです。組織のビジョンの設定や「ドームハウス」などの新しい施設づくり、新しいキャンプのスタイルを提案する「キャプライフ・コーディネーター(地域おこし協力隊)」や全国初の「地域プロジェクトマネージャー」としての支配人の採用など、改革を実施。

また、組織のメンバーも揃ってきました。村から指定管理者として源じいの森の運営を任されているのは、「一般財団法人源じいの森」。現在、正職員とアルバイトを合わせて45人ほどが働いています。最近では、メンバーを各部門に分けて部門長を配置するリーダー制度も導入しました。

2020年に完成した、10人がゆっくり過ごせるドーム型ハウス

こうした改革の甲斐あって、キャンプ場は学生やファミリー層、女性のソロキャンプなど、それまでアプローチできていなかった層のお客さんが増加。天然温泉の来場者もここ3年で3万人ほど増えたそう。コロナ禍だったこともあり、まだ完全な黒字化には至っていないものの、源じいの森は大きな変化を遂げてきました。

ちなみに、源じいの森は施設の所有が赤村となっており、経営や施設修繕などは理事会や役場と協議をしながら進めています。長年、役場の職員として源じいの森を見つめてきた松本優一郎(まつもと・ゆういちろう)さんは、「この3年間で源じいの森は着実に前に進んだ」と振り返ります。

特に大きな変化は、「人」だそう。

松本さん 3年前の源じいの森は、1名の従業員と数名のアルバイトで、なんとか日々の業務を行っている状態でした。新しい組織体制をつくろうにも、メンバーが足りなかった。そこで、採用に積極的に取り組んだんです。

その甲斐あって、支配人である庄﨑さんやキャンプライフ・コーディネーターのみなさんなど、現在ではスキルや経験、地域に対する思いを持った人が、たくさん源じいの森で働いてくれています。

人が変わると、組織も変わり始めます。新たに加わった仲間の一人である庄﨑さんは、運営体制の構築に尽力。収支を毎月管理・分析する経理業務や、理事会や役場への連絡・調整業務といった、源じいの森を運営するにあたって重要な業務を担い、これまで属人化していた運営体制をマニュアル化し、「業務の見える化」を進めてきました。

庄﨑さんは、「うまく業務が回っているから、最近は僕に相談しにくる人が減って、ちょっと寂しいんです」と、笑いながら話します。

チーム・カルチャーづくりに成功すれば、全国の地域施設の希望になる

しかし、まだ課題も残っています。源じいの森の年間売上は、いまだに赤字。指定管理者の期限である2026年を目処に、源じいの森が自立して運営ができるよう、収支を均衡させる必要があるのだそうです。

では、次のフェーズでは何が必要なのでしょうか? 赤村役場で源じいの森の担当となった佐々木聡(ささき・さとし)さんは、「チーム・カルチャーづくり」だといいます。

佐々木さん 次は、みなさんが楽しく、やりがいを持って働ける体制を整えていきたいと思っています。源じいの森を、働く人が笑顔になれる場所にしたいなと。これまでに素敵な仲間は集まりましたが、日頃のコミュニケーションが不足していたり、ビジョンを共有しきれていなかったりと、まだ「チーム」にはなりきれていない感覚があるんです。

ポジティブであたたかな組織文化が生まれたら、お客さんもその雰囲気を感じて、より源じいの森を好きになってくださるはず。結果として、多くのお客さんが訪れる場所になるのではないかと考えています。

地域プロジェクトマネージャー制度の立ち上げに深く関わり、多くの地域団体を見てきた西塔大海(さいとう・もとみ)さんは、現在の源じいの森を「全国のローカル施設の希望」だといいます。

西塔さん 源じいの森と同じように、チーム・カルチャーづくりを課題としている地域施設はとても多いです。でも、日々の業務に追われてしまってそこまでたどり着けず、「私たちにはできない」と諦めてしまうのがよくある例なんです。

その点、源じいの森はチーム・カルチャーづくりに本気で取り組めるフェーズにある。その時点で、稀有な存在です。もし、今回採用される特命マネージャーが組織文化づくりに成功したら、全国の施設の希望になるでしょうね。

マネジメントや人事の経験をいかして、ローカル施設でチームをつくる

今回、地域プロジェクトマネージャー制度を活用して募集する特命マネージャーは、「働く人の笑顔がお客様の笑顔になることを目指した、チーム・カルチャーづくり」がミッションになるそう。

具体的には、

①安定的なチーム組織運営体制構築
部門別の運営体制サポートと業務効率化、人事評価制度づくり、社内教育や研修制度の導入など

②収支目標の策定
経営改善に向けた具体的な目標設定、経営状況の透明化など

③単年度ごとの基本方針、重点テーマの策定と共有
個人への面談や全体会議の実施など

に取り組むことになります。(詳細は記事末の募集要項にて)

日本航空からの地域活性化起業人として、赤村役場で地域活性化マネージャーを務める鈴木隆(すずき・たかし)さんは、次のような人は向いているのではないかと語ります。

鈴木さん まずひとつは、組織の管理職としてマネジメントを担ってきた方。チームのマネージャーとしてプロジェクトの推進や管理などを行なってきた方で、その経験をローカル施設でいかしたいと考えている方は向いていると思います。

また、人材育成を目的とした社内研修や人事評価制度、1on1ミーティングなどの仕組みづくりに取り組んだ経験のある方も、その経験をいかしていただけるでしょう。

ただし、源じいの森ならではの大変さも事前に理解しておく必要があると、支配人の庄﨑さんは付け加えます。

庄﨑さん 源じいの森は民間企業ではなく、半官半民で経営を行なう第3セクターです。そのため、プロジェクトを進めるうえで、村長や理事会、役場との連携は必須になります。

ステークホルダーが多い分、プロジェクトの進行がスムーズにいかない場合もあるので、ビジネスの世界のスピード感に慣れてきた方は、はじめはもどかしさを感じてしまうかもしれませんね。

第1期のキャンプライフ・コーディネーターとして働いてきた藤木彩(ふじき・あや)さんは、現場目線での思いがありました。

藤木さん 近年、デジタル技術を取り入れて業務を効率的に行う「DX化」を推奨する企業や自治体が増えていますよね。源じいの森でもパソコンのツールを使った新しい仕組みを導入したのですが、従業員の方のなかにはパソコン作業が苦手な方もいらっしゃって、定着しませんでした。

そんなふうに、ビジネスの世界では常識でも、地域の現場では簡単には浸透しないこともあります。でも、みんな源じいの森をいい場所にしたいという思いは同じ。そのゴールまで、どういう道を通って進んでいけばいいのか、現場目線も大切にしながら一緒に考えていただける方だと合っているかもしれません。

将来、全国からその経験を求められる可能性も

庄﨑さんや藤木さんが語るように、地域施設ならではのむずかしさもあるのは事実。しかし西塔さんは、「ミッションを達成したときのやりがいは、すごく大きいはず」と予想しています。

西塔さん 源じいの森の活性化は、赤村の活性化にもつながるんです。自分が取り組んだことで、働くみなさんにやりがいが生まれ、お客さんが喜び、収益があがり、そして村が活性化していく。その様子を目の前で見ることができるのは、特命マネージャーの特権ではないでしょうか。

さらに、3年の任期後のキャリアとして、特命マネージャーの経験と実績をいかせる場は全国にたくさんあるといいます。

西塔さん 源じいの森のような第3セクター等の法人は、道の駅や地方鉄道など全国に7,000以上あります。源じいの森で培った経験は、再生を望む全国のローカル施設から求められることになるでしょう。

それに、キャリアを積む最初の舞台は、福岡県最大級の広さを誇るキャンプ場と天然温泉があり、ホタルが姿を現す美しい自然、そこから生まれるおいしい農作物がある、赤村です。もし大手企業に勤めていたら、こんなに豊かな資源がある地域で重要なポジションを任せてもらえる機会は、そうそうないと思います。

では、実際に特命マネージャーが着任した後の3年間、どのようなステップでチーム・カルチャーづくりを進めていくことになるのでしょうか。

鈴木さん 最初は、従業員のみなさんとのコミュニケーションが大切になってくると思います。誰がどんな仕事をしていて、どんな悩みを抱えていて、何をやりがいに思って働いているのかを知り、信頼関係を構築すること。一見、遠回りのように感じますが、これがいちばんの近道なのではないかと思っています。

特命マネージャーを迎えるにあたり、サポート体制も構築しています。しばらくは地域プロジェクトマネージャーの先輩である庄﨑さんが、現場でサポートしてくれるそう。前任者のアドバイスを受けながら働くことができるのは、地域プロジェクトマネージャー制度が始まってから全国で初めてのことです。

庄﨑さん 地域プロジェクトマネージャーとしての期間を振り返った今、やってよかったこと、やらなければよかったこと、やるべきだったこと、いろいろなことが思い浮かびます。僕にしかできないアドバイスはたくさんあると思いますし、役に立てることがあればいつでも協力したいと思っていますよ。

取材は、「ほたる館」にある囲炉裏を囲んで行いました

土を耕し、種を蒔いた。次は、花が咲くよう水をあげて欲しい

特命マネージャーがキャリアをイメージするときに、地域プロジェクトマネージャーの先輩である庄﨑さんの歩みは参考になるはず。そこで、これまでの彼のキャリアを振り返ってみましょう。

福岡県福岡市で生まれた庄﨑さんは、地元の大学を卒業し、新聞社関連のイベント会社に入社。その後40代のときに、熊本県内の温泉観光協会で、観光や地域活性の事業に参画しました。2014年から福岡県内の温泉旅館協同組合事務局長に就任し、同地の広域観光協会の理事職も務めていたそうです。

地域活性化事業をライフワークとしてきた庄﨑さん。赤村の地域プロジェクトマネージャーに応募したきっかけも、地域への思いでした。

庄﨑さん これまでさまざまな地域を見てきましたが、人口の少ない地域がどんどん衰退していくことがとても悲しくて、どうしても許せない気持ちがあったんです。このままでは、日本が沈んでいってしまうと。

そんなときに、赤村の地域プロジェクトマネージャーの求人を見つけました。人口3,000人の村であれば、僕の経験も役に立つのではないか。少しはいい影響をもたらすことができるんじゃないか。そう思って、チャレンジすることに決めたんです。

ローカルに移住して働くとなると、収入が下がる場合もありますが、地域プロジェクトマネージャーの年収であれば生活水準を下げる必要がなかったことも、庄﨑さんの決断の大きな決め手になったそうです。

2022年5月に地域プロジェクトマネージャーとして源じいの森の支配人となってから、約2年半。これまでの仕事を、こう振り返ります。

庄﨑さん 前職でイベント企画をやってきて、情報発信や営業は得意分野でしたから、福岡県民をはじめ全国のみなさんに源じいの森の魅力を伝えようと努力してきました。

キャンプライフ・コーディネーターのみなさんの力もあり、イベントでは2日間で約1,500人を動員することができたこともありましたし、入湯税収が福岡県で一番になったときにはテレビや新聞に取り上げてもらうこともできましたね。

一方で「力不足だった」と感じている面もあるのだそう。

庄﨑さん 正直なところ、「地域のためになることをしたい」という気持ちで源じいの森に来ましたが、採用や運営体制の構築など、整えなければいけない部分が多く、実際はそこまでたどり着けずに終わってしまいました。土を耕し、種を蒔くことはできましたが、水をやることはできなかったんです。

今思えば、源じいの森でいう水は、コミュニケーションだったのだろうなと。僕は「地域のためになることをしたい」という気持ちが強かっただけに、早く進みたくて、1人でやってしまった。なので、次いらっしゃる特命マネージャーは、コミュニケーションを大切にしながら、この土の上に綺麗な花が咲くように水をあげてほしいなと思います。

今後庄﨑さんは、しばらく源じいの森での仕事を続けたのち、地元でライフワークである地域活性化事業に取り組んでいく予定だそう。「源じいの森で支配人になったことは、全く後悔をしていません」と、笑顔で語ってくれました。

かつて危機を迎えた源じいの森では、これまでキャンプライフ・コーディネーターのみなさんや支配人の庄﨑さんなど、一人ひとりの仲間との出会いが大きな変化をもたらしてきました。

再生プロジェクトの重要な局面を迎えている今回もまた、特命マネージャーという新たな仲間との出会いによって、働く人も訪れる人も笑顔になれる場所になっていくーー。そんな源じいの森の未来の光景が目に浮かびます。

「人事やマネジメントの経験を、地域でいかしたい」。そんな思いを持った方との出会いを、赤村のみなさんは心待ちにしています。

(撮影・編集:山中散歩)

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– INFORMATION –

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