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美しい地球に愛を込めて。自ら種をまき、秩父の自然を表現する料理人、坪内浩さんの「循環するレストラン」の一皿に、心動かされる理由

食べることは生きること。
あらためて、そのことに気付かせてくれるレストランがあります。

“種をまく料理人”、坪内浩(つぼうち・ひろし)さんのイタリアンレストランcucina salve(クチーナ・サルヴェ)。埼玉県秩父市の豊かな自然の中にある自家農園で、野菜や果実、ハーブ、小麦など150品目以上の食材を、資源を循環させる農法で育てています。さらに、自然養鶏で育てる鶏肉や卵も自家製。

レストランのウェブサイトをのぞくと、色とりどりの食材や料理に目を奪われ、食への徹底したこだわりを感じます。高い評価を得ている注目の「料理人」でありながら、“レストランのための自家栽培”という表現に収まりきらない「農業の実践者」の顔を持つ坪内さん。活動から受けるストイックな印象に対し、ご本人から伝わってくる遊び心や幸福感あふれる佇まいが対照的で、その人柄や想いに触れたいと、農園での収穫からお料理をつくるまでに同行しました。

坪内浩(つぼうち・ひろし)
1999 年に移動販売簡易飲食店、2002 年に現店舗の前身となる「cafe&bar SALVAGE(サルベージ)」を開業。2004 年には有機農業を主とした坪内農園を開始し、現在の「cucina salve」の基盤に。2019 年 8 月に「cucina salve」を開店。世界的レストランガイド「ゴ・エ・ミヨ 2022」にてツートックを獲得。持続可能な循環型社会をめざし、有機農業とイタリアンレストランを運営する「秩父食農」を立ち上げ、農場長兼シェフとして従事している。

料理人ならではの“おいしそうな畑”

 
取材当日の朝、ご自宅周辺に広がる自家農園を訪れると、坪内さんが朗らかな笑顔で迎えてくれました。

全部で1町3反(サッカーコート2枚分)ほどある農園には、循環型有機農法や自然栽培の畑が広がっています。今回案内してもらった場所以外にも畑があり、大麦や大豆などの穀物を栽培しています。

木々に囲まれ豊かな自然の中にある自家農園。「150品種と言っていますが、実際はもっとあります。減らそうと思っても、また新しい子と出会ってしまうんです」

坪内さんの一日は、農作業と収穫から始まります。レストラン営業日は、農園や鶏の世話、料理の仕込みにお店の営業にと、農園とレストランを行き来することも。「大変では?」との問いに、「週明けの月曜日は灰のようになっていますね」と笑顔。その表情からは充実感が伝わってきます。

「おいしそうな畑にしたかった」という坪内さんの言葉のとおり、畑には、ニンジン、オクラ、ナス、ダイコン、タイガーメロンなど、多品目の植物がいきいきと育っていて、畑自体がお皿に盛り付けられた料理のようです。

レストランで提供するのは、シェフお任せのコース料理。朝、収穫をしながらその日のメニューをイメージしていきます。

坪内さん メニューは毎日違いますし、レシピも無いんです。よくイタリアンレストランで“カプリチョーザ”といって、“シェフの気まぐれ”と表現されるメニューがありますよね。僕はそれは嫌なんです(笑) “僕の気まぐれ”ではなくて、今日の秩父の自然に寄り添ってつくっているので。そうすると、同じものにはならないんです。

「美人さんだね」「かわいいね」と愛おしそうに声をかけていく姿が印象的な坪内さん

坪内さん 意識しているのは、お客さんの感動です。最初は酸味があってさっぱりしたものからスタートし、香りと味の数、脂質の量が徐々に増えてきて、メインディッシュで整ったところに、ほっとする甘くておいしいドルチェで締める。そういう流れをイメージして、その日の収穫の中でパーツを組み合わせています。

自家栽培は、一番おいしいタイミングで収穫できるのが利点のひとつ。さらに、「同じところに住んでいるので、天候による野菜の“体調”もわかりますし、同じ野菜でも、採るタイミングによってキャラクターの違う状態を表現できます」と話す坪内さん。自分がつくりたい食感や味わいに近い野菜を選べるのも、自ら育てているからこそのおもしろさだといいます。

(左)鶴首かぼちゃは、未熟なうちはズッキーニのように食べられるのでパスタの一皿に/(右)若いうちに収穫する柿は前菜に。「収穫の“忘れもの”をすることもありますが、それはそれでいいんです。そういうきっかけで新しい組み合わせが生まれます」と坪内さん

坪内さん カタバミやつゆ草、オオバコなど自然に生えてきた野草や、野菜の花もエディブルフラワーとして食材になります。毒があったり固かったりすると食べられませんが、あとは食べるか食べないか。価値がないと思う人には価値がないけれど、宝だと思う人には宝なんです。

なぜ料理人が自ら耕すのか。
わたしがはじめに抱いていたこの疑問は、坪内さんにとっては必然。種をまくところから料理までが、坪内さんの一連の創作なのだと気付きました。

自身の体質をきっかけに、
20年かけてつくってきた自給自足のレストラン

坪内さんは秩父に生まれ育ち、19歳のときにキッチンカーを始めました。カフェバーの経営を経て、24歳のころ『クチーナ・サルヴェ』の原型となる、自家栽培の野菜を使った無添加のイタリアンレストランをスタート。

きっかけは、ご自身の極端なアレルギー体質でした。生まれたときから、アレルギー性紫斑病と腎臓疾患、化学物質過敏症があり、幼少期は厳しい食事制限があったそう。白米も乳製品も、市販の塩や砂糖も、精製されているものは一切食べられませんでした。身体が成長するにつれ、食事制限は減っていきましたが、カフェバーでの深夜営業や飲酒が続く生活の中で、アレルギーが再発。自分が食べられるものを出す店へと変えることになります。

坪内さん お店で使っていた冷凍の食材や業務用のソースなども食べられなくなってしまいました。まだ店を始めたばかりでしたが、自分が食べられないものは出せない。そこで、シンプルに野菜を中心とした無添加のイタリアンレストランにしようと業態を変えました。イタリアンを選んだのは、素材をダイレクトにいかせる料理法で、なにより自分が好きだったからです。

今から20年前は、有機野菜の値段も高く、買える場所や品種も限られていました。お客さんの価格帯と合わないと思っていたところ、その年に友人から畑が余っているからやらないかと声をかけられ、自分で野菜をつくることに。

自身のことを「考える前に行動する、石橋を走ってジャンプするタイプ」と話す坪内さんは、10m×15mほどの畑で、試行錯誤しながら無農薬で野菜を育て始めます。「やってから失敗しても、そのとき自分ができる全力で乗り越えていく人生です」。

徐々に栽培する品種も増え、自然養鶏を始めてからは卵や鶏肉も自家製に。2011年には、あらためて有機農業を学び直そうと、埼玉県小川町にある霧里農場の金子美登(かねこ・よしのり)さんのもとに修行に通いながらレストランを営む日々を1年間続けました。

約200羽の秩父地鶏を、ワクチン・抗生物質・ホルモン剤・遺伝子組み換え飼料などは使用せず自然養鶏で飼育

坪内さんが育てている野菜は、伝統品種を中心とした固定種で、75品種ほどを自家採種で育てています。固定種とは、優れた性質を持った「母本」を選び、その種を採ってまくことの繰り返しで、形質が受け継がれてきた品種。その土地や気候に適応した多様な品種が育ちます。

レストランの定番食材でもある「秩父青長茄子」は、坪内さんの畑で生まれたオリジナルの品種。奄美大島で出会った「奄美白長茄子」という白ナスが、同じところに植えていた「埼玉在来青茄子」という丸っこい品種のナスと自然交配してできました。

母本としてマーキングした秩父青長茄子。「これは大柄に育っておもしろいなと思い、母本選抜しました」

坪内さん 今はすべて健康的に、上手に育っているように見えるかもしれませんが、一つひとつにたくさんの失敗や葛藤があります。150品種の野菜を育てるといっても、150回の失敗では済まなくて、1万回、10万回と失敗します。だから1本のナスに、ものすごく長い物語がある。どれも僕にとってはかけがえのない大切な食材です。

ニンジンは5種類の異なる品種を栽培。間引いたニンジンもお料理に

生ゴミが存在しない、資源を循環させる農法

坪内さんが取り組んでいる有機循環型農法は、化学肥料や農薬を使わず、家庭や産業で出る副産物を肥料として活用し、資源を循環させ、環境の負荷を減らす農法です。

坪内さん 僕たちには生ゴミは存在しません。だから、ゴミ箱の中に入るという発想がないんです。生活していると、いろんな副産物が出ますよね。この農園では、豆腐屋さんから分けてもらうおからを、発酵させて鶏のエサにしています。それを食べた鶏の糞は、秩父醸造所から分けてもらうウイスキー樽のカンナ屑などと合わせてたい肥化し、畑に入れます。そうすると土の中の菌類が多様化して土壌が豊かになり、農薬や化学肥料がなくても、おいしい野菜が育ちます。

(左)人懐っこいニワトリたち。「僕のことお母さんだと思っているんです」と坪内さん
(右下)おから等を発酵させてつくる鶏のエサ。お豆腐屋さんのおからは採れたての卵などと物々交換

ほかにも、うどん屋さんの天ぷらの廃油など、産業副産物を提供してもらえる店は今では20数社以上に。年間で、有機物(有機産業廃棄物)だけで30トン以上が集まってきます。

坪内さん 始めたばかりの20代のころは、廃棄する副産物を分けてほしいと説明しても理解してもらえないことも多かったです。それが、20年以上続けていると、「あの有機農業をやっている人ね」と知ってもらえるようになり、「これを使ってほしい」「山でこんなものを伐採したから使えないか」と声をかけてもらえることも増えました。

さらに、たい肥も一切入れない自然栽培の畑もあり、自然の仕組みをいかして、トウモロコシや里芋、カボチャ類を栽培しています。乾燥させたトウモロコシの茎などの炭素資材(※)を粉砕して土に敷きこんでおき、菌類や微生物が分解することで、土壌の栄養素がつくり出される炭素循環農法ともよばれる方法です。
※炭素資材とは、炭素含有量が、チッソの含有量と比べて高い有機物。竹、もみ殻など。

夏に育てたトウモロコシの茎や落ち葉、籾がらなどが分解され、植物を育てるエネルギーに変わる

坪内さん 一般に僕たちが「肥料」と表現しているエネルギーが、微生物によってつくり出され、土壌の微生物と根っこの間で栄養がやり取りされます。「草で育てる」というと収量が低い栽培方法だと思われがちですが、一つひとつの株が大きく育ち、収量も上がり、健康でおいしい野菜が育ちます。

自然栽培の畑。かぼちゃは25粒の種から、250~300kgの収穫があったそう

自然の循環に想いを巡らせ、坪内さんのお話を伺っているうちに、「これは捨てるもの」「これはだれかの役目」といった、さまざまな先入観を持っていたことに気付かされ、そこから解かれていく感覚になりました。

自然の循環を触れることで自覚した「使命感」

坪内さんは、自家農園を愛を込めて「園(その)」と呼んでいます。
農園を始めたころは、うまくいかない原因を、農業の技術や地域の自然環境など、すべて外付けの問題として捉えていました。しかし、次第に、植物に「愛情をもって向き合うこと」の大切さに気付き、意識が変わったといいます。そのことで、今まで見えていなかった森や畑の仕組みに目が向くようになりました。

坪内さん 僕たちが食用にしている野菜や果実は、ほとんどが野生で生き残るのは難しく、誰かが種を採ってまいてきたもの。つまり、何らかの有効な特性をもって人間に選んでもらわないと自然淘汰されてしまいます。だから、僕たちが愛をもって育てると、それに応えて機能性や食味がいいものになろうとする。そういう考え方になって、畑が変わりました。

本日収穫した野菜たち。真っ赤な曼珠沙華や紫色のイヌサフランは装飾用。「レストランで飾るお花もなるべく“園”のもので表現しています」

カナダの森林生態学者のスザンヌ・シマードさんの長年の研究で、森の木々が地中の菌類ネットワークを介してつながり、栄養を送り合っていることが科学的に証明されました。なかでも森の中で最も大きな木である「マザーツリー」は、森の木々のハブとなり、次世代を育む役割を担っているといいます。(スザンヌ・シマード著『マザーツリー 森に隠された「知性」をめぐる冒険』)

坪内さん 農園では必ず周りに木を植えます。ここには栗の木を植えていますが、シンボルとなる木の根っこや野菜たち、雑草が、糸状菌などの菌類を介してつながっている。無肥料でなぜこんなに育つのか、という秘密は、菌のネットワークによって植物同士がエネルギーを送りあっているから。しかも、エネルギーを優先して送るのは自分の子孫の木だと知って、「愛」を感じました。

自然界が愛でつながって循環していると思うと、物質的な循環を大切にすることは当たり前になりました。

小さいころから山や川で遊び、秩父の自然が大好きだったという坪内さん。“自分が食べられるもの”を提供することから始まった挑戦は、自然と向き合う中で、美しい地球を守りたいという使命感へと変わっていきました。

自然の循環を体感し味わうレストラン

(左)レストラン入口。土壁は農園の土に稲わらを練りこんだ手づくり/(右)エプロン姿でカウンターに立つと、シェフの顔に

農園や養鶏を見学させてもらった後は、レストラン『クチーナ・サルヴェ』へ。お店は、秩父市番場町の秩父神社の表参道にあります。

店内には、自然素材を使った坪内さん手づくりのオーナメントやオブジェが飾られ、秩父の自然をイメージした世界観が表現されていて、“園”の雰囲気を感じられる場所になっています。

秩父の武甲山をイメージして、秩父の川や山で拾った小枝や木の実でつくった手づくりのカウンター。
奄美大島で拾った貝殻で、秩父にかつてあった「古秩父湾」も表現

レストランは予約制。2019年の開業以来、近隣からも遠方からも、『クチーナ・サルヴェ』を目掛けてお客さんがやってきます。予約制にしているのは、ふらっと立ち寄るのではなく「ストーリーを知ったうえで食べてほしい」という想いから。

「今日は秩父まで来ていただいてありがとうございます」と、テーブルで一皿一皿の物語を説明する坪内さん

“園”を表現したという一皿目には、つい先ほど収穫した野菜たちがずらり。四角豆や鶴首かぼちゃの花、カタバミの葉も。「一つひとつの素材の顔が見えるようにお料理を用意させていただきました」と話すとおり、それぞれ個性豊かな味わいが楽しめ、心が躍る体験です。

「柿 シチリア産ラグサーノチーズ ナッツ 初秋の園の野菜 タイガーメロン 自家製武州豚ロースハム やまなみチーズ工房リコッタチーズ」。どんな味がするのだろうと食べるのが楽しい一皿

坪内さんの料理は、自家製の野菜や鶏肉だけでなく、塩や砂糖、オリーブオイル、牛乳、ナッツやチーズなどすべての食材に物語があり、携わる人の顔が見えていることに驚きます。

坪内さん 自分でつくっていない食材は、信頼する友人や生産者さんのものを使っています。視察先で生産者さんとつながることもありますし、自らコンタクトをとって会いに行くこともあります。

共感する生産者さんとは、同じ志で山頂を目指して登っている登山のイメージで、途中で出会うんです。それで「一緒にやりましょう!」と。

(左)「埼玉在来青茄子のパルミジャーナ」 間引いたニンジンの葉っぱは、海苔のように香ばしい香り。温かい気持ちになる幸せな味でした。「埼玉在来青茄子」の種は、修行をした霜里農場の今は亡き金子師匠から引き継いだもの (右)「秩父地鶏のサルシッチャ 秋野菜 農林61号の手打ちパスタ」 パスタは、自家製の小麦に、水を一滴も加えず卵液と練り上げた手打ちのタリアテッレ

イベント企画や地方視察への参加など、お店の営業以外にも、意識的にアウトプットやインプットの時間をつくっている坪内さん。背景には、同志を増やしたいという想いがあります。

坪内さん 視察などで各地の漁港を訪れるたびに、漁獲量が大幅に減り、危機的な状態になっていることを目の当たりにします。海は森や川とつながっているので、森や川の生態系をもどさないと海が壊滅的です。そういった問題が問題視されていないことが怖い。

美しい地球を、ずっと先の未来にどれだけすばらしい状態で残せるか、という使命感を共有する同志を増やしたいと思っています。

スタッフの下山柚子(しもやま・ゆず)さんも同志の一人。教員をしていたころ、坪内さんの料理に心を動かされ、食の根本に関わりたいとスタッフに。「スタッフは働かされている感覚はなくて、シェフから学びたくてそこに居ます」と話す柚子さん

生きたい未来に向かって取捨選択すること

 

植物が光合成をするように、人間が食べることは生きるために必要なこと。同時に、「食べることは楽しくて幸せなこと」と坪内さんは話します。

坪内さん だから生きるってこんなに楽しいんですよね。人生の中で食べられる回数は限られていて、その限られたチケットをどうでもいいものでもぎりたくないんです。

この日も、畑とレストランでの取材の合間に、出汁からとったつゆとそうめん、採れたて野菜のランチを振る舞って、家族やスタッフと食卓を囲んできたという坪内さん。たくさん「To Do」がある中でも、自分や周りの愛する人、愛する時間を大切にする優先順位が変わらずにあることに、坪内さんの姿勢が表れていました。

(左)「二ホンシカのプロシュートコッタ アカヤマドリタケのヴェッルタータ」 (右)「群馬県 鳥山牧場 赤城牛 自家製秋野菜のコントルノ」 坪内さんの手づくりの器にのせて。「秩父青長茄子」は甘くてクリーミーで、実の部分をスプーンでいただきます

坪内さんは、「食べる」という人間の根源的な行為を通して「どういう社会にしたいのか」「どういう未来を生きたいのか」という選択にも意識を向けます。

坪内さん 牛乳は加藤牧場、豚肉は坂本ファームの武州豚、秩父やまなみチーズ工房のチーズ、というように、僕は好きなものを応援したいんです。選択は投票と同じですよね。
信頼しているシェフの店で食事することはありますが、ふらっと外食することはないし、僕にとってコンビニはなくてもいい。だけど、コンビニがないと困る人もいて、必要な人は応援したらいい。自分の世界に必要なものを応援するという考え方です。

僕のレストランも、応援という思いで代価をいただいていると思っています。

 

デザート「秩父青長茄子のジェラート シチリア産ピスタッチオ」
初めて食べたナスのジェラートは、塩気やオリーブオイルが効いてさっぱりとした味わい

お客さんの中には、定期的にお店を訪れ、秩父での四季折々の森林浴も楽しんでいく人や、ニ拠点居住を選ぶ人も増えているそう。自然との接点が足りていないという人は、「近くの公園で土を踏んだり、空を見上げたり、チューリップの花の中をのぞいてみたりするのでもいい。心のシャッターを下ろさずに、自分の魂をキラキラさせる瞬間を大切にしてほしい」と話してくれました。

まずは、この幸福な料理を味わってみることもひとつ。
色鮮やかで、味わい豊かな坪内さんの料理は、身体の隅々に幸福感が染み渡っていくよう。夢中になって食べ、食べた後も忘れられない感覚が残ります。

「食べる」という行為をていねいに行うことで見えてくる、「何を大切にしたいか」という視点。わたしたちに日々できることはたくさんあって、向かいたい方向を向いて取捨選択することの積み重ねが、生きたい未来に続いていくのだと思いました。

(撮影:高橋友佳子)
(編集:廣畑七絵、greenz challengers community)