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サイクリング中に空気から水をつくりだす装置「Fontus Ryde」。彼らの目標は、水不足のない未来を実現すること。

2015年9月14日に公開した記事を再編集してお届けします!

今日は、スポーツの日。湿気や強い日差しも一段落したこの季節、過ごしやすくなったのでサイクリングやランニングに励んでいる方も多いのではないでしょうか?

どんな季節であっても、スポーツをするときに大事なのは、こまめな水分補給。多くの方々はマイタンブラーに水やスポーツドリンクを入れて持ち歩いているかもしれませんが、もし山奥や田舎でのトレーニングをしているときに中身がなくなってしまったら・・・。周りに自動販売機やコンビニエンスストアが見つからず、飲み水の確保に苦労してしまうかもしれません。

今回ご紹介するのは、自転車に装着できる「Fontus Ryde」という装置。なんとこの装置、自転車に取り付けて走行するだけで、水をつくりだしてくれるというのです!

「Fontus」をとりつけた自転車。コンパクトでシンプル!

「Fontus Ryde」を発明したのは、ウィーンの大学で工業デザインを学ぶ、Kristof Retezarさん(以下、クリストフさん)。「Fontus Ryde」を自転車に取り付ければ、走行しているだけで飲み水を手に入れることができるようになります。その気になる「Fontus Ryde」の仕組み。一体、どんな構造になっているのでしょうか。

まず、「Fontus Ryde」は装置の後ろ側にある吸気口から、サイクリング中に生じる風を内部にとりこみ、装置上部にある冷却装置で急激に冷やすことで、空気中の水蒸気を結露させ、水をとりだします。

「Fontus」の断面図。写真右側から空気を取り入れ、上部で冷却して水をつくりだしたあと、左側から排気する。

こうして取り出された水が、細いチューブと不純物を取り除くフィルターを通って、装置下部に設置したペットボトルの中にたまり、飲み水となるのです。

冷却装置は、「ペルチェ素子」というクーラーなどに使われるものと同じ仕組みを利用し、必要なエネルギーはソーラーパネルによって確保しているのだそう。

ペットボトルをとりつける様子。500mlのペットボトルであれば、どのペットボトルでも使えるそう。

「Fontus Ryde」の適切な稼働条件は、気温20℃以上、湿度50%以上。気象条件がそろえば、1時間で500mlもの水をつくり出せるのだとか。そして高温多湿であればあるほど、さらに早く多くの水をとりだすことができるといいます。

赤やオレンジの部分が、「Fontus」を使用できる気象条件を備えた地域。もちろん、日本も入っています!

そんな「Fontus Ryde」、2017年に予約先行販売されたときの価格は165ドル(約23,000円)。決して安価とは言えないかもしれませんが、太陽・大気といった自然の恵みを直に感じる機会として、あるいは山間部などをサイクリングする際のバックアップとして持っておくには、とても実用性がありそうです。

究極の目標は、水不足のない未来をつくること

自転車に取り付ける装置ということで、主に自転車愛好家のなかで注目を浴びている「Fontus Ryde」。2017年にIndiegogoで行われたクラウドファンディングには、1438人の支援者から約5000万円の資金を集めることに成功しました。現在では、自転車用だけでなく、街中で持ち歩くことを想定し、スマートフォンなどを充電できる機能もついた「Fontus Airo」も発表。

プロジェクトの可能性は広がるばかりの様子ですが、クリストフさんが「Fontus」シリーズを開発した背景にあったのは「水不足で苦しむ人々に、きれいな飲み水を供給したい」という思いでした。

クリストフさんは、自身の目標をこう語ります。

国連の調査によると、世界の40か国以上で、およそ20億の人々が水不足に苦しんでいます。また、そのうち7億人は、安全な水を確保できないがために、生命の危機にすらあるといわれています。

僕は、そのような人々が、安全できれいな水を手に入れる一手段をつくりだすことができればと思っています。

開発者のクリストフさん

体内の水分がたった2%ほど失われただけでも、運動能力が低下すると言われるほど、私たちには欠かせない水。私たちの住む日本は、雨と山の恵みで、水道の蛇口をひねれば安全な水が手に入るため、水のありがたさに気づいている人は少ないかもしれません。

みなさんもこれを機に、水の大切さを心にとめてみませんか?

[via gearjunkie, isuuu, Huffington Post, Treehugger retrieved September 2015]

(編集: スズキコウタ)