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今回ご紹介するのは、長野県小布施町で「ゼロカーボン推進員」「ゼロウェイスト推進員」として活動する地域おこし協力隊の求人。長野県北部に位置し、県内最小の約19㎢の面積の中に人口約1万1千人が暮らす小さな町で、環境先進都市への転換の鍵となる役割をになう仕事です。
政府が2050年までに温室効果ガスの排出を全体としてゼロにすることを打ち出すなど、日本国内で環境問題に関わる取り組みが今後さらに加速していくことが予想されます。そんななか、募集が始まったこの仕事。いったいどのようなものなのでしょうか。
「環境先進都市への転換」を目指す
小布施町は40年ほど前から、民官協働によるハード・ソフト両面からのまちづくりが進められてきた、まちづくりの先進地域。greenz.jpではこれまでも「小布施若者会議」や「小布施エネルギー会議」、「ソーシャルデザインキャンプ」などの記事で紹介してきました。
そんな小布施町は、「環境先進都市への転換」をはかろうとしています。
2020年度にスタートした中期計画「第六次小布施町総合計画」では、重点施策の一つに「環境先進都市への転換」が位置づけられました。そしてその実現に向けて、環境分野の新しい施策等を組織横断的に検討・推進する部署である「総合政策推進室」を設置。「脱炭素(ゼロカーボン)の推進」と「ごみゼロ(ゼロウェイスト)の推進」の2つの柱を掲げ、取り組みがスタートしたのです。
2020年度には、温室効果ガス削減に向けた世界的なネットワークである「世界首長誓約」の事務局を担う名古屋大学や、全国の自治体での廃棄物削減を支援する「一般社団法人ゼロウェイストジャパン」などの専門機関と連携。町内で排出される廃棄物や温室効果ガスの基礎調査を実施しました。
今後はその調査結果を踏まえながら、地域住民を巻き込んだ具体的な施策立案と実装に取り組んでいく予定だといいます。
「環境先進都市」への取り組みを実装する役割
「総合政策推進室」室長の大宮透総務課長は、今、小布施町が「ゼロカーボン推進員」「ゼロウェイスト推進員」を募集する理由を次のように語ります。
大宮さん 「環境先進都市」という目指すべき未来もあって、町内の炭素排出量や電力消費量などのデータも揃ってきた。でも、ビジョンがあってデータがあれば「環境先進都市」が実現できるかといったら、そうではないんです。まちの主役は、そこに住まう住民や事業者のみなさんですからね。その人たちを置き去りにして進めていくわけにはいかない。
これからは「環境先進都市」への取り組みを、地域のみなさん一人ひとりとすり合わせをしながら実装していくフェーズになります。それを中心となって推進していくのが「ゼロカーボン推進員」と「ゼロウェイスト推進員」なんです。
また、大宮課長とともに「総合政策推進室」の中心メンバーを務める林志洋総合政策推進専門官は、「『ゼロカーボン推進員』と『ゼロウェイスト推進員』は、とてもやりがいのある仕事なはず」と続けます。
林さん 環境問題って、「こんな未来になったら良いよね」ということは語りやすいけど、仕事としてアクションにうつせる機会って今は多くないですよね。「ゼロカーボン推進員」と「ゼロウェイスト推進員」は、理想を語るだけじゃなくて実際にまちを舞台に実践することができる。しかも小布施町で成功事例をつくることができれば、「こんな規模のまちでもできるんだ!」と、日本だけでなく海外からも注目されるはずです。
以前はフリーランスで全国の自治体の総合計画づくりなどを支援していた大宮さん、スタートアップ企業の創業支援に取り組んでいた林さんという、民間での仕事を経験してきた二人は口を揃えて「小布施というまちには、スタートアップのような雰囲気がある」と言います。
その言葉を裏付けるように、小布施町にはコンサル経験者や海外で仕事を経験した人が集まってきているそう。「地域おこし協力隊」というと、地域のしがらみのなかに飛び込んでいくようなイメージもありますが、どちらかといえば「地域で新規事業の立ち上げに取り組む」という言葉の方がイメージに近いのかもしれません。
そしてその経験を通して、「地域×環境」という分野のスペシャリストになり、任期後は小布施町だけでなく各地の取り組みに関わる…そんなキャリアもあり得そうです。
「ゼロカーボン推進員」「ゼロウェイスト推進員」の業務は?
今回募集する2人の推進員は、総合政策推進室の一員として、専門機関と連携しながら、環境先進都市に向けた小布施町の新しい施策立案と実装に取り組みます。
具体的には、主に次のような業務があるそうです。
また、副業も可能で、勤務日数や働き方についても相談可能とのこと。自身の専門性やキャリアに合わせて、協力隊の活動以外の仕事に取り組むこともできるようです。
なお、2020年度までの任期で地域おこし協力隊としてゼロウェイストの取り組みの立ち上げに関わり、現在は町内でコワーキングスペース「ハウスホクサイ」を運営する塩澤耕平さんが、移住する方の業務の相談にも乗ってくれるようです。
ちなみに、暮らす環境としての小布施町の魅力も見過ごせないところ。自らも移住者である大宮さんいわく、「食べ物も美味しいし、自然も豊かで温泉もあるし、人の距離感も適度に近いので、暮らしていて本当に心地がいい。自信を持ってぜひ暮らしてほしいと言えるまちなんです」とのことでした。
この求人のエントリーに興味を持った方は、問い合わせをすれば現地で話す機会を設けることも可能だとか。記事ではわからない、まちの風土や文化を体感したい方は、ぜひご連絡を!
– INFORMATION –
今回の求人について、4月19日(月)にオンラインでの説明会を開催予定です。興味を持った方は、お気軽にご参加ください!