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サーキュラーエコノミーで、きちんと稼ぐ。創業74年の会社が母体のスタートアップで、「社会性×ビジネス」の両立に挑戦する仕事 #求人

[sponsored by 株式会社サーキュラーエコノミードット東京]

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ものを捨てない経済をつくる。

言葉にするのは簡単で、だれもが当たり前にその方がいいと思えるその一言。しかし実現するのは、果てしなく難しいこと。

株式会社サーキュラーエコノミードット東京(以下、サーキュラーエコノミードット東京)は、「廃棄物」のない世界をつくるという壮大な目標に向かって挑む、2023年創業のスタートアップです。「サーキュラーエコノミー(=循環型経済。持続可能な社会に向けた新たな経済システム)」に関するメディアプラットフォーム事業と研修事業を中心に活動しています。

創業間もない小さな会社の新しい挑戦かと思いきや、実はそうではありません。サーキュラーエコノミードット東京は、1951年創業の古紙リサイクル業を営む新井紙材株式会社(以下、新井紙材)を母体として設立されました。リサイクル業界や廃棄物業界における知見やネットワークを十分に有している企業なのです。

これまで新井紙材は、印刷会社等で不要となった古紙を買い取り、リサイクル可能な形に加工して製紙工場に販売することで成り立ってきました。つまり、ゴミが「ある」ことでビジネスになる。このビジネスモデルでおよそ75年間経営をしてきた企業にとって、ゴミを「なくす」ことは、自分で自分の首を締めるようなもの。

それにもかかわらず、両社の代表を務める新井遼一(あらい・りょういち)さんは、廃棄物業界のアップデートを目指し、廃棄物のない世界を目指すサーキュラーエコノミードット東京を立ち上げました。

そこにはどのような思いや背景があったのでしょうか。そしてこの先どのような社会をつくりたいと考えているのでしょうか。その答えは、サーキュラーエコノミーを起点に、日本をエンパワーメントしようとする未来へのまなざしにありました。

サーキュラーエコノミーのリアルを見て、リアルを届ける事業

周囲に印刷工場や製本所などが立ち並ぶ、埼玉県戸田市にある新井紙材の古紙リサイクル工場。トラックが廃棄物を運び込み、大型機材で古紙を再生可能な資源へと加工しています。

新井紙材の古紙リサイクル工場

資源が積み重なる工場の2階に、サーキュラーエコノミードット東京が運営するコミュニティスペース「サーキュラーBASE美女木」はあります。

本社オフィスは東京・麻布にありますが、サーキュラーBASE美女木はサーキュラーエコノミーのリアルな発信の場として、2024年6月に新設されました。この場所ではイベントやワークショップを実施しています。

今回の取材では、そんなサーキュラーBASE美女木を訪問。そこには工場の迫力ある景色とは相反するような、木目調のやわらかな空間が広がっていました。

循環の考え方を取り入れてリノベーションしたコミュニティスペース「サーキュラーBASE美女木」

サーキュラーエコノミードット東京のメイン事業は、ウェブメディア「Circular Economy. Tokyo」と、場というリアルなメディア「サーキュラーBASE美女木」からなる、メディアプラットフォーム事業です。

「Circular Economy. Tokyo」は、2021年に新井紙材の新規メディア事業として立ち上げた「環境と人」を2024年1月にリニューアルしたもの。これからのビジネスパーソンにとって必須となるサーキュラーエコノミーの知識や実践をシェアする場として、多くの人に学びを届けています。

サーキュラーエコノミードット東京 代表取締役の新井遼一さん

新井さん 「環境と人」を始めた頃から、循環型社会やサーキュラーエコノミーをテーマにしていました。しかし世間の反応は今とは異なり「サーキュラーエコノミーって何?」という状態だったと思います。

メディアの特徴は、リユースやリサイクルなど再利用の促進を目的に事業を行う「静脈産業(※)」に関する記事の比重を大きくしていること。廃棄物業界のDNAがあるからこその情報を提供したいと考えています。例えばプラスチックのリサイクル業者や産業廃棄物処理業者の取材記事は、他のメディアにはなかなかない情報ではないかと。

また、EU圏を中心にした海外のサーキュラーエコノミーに関する一次情報も集め、積極的に発信しているのも特徴のひとつです。

(※)「静脈産業」とは、「動脈産業」と対になる経済活動を動物の血液循環に例えた呼称。天然の資源を採取・加工し、製品等を生み出す産業を「動脈産業」と呼ぶのに対し、動脈産業が生み出した不要物や製品を集め、再度加工・販売することで、再び社会に流通させる産業を「静脈産業」という。

ウェブメディア「Circular Economy. Tokyo」では、オランダやドイツ、フィンランドなど海外の事例から、日本全国の人や企業、自治体まで、さまざまな取材記事が並びます

「Circular Economy. Tokyo」編集長を務める熊坂仁美(くまさか・ひとみ)さんは、メディア運営にあたり「現場を見ること」を特に大事にしていると語ります。

取締役・「Circular Economy. Tokyo」編集長 熊坂仁美さん

熊坂さん サーキュラーエコノミーはまだ世に普及しきっていない分野です。だからこそ私たちは、現場に出向き、企業や自治体の話を直接伺い、リアルな声や事例を届けることにこだわっています。もちろん足を運ぶには時間や予算がかかりますし、今すぐにその結果が出るものではありませんが、将来的にみると私たちがシェアしている情報はとても価値のあるものになると考えています。

大量生産、大量消費をやめるために。廃棄物と地球の未来

代表の新井さんは、「サーキュラーエコノミー」という言葉が今ほど広まっていなかった2019年ごろから、この考え方に注目していました。それは日々廃棄物業界における現場の状況を目の当たりにしていたからこそ。

新井さん 「あまりにも物を無駄に捨てすぎている」と、現場を見て感じていました。まだ使える製品もライセンスの問題やデザインの変更、作りすぎなどで「焼却に回してほしい」と依頼される。海外から多くの資源を購入し、それを燃やして埋めるという無駄は、この先やめなければならないと強く思っていました。

製紙工場に販売する再生資源。重量あたりの金額で取引され、価格は古紙の色や素材によって異なります。価格設定(価値)は多くの場合、生産時と逆転するそう。例えば白色の紙でできた塊は最も高い価格で取引され、色紙や光沢のある紙の塊は価格が安いのだとか

世界の人口が80億人から100億人に向かう未来を見据えると、この先資源が足りなくなるのは明らかです。自国に資源が少なく、他国に渡せる対価が乏しい日本は、資源を買い負けてしまう。その結果、物をつくりたくてもつくれない状況に追い込まれる可能性があると新井さんは危機感を募らせます。

新井さん 経済安全保障の観点からも、日本にとってサーキュラーエコノミーは必要なんです。大量生産大量消費をやめ、地域内で循環する仕組みをつくらなければならないと考えています。

東京大空襲の跡地で1951年に創業した当初の、東京・麻布にある新井紙材のオフィス。新井紙材の歴史が詰まったアルバムより

未来を見据えた上の判断だとしても、歴史のある企業を母体にスタートアップを立ち上げて全く異なるビジネスを始めるのは、大きな決断だったのではと想像します。

本や雑誌の刊行部数が減っているように、紙からデジタルへの移行が進み、この先紙の資源は減っていく一方になることが予想されます。事業として新たな戦略を練る必要性を感じた新井さんは、自分たちの仕事において一番価値を生んでいるものはなにかを自分自身に問いかけたそうです。

新井さん みんなゴミを出したくて出しているわけではなく、できることならゴミを出したくないはず。しかし、新井紙材のような静脈産業では、ゴミをたくさん出してくれれば結果として儲かるという構造になっている。ここには矛盾が生じています。

この先お客様のために私たちができることはなにかと考えた結果、お客様がゴミを減らすサポートをするべきだと。自社の首を絞める決断ですが、それはこれからの廃棄物業界に求められるものになるはずだと気がついたのです。

そこでリサーチを重ねて出会ったのが、サーキュラーエコノミーでした。そこでまずは、業界でもあまり取り組めていなかった情報発信をスタートすることにしました。

「地球のために、未来のために」のような綺麗事に感じるスローガンにはなかなか惹かれないけれど、廃棄物処理の現場のリアルを紐解くことは面白いと感じていた新井さん。「面白いからみんな知ってよ」という感覚で、メディアを始めたそうです。

「サーキュラーBASE美女木」で実施したイベントの様子(写真:サーキュラーエコノミードット東京提供)

サーキュラーエコノミーが日本をエンパワーメントする可能性

いまでは世界中で注目されているサーキュラーエコノミー。日本でも2023年に経済産業省が「成長志向型の資源自律経済戦略」を策定したことを皮切りに、持続可能な社会の実現に向けた重要な概念として注目を集めています。2024年には自治体でサーキュラーエコノミー関連の予算が組まれるなど、社会にお金も流れ出し、今後市場規模の拡大も見込まれる分野です。

社名に「サーキュラーエコノミー」を冠した理由も、近年のサーキュラーエコノミーに関する認知度の高まりを踏まえてのこと。また社名後半の「ドット東京」は、創業の地である東京をあらわすと同時に、世界を見据えた方針のあらわれです。ウェブメディアは英語版のサイトも公開。世界に目線を向けた背景にあるのは「日本はサーキュラーエコノミーの素養がある」と考えているからだそう。

新井さん 江戸時代は、地域内でリサイクルやリユースを行うことが当たり前の循環型社会だったと言われています。そのエコシステムは戦後アメリカから輸入されてきた大量生産大量消費の流れによって消えてしまいますが、本質的には循環型の文化や仕組みをもっている国なんです。

分別の文化は日本特有のものですし、先進的なリサイクル技術ももっています。地方に行けばサーキュラーエコノミーと謳ってはいないものの、内容はサーキュラーエコノミーそのものである活動にたくさん出会うことができます。例えば、熊本県の黒川温泉では旅館の食べ残しをコンポストに入れてつくった堆肥で野菜をつくり、それを旅館で提供していたり、福島県ではかたちや傷が原因で販売できない桃を、加工製品として地元で提供していたりする活動などがあります。

このように地域、歴史、文化に根づく実践例を世界に対して発信することで、サーキュラーエコノミーの文脈で日本が世界を席巻することも不可能ではありません。サーキュラーエコノミードット東京の発信は、日本をエンパワーメントしたいという思いも込めているのです。

資源・エネルギーの自立を目指してつくる経済

サーキュラーエコノミードット東京が掲げるミッションは「“Waste to Value”〜Wasteから価値をつくる〜」。サーキュラーエコノミーを実現するにあたって忘れてはならない観点は、循環の仕組みをつくるだけでなく、そこに対価が払われるような価値を生むこと。つまり、経済(エコノミー)をつくることです。

新井さん ゴミはゴミではありません。我々が見るとそこにお金を払う価値があることがわかります。その価値を見極める目をもつことが循環が進む一歩であり、経済をつくることだと思うんです。

例えば、一般的な廃棄物処理のビジネスは、ゴミを排出する企業側がお金を払い処理の依頼をします。ところが新井紙材は、企業が排出するゴミを買い取っている。そしてゴミが資源になるよう加工し、製紙工場に販売して利益を得ています。このようなビジネスモデルが浸透していけば、循環が自然と進んでいきますよね。

サーキュラーエコノミードット東京がメディア事業の他に取り組んでいる研修事業では、受講者の方に廃棄物に価値を見出す「目」を養ってもらおうと考えています。

新井さん 視察を通してリサイクル工場のビジネスが成り立つ構造を知っていただくことは重要なことだと考えています。

例えば一部の車のリサイクル工場では、以下のような流れでビジネスが成り立っています。まず車内に残っているオイルを抜き、そのオイルはフォークリフトに入れて活用する。エンジンなど使える部品は撮影してネット販売や輸出をし、ドアやシートもすべて外して単体の部品としてリユースする。最終的にどうしてもリサイクルできないものは潰して鉄屑として販売しているんです。

そこに経済が成り立っていると知ってもらうこと。リサイクルやリユースへのまなざしを獲得してもらうこと。作り手や使い手がこれらの視点をもつことで、経済的にも持続可能な循環型社会が実現していくと考えています。

新井さん サーキュラーエコノミーにおいて重要な考え方は「資源・エネルギーの自立」です。資源において、外部に頼らず自立できること。それが日本という国の単位ではもちろん、東京や福島、さらに小さな単位の戸田市や個々の町会でも成り立っていることが大切です。その地域のなかで循環ができれば、経済安全保障や防災にもつながり、環境にとってもよい影響があります。

「サーキュラーエコノミー×ビジネス」に挑戦する仲間が鍵になる

サーキュラーエコノミーの考え方が、さまざまな課題解決の糸口となる。その取り組みはやりがいに満ちている一方で、難易度が高いのはビジネスとしてどう収益化していくのかということです。

新井さん 研修やワークショップ、コンサルティングなど色々な事業にトライし、試行錯誤を重ねていますが、ビジネスとしてはまだ収益化に結びついていません。現状はまだ親会社のいち事業のような状態。この状況を打破するために、プロフェッショナルなスキルをもった方に仲間になっていただき、新たな事業展開や収益性のあるビジネスモデルづくりを早急に構築していきたいと考えています。

よいことをしている。でもそれだけでは稼げない。循環型の経済を持続可能なものにしていくために、お金は必要不可欠です。そこで、ビジネスの経験豊かな方の知見が重要な鍵になると新井さんは考えています。

だからこそ、サーキュラーエコノミードット東京では「サーキュラーエコノミーでマネタイズする」ための事業開発に取り組む仲間を募集しているのです(現在募集中の求人は、WORK for GOODの企業ページでご確認ください)。

個々の力を発揮し、社会に貢献すること

現在のサーキュラーエコノミードット東京のメンバーは、代表の新井さんを含めて4名。そのほか、記事作成の案件ごとに携わってくれるライターの方がいるそう。

月に1〜2回の打ち合わせやイベントの際は、拠点となる東京オフィスやサーキュラーBASE美女木に足を運ぶこともありますが、基本的にはリモートで連携をしながら業務を進めているそうです。

自ら考え行動できる自立した個人が集うチームは、穏やかでフラットな雰囲気。少数だからこそ意見やアイデアがすぐに反映される環境のようです。

取材の隙間時間にも、サーキュラーエコノミー関連のイベントに参加した感想や、そこから湧いてきたアイデアの共有がおこなわれていました

それぞれに入社の経緯を伺うと、4名全員が「環境と人」時代からすでに携わっていたといいます。

編集長の熊坂さんは、これまでも地域メディアの編集長など、ウェブメディアの立ち上げやSNS関連の仕事をしてきた経歴の持ち主です。

環境問題への関心がもともとあったわけではないと語る熊坂さん。地域活性化に関するよりアカデミックな知識を携えたいと進学した大学院で、地域資源の循環をテーマに研究するうちに、サーキュラーエコノミーに興味を持つようになったのだといいます

熊坂さん 2023年に約2ヶ月半フィンランドに滞在し、サーキュラーエコノミーに関する取材や視察に参加をする機会がありました。そのレポートを「環境と人」で執筆させてもらったことをきっかけに、「Circular Economy. Tokyo」では編集長を担っています。

約3年前に入社をしたディレクターの井上知春(いのうえ・ちはる)さんは、メディアの運営や各所との連携やコミュニケーション、イベント関連の進行など、サーキュラーエコノミードット東京における多岐にわたる業務を担当しています。

井上さんは、学生時代には外国人の人権保障に関する活動として入管法の改正を求める運動をおこなっていたそう

井上さん 家の屋根に太陽光パネルが設置されているなど、幼少期からサステナブルな取り組みが身近にある環境で育ちました。元々はエンジニアをしていましたが、環境問題や社会課題に興味があって転職を考えたときに、所属していた「Sustainability College(サステナビリティカレッジ)」というコミュニティで同じく参加者だった新井さんに声をかけてもらい、入社を決めました。

業務委託で関わる久米彩花(くめ・あやか)さんは、もともとは旧メディア「環境と人」の読者だったそう。フリーランスとして2年半前から参画し、現在は取材や企業の窓口として営業などをおこなっています。

参画当時は、新井紙材がYouTubeで展開していた動画にインタビュアーとして出演していたそう

久米さん 環境配慮型の新素材を開発、販売する会社に新卒で入社し、循環性がいかに大切かを痛感していたんです。新井さんにメディアの話を伺い、机上の空論ではなくリサイクルの実働もしているところが他の環境メディアとは異なり、魅力的だなと感じていました。

サーキュラーエコノミーとは、エコロジーとエコノミーを両立させていくという考え方です。長年環境問題や社会課題に関心をもってきましたが、ただ環境にいい活動をするだけでなく、それを継続的なビジネスにする挑戦は個人的にも追求していきたいことなので、とてもやりがいを感じながら働いています。

飛躍する業界で、イノベーションの中心に飛び込む仕事

利益を上げることも大事。けれど利益のためだけではなく、よりよい未来をつくるために決断を重ねていくという覚悟も垣間見えます。

新井さん 働けば働くほど、事業が伸びれば伸びるほど、社会がよくなる本質的な仕事。仕事と社会貢献のあいだには一切の矛盾もありません。

そう堂々と言い切る新井さんの姿には、清々しさがありました。

この先は目指す未来に向けて走り続けるだけ。その道中、肩を組む仲間がどんどん集まり、加速度的に成長し、さらなるイノベーションが起こるイメージが湧いてきます。

久米さん サーキュラーエコノミーは、この1〜2年で色々な方に関心を持ってもらえる求心力のある分野となり、関連する新しい技術や企業が次々と誕生している最中です。盛り上がりのある領域だからこそ、自分たちのアイデア次第で色々な方とのコラボレーションが可能。私たちのできることも増えていると実感しています。

20年前を思い起こすと今とは異なる世界があったように、10年、20年後には、社会や経済、価値観も大きく変わっていることと思います。その変化の主題のひとつとなるのがサーキュラーエコノミーです。「1990年代初頭のIT業界にあったようなワクワクする感覚を、今からサーキュラーエコノミーの分野に関わる方は感じることができるはず」と新井さん。今がまさに転換期なのです。

ビジネスの経験を積んで、これからは社会貢献のために力を使いたいと考えている方へ。これまで培ってきた技術や専門性をいかし、サーキュラーエコノミーの取り組みを大きく飛躍させてみませんか? それは想像以上に大きな影響をもたらす、意義ある仕事になるはずです。

(撮影・編集:山中散歩)

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