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調理道具は空にある。太陽と風にまかせた、ちょい干し野菜のつくり方

お天気のいい日って、気持ちがいいですよね。お洗濯しようとか、お布団を干そうとか、気持ちが自然と空に向かうような気がします。

有史以来、暮らしや食文化について書かれた書物には、食べ物を太陽に干していたことが記されているそうで、干すことはいわば人類最初の調理手段。お天気のいい日に活動的になるのも、人間の性質なのかもしれません。

梅干し、干し柿、切り干し大根、魚の干物など、干した食べ物は多くあるものの、自分でつくるとなると、「干す」=ちょっとしたひと手間、というイメージはないでしょうか。

たしかに切り干し大根のようにカラカラにさせれば保存食にもなって便利なのですが、そこまで乾燥させるには数日間かけて干す必要も。そんなに手が掛けられない、という時は、半日ほどの短時間だけでも干してみましょう。手間どころか食事の支度が簡単になったり、捨てる部分がなくなったりします。

まずは干し野菜のメリットを確認

おいしくなる

干すと野菜の水分量が減るため旨みや甘みが濃縮され、さらに酵素によって苦味が分解されるので、食べやすい食味に変化します。元は同じ野菜なのに、ただ干すだけでおいしくなるって、冷静に考えるとすごいことですよね。

複雑な料理になんて挑戦しなくても、旨みが増した野菜でご飯がすすむメインのおかずができるので、いわば干し野菜は下ごしらえです。捨てられてしまうことも多い根菜の葉っぱや皮も、干すことで食べやすくなったり、だし取りに使えて無駄になりません。

食べやすくなる

量(かさ)が減るので少量でも満足感があるほか、乾燥により調味料が染み込みやすくなって、調理が簡単になります。切り干し大根などは、水で戻さなくてもそのまま食べることもできるので、ちょっとしたおやつ(つまみ)代わりにも。

栄養価もキープ

熱に弱いビタミンCなどは分解されますが、骨を強く保つビタミンDは守られて、食物繊維やミネラルは生の野菜よりも少量で摂りやすくなります。

簡単&フリーエネルギー

なんといってもお日様に干すだけ。料理経験不問、自称・不器用さんも心配いりません。条件は、太陽が出ていて、湿気が少ない日であればOKです。

続いて、ちょい干し野菜のつくりかた

つくりやすいのは、にんじん・大根・かぼちゃ・さつまいも・しいたけなど、水分が少なめの野菜、ピーマンやパプリカ、えのき、白菜(芯つき、1/6割くらい)なども扱いやすい食材です。

1. きれいに洗う。
2. 食べやすい大きさ(目安は1cm前後の厚み、5〜6cmほどの大きさ)に切り、水気をよく取る。
3. ざるなどに並べる。(もしくは洗濯はさみに挟むなどもあり。虫や鳥が気になる場合は干しかごが有効)
4. ベランダや庭など、陽があたり、風通しのあるところに干す。
5. 半日ほど干して、表面が少し乾燥気味になり、にんじんや大根が簡単にぐにゃっと(くの字に)曲がるくらいが仕上がりの目安。

完全なる乾物にしなくても、生と乾物の中間くらい、”半生”状態にさせることで干し野菜のメリットも十分です。もしもうっかり長時間干してしまったとしても、乾燥が進むだけのことですので問題ありません。

メリットにも書きましたが、乾燥によって味が染み込みやすくなってるので塩や醤油など調味料は少なめで済みますし、シンプルに焼いたり炒めるだけで十分な旨みが楽しめます。水分が少ないためオイル焼きなどの焼き面もきれいな感じがします。

一度に食べきらなくても冷蔵庫で1週間くらいは保存できるので、天気のいい時につくっておけばしばらく便利。また、ちょい干し状態で冷凍保存も可能です。