greenz people限定『生きる、を耕す本』が完成!今入会すると「いかしあうデザインカード」もプレゼント!→

greenz people ロゴ

リノベーションまちづくりで、現代版“三丁目の夕日”を目指す。泉佐野市で動き出した「バリュー・リノベーションズ・さの」にこの指とまれ!#仲間募集

「『いかしあうつながり』を実践したいけど、なにから始めたらいいのかわからない」

そんな方に向けて、グリーンズのメンバーがおすすめする活動の募集を、「この指とまれ!」の温度感でご紹介する企画を始めました!

(グリーンズが目指す「いかしあうつながり」については、こちらの記事をご覧ください。)

今回ご紹介するのは、大阪府泉佐野市で動き出した「バリュー・リノベーションズ・さの」。主にリノベーションまちづくりを通じて、駅前の中心市街地の活性化やSDGsの考え方にもとづく働き方改革、雇用創出などを目指す取り組みです。

2019年5月に発足したばかりのプロジェクトですが、7月1日に開催されたキックオフミーティングには約100名の方が集まるなど、早くも注目を集めているようです。(トップの写真は、らいおん建築事務所の嶋田洋平さんを招いて行われたキックオフミーティングの様子。)

そんな「バリュー・リノベーションズ・さの」とは、いったいどんな取り組みなのか。その活動と仲間募集について、詳しく見ていきましょう。

なにをしているのか

大阪府泉南地域に位置する泉佐野市は、大阪湾に面した人口10万人ほどのまち。背後にある和泉山脈は一部が金剛生駒紀泉国定公園に指定されているなど、豊かな自然に囲まれています。また、1994年に関西国際空港が開港してからは、年間100万人程度の訪日外国人観光客が訪れるなど、世界と日本の玄関口になりました。

一方で泉佐野市は、全国の多くの地域と同じように、近年は中心市街地の空洞化という問題に直面しています。国際空港開港に伴う商業・サービス業の活性化は一部のエリアにとどまり、中心市街地はいわゆる「シャッター商店街」化。そうしたなかで、今後どのように中心市街地を活性化していくのかが課題になっています。

現在の中心市街地の様子。シャッターを下ろしたお店が目立ちます。

西納さん そうした課題の解決に向け、市の『生活産業部 まちの活性課』が主体となって2019年5月に発足したのが「バリュー・リノベーションズ・さの」です。

そう語るのは、「バリュー・リノベーションズ・さの」のメンバーである西納久仁明さん。具体的に「バリュー・リノベーションズ・さの」はどんなことに取り組んでいくのでしょう。

西納さん 私たちは、新しい建物をどんどん建てるような、不必要な都市開発をせずに、エリアの持続可能性を意識しながら泉佐野市の中心市街地を活性化していきたいと思っています。だからこそ、リノベーションまちづくりに取り組んでいくことにしたんです。

具体的には、リノベーションを通じてエリアの魅力を底上げし、商店街への人が集う仕組みを構築したり、女性の社会進出につながる働き方やワークライフバランスを推進している事業所などを中心市街地へ誘致して、空き家とマッチングしたりすることを通じて、中心市街地の再生・活性化につなげていくことを目指しています。

こうした活動を、現在は4名のメンバーと行政の職員とで取り組んでいます。まだプロジェクトは立ち上がったばかりで、行政が伴走しながら活動していますが、将来的には法人化し、自走することを目指しているそうです。

「バリュー・リノベーションズ・さの」のメンバーのみなさん。

オフィスは駅から徒歩1分の商店街の入り口にあります。

目指している未来は?

そんな「バリュー・リノベーションズ・さの」では、どんな未来を目指しているのでしょう。「この活動に取り組むモチベーションは?」と尋ねると、少し考えてから西納さんは答えてくれました。

西納さん そうですね…。私個人の思いですが、目指しているのは映画『ALWAYS 三丁目の夕日』で描かれたような、穏やかで、老若男女が集う場所をつくりたいんですよ。

私の実家は商店街のなかの駄菓子屋で、近所の人とたくさんコミュニケーションがあるなかで育ちました。最近では、そういったコミュニケーションがなくなってしまっている気がします。

だから、新しい建物をどんどん建てるのではなく、昔ながらの町並みを活かしながら、あたたかい交流が生まれるエリアをつくっていけたらなと思うんですよね。それに、今では泉佐野市には多くの海外の方も訪れるので、老若男女、そして国内外の方が訪れて交流するような、魅力あるエリアにしていきたいです。

さらに、行政の立場で「バリュー・リノベーションズ・さの」をサポートする木村圭介さんは続けます。

木村さん 昔ながらの町並み、という言葉が西納さんからあったように、泉佐野市は歴史ある場所でもあるんです。江戸時代には漁業や廻船業がさかんで、食野(メシノ)家・唐金(カラカネ)家など豪商があらわれて、泉州地域では一番の商業都市でした。

そうしたなかで現在の中心市街地のエリアは『さの町場』と呼ばれて、独自の町人文化を発展させてきたんです。今でも町並みにはその名残があって、そうした地域の歴史的な特徴も活かせたら、他の地域にはないリノベーションまちづくりができるんじゃないかな、と思っています。

泉佐野市の中心市街地には、歴史的な建物が点在しています。

「さの町場」の名残をのこす町並み。

こんな仲間、この指とまれ!

「バリュー・リノベーションズ・さの」では、リノベーションまちづくりに取り組む仲間を募集しています。たとえば、次のような方は歓迎だとのこと。

・中心市街地の再生・活性化に本気で取り組んでくれる人
・まちづくりに興味のある人
・地域活性化に貢献したい人
・行動力のある人
・人柄も良く、コミュニケーション力のある人

まだ始まったばかりの取り組みなので、イチからリノベーションまちづくりに関わるという経験ができます。また、将来的には法人化を目指しているとのことなので、いずれはまちづくり会社の経営に取り組むこともできるはずです。

なぜ私がこの活動を紹介するのか

リノベーションまちづくりは、グリーンズが目指す「いかしあうつながりがあふれる幸せな社会」を、空き家というハードと地域の歴史や人々の関係性といったソフトを活かしながらつくっていく取り組みだと捉えることもできます。

全国で取り組まれているリノベーションまちづくりの活動のなかでも、泉佐野市はまさに立ち上げフェーズ。歴史ある町並み、海外からの観光客、キックオフミーティングに集まったような熱意ある人々といった地域資源をもとに、今後エリアのリノベーションの方向性を描き、形にしていく段階にあります。そうした段階の活動に、中心的な役割として関わることができる機会はなかなかないでしょう。リノベーションまちづくりに関わる仕事に興味がある方は、チェックしてみてはいかがでしょうか。

活動や募集について詳しく聞きたい方は、Facebookページからメッセージで問い合わせを受け付けているそうなので、「話を聞いてみたい」ボタンの先にあるFacebookページからぜひお問い合わせを。募集の詳細については、「募集について詳しく知りたい」ボタンから、募集ページをご覧ください。

この記事が、だれかの「いかしあうつながり」への一歩につながりますように。

話を聞いてみたい

募集について詳しく知りたい

[sponsored by バリュー・リノベーションズ・さの]