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仕掛け人は「WeWork」。「好き」を仕事にする手段を学ぶ小学校「WeGrow」が目指す社会とは?

好きなことで食べていくのはむずかしい。

そんな言葉をつい口にしたことのある人は多いのではないでしょうか? 子どもの時は好きなことが職業になったらいいなと夢見ていても、気づけば「好きなだけじゃだめ」だと思うようになってしまう。

けれど、もしかすると「好きなことで食べていく」方法を知らないだけかもしれません。

今回ご紹介する「WeGrow」は、そんな「好きなことで成功する方法」を教える小学校。コワーキングスペースで有名なWeWorkが、未来の起業家を養成するために2018年秋に設立します。

対象になるのは3歳から9歳までの子どもたち。算数や読書などの基本的な科目に加えて、ビジネスやヨガ、料理、瞑想など、子どもたちの興味に合わせた分野を掘り下げて学ぶことができます。WeWorkを利用している起業家の下で、見習いをできるメンター制度もあるのだとか。

校舎は、LEGOハウスでも有名なデンマーク人の建築家、Bjarke Ingelsがデザインを手がけました。ツリーハウスやデジタルポータル、垂直型の畑まであるそうです。

校舎はWeWorkのNY本社のすぐ近くに位置しています。仕事が忙しく子どもたちとの時間を諦めていた人たちにも嬉しい立地です。

オープンは2018年秋ですが、何名かの子どもたちはすでに「WeGrow」に通っています。ブランドのつくり方やセールスの技術、需要と供給など、実践的な授業を受けているのだそう。

教室で行う授業と別に、子どもたちは週に一度は農場に通います。教室で学んだ内容を用いて、農場の経営を行なっているんです。ただ作物をつくるだけではなく、利益を出すための活動も求められます。例えば、デザインが大好きな8歳の女の子は、手づくりしたTシャツを農場で販売しているそう。

先進的な教育の姿に対し、「そんなに幼いうちからビジネスを学ばせる必要があるのか?」といった疑問の声もあります。しかし、設立者のRebekah Neumann(以下、レベッカさん)は、早い時期から子どもたちの情熱を活かす方法を教えるべきだと話しています。

私の仕事は意思を持って行動できるグローバル市民を育てることだと思っています。グローバル市民とは、自らの才能を把握し、他者や社会をよりよくするために使える人たちのことです。

いずれは「WeGrow」を世界中につくりたいと話すレベッカさん。自らの才能や情熱を生かして社会に価値を提供する方法を幼い頃から学ぶことで、「好きなことで食べていくのはむずかしい」という意識も変わっていくのかもしれません。

設立者のレベッカさん。実は5人の子どもの母であり、その1人もWeGrowに通っています。

子どもは大人の背中を見て育つもの。仕事を楽しんだり、自分はできると信じてチャレンジしていく大人の姿が、何よりも彼らの学びになるのかもしれません。私たちも、今日はいつもより、自分の「好き」を大切にしてみませんか?

[via WeWork, CURBED, Bloomberg, dezeen]

(Text: ひだみき)
(編集: スズキコウタ)

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