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世界一の自転車先進都市・アムステルダムは、なぜ、どのように生まれたのか。5つのステップで探る。

みなさんはオランダと聞いたら、何を思い浮かべますか。風車、チューリップ、それとも平均身長が世界で一番高い人たち?

実はオランダのアムステルダムは、世界で最もサイクリストに優しい街に何度も選ばれた、自転車先進都市として有名なんです。

日本でも健康面や、お財布と環境にやさしいことから、自転車を利用する人が年々増えているよう。しかし、自動車も含む全体の交通事故の件数が減少している一方で、歩行者と自転車の接触事故は増えていることが問題視されています。

そこで今回は、”車両と歩行者が共存する”ことに成功している、サイクリスト天国・アムステルダムの事例から、日本にも活かしたい5ステップを紹介したいと思います!

Step1: 街の全域に自転車道を整備する

日本でも少しずつ自転車道が増えているとはいえ、まだまだ全体からすると少ないですよね。そのため、自転車に乗る人たちは「車と自転車はスピードが違いすぎるので、車道を走るのは怖い」と感じているそう。

一方、アムステルダムでは、街のほぼ全域に自転車道を整備したことで、初めて訪れる外国人観光客でも安心。どこを走れば安全なのか、すぐに分かるつくりになっているんです。

Step2: 自転車道と自動車道、歩道を分離する

アムステルダムの自転車道は、自動車道や歩道と、それぞれ物理的に分離していることが多いのも特徴。そのため、街を歩く観光客は「自分の横を早いスピードで追い越していくサイクリストがたくさんいるのに、不思議と怖くない」と話します。

日本で問題視されている歩行者との接触事故は、自転車の走行マナーの悪さや、歩行者の歩きスマホなど、理由はたくさんあると思います。とはいえ、まずは物理的に分離した空間が整えば、事故を防ぐことが期待できそうですね。

Step3: 車道をなくして車の乗り入れを禁止する

なんと、アムステルダム中心部の4分の1は、車道そのものをなくすという、大胆な整備を行なっています。街の中心部に行く人は多いのに、車の乗り入れを禁止して困る人はいないのでしょうか。

実は、市民の8割以上が、日常的に自転車を利用しているそう。これは、街の中心部の6割以上が、自転車で難なく移動できるからだといいます。街が整備され、さらにたくさんの人がその道を使うことで、より自転車に優しい街ができる、という循環が起こっているようです。

Step4: 車の速度制限を自動アシストする

アムステルダムでは、車道の一部を隆起させた「ハンプ」で、車の減速を促したり、生活居住区ではわざと曲がりくねった道にすることで、速度制限を自動アシストしているとか。

その結果、1980年から2005年にかけて、自動車と自転車の走行距離は4割程度も増加したのに対し、死亡者数は6割近くも減少させることに成功したようです。

Step5: 自転車専用信号機を設置する

人口80万人に対して、自転車が100万台もあるアムステルダム。その台数はなんと車の4倍! にもかかわらず、自転車の走行が滞ることはあまりありません。

その理由の一つは、自転車専用の信号機。交差点を斜めに横断するときでも、車と同じようにそのまま渡ることができるので、日本では当たり前の二段階右折をする必要がなく、車より効率的で速い移動手段になっているのです。

(紹介ここまで)

自転車先進都市アムステルダムの事例、いかがでしたか?

自転車に乗ることは、交通費やガソリン代の節約になるだけでなく、ストレスフルな満員電車の緩和にもつながります。さらに、いつもは通りすぎていた街の、新しい魅力にも出会えることでしょう。

日本でも、東京オリンピックに向けて、「自転車推奨ルート」の整備が計画されています。サイクリストにより良い環境ができることで、外国からの来訪者も含め、誰にとっても安全で、気軽ににぎわいを楽しむことができる街となることが期待されますね。

[via CITY LAB,Dutch Cycling Embassy,business insider,discount ramps,サイクルプラス,東京都建設局]

(Text: 加茂信志)
(編集: スズキコウタ)

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