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ウェブ記事は流れゆく。だから、モノとして残る本で伝えたい。greenz.jp 副編集長のコラム「ウェブメディアがライターの出版をサポートする理由」

突然ですが、みなさんはgreenz.jpをどのように知りましたか? 

友人の勧めで。
FacebookやTwitterで。
メンバーが登壇するイベントで。

きっとさまざまなファーストコンタクトがあるかと思いますが、未だによく多く聞くのは、かつて<アイデアインク>と出版した『ソーシャルデザイン』『日本をソーシャルデザインする』の2冊がきっかけだというエピソードです。(ご多分に漏れず、実は僕もそうなんですけど。)

とはいえ最近では、都内中心部の大型書店が閉店したり、「あまり本を買わなくなったなあ」という声を時折聞くのも事実。greenz.jpを日々読んでいただいている方は、ウェブで素敵な記事を掘るのも得意そうですし、シンプルな暮らしを実践したいという理由で、本という「モノ」が家に増えるのに抵抗を感じることがあるかもしれません。(ついつい、「積ん読」って増えちゃいますしね。)

でも、、、

やっぱり時折、手に取ると、本ってイイじゃないですか!(笑)

そんな、改めて本というフィジカルなモノの良さを認識している今日このごろ、相次いでgreenz.jpライターの方々が著書を出版されているんです。

この場を借りて、紹介させてください。

昨年出版された、前田有佳利さんの『ゲストハウスガイド100 – Japan Hostel & Guesthouse Guide –』。

年明け早々に甲斐かおりさんが出版した『暮らしをつくる ~ものづくり作家に学ぶ,これからの生きかた』。

そして1月下旬には、磯木淳寛さんが『「小商い」で自由にくらす (房総いすみのDIYな働き方)』を出版されました。

みなさんから「やっと完成したよ!」とワクワクドキドキしたメッセージとともに届く、本たち。3冊を眺めていると、僕らも何か達成感のようなものを感じ、すごくうれしく思います。

ウェブの良さもあるけど、本の良さもある。

greenz.jpはウェブメディアを始めて10年になりますが、この間に非常に多くのブログやウェブサイトが増え、人びとが情報を発信するハードルは格段と下がりました。僕らは、そんなウェブの良さを体現してきた10年を過ごしたともいえますが、一方でウェブの限界といいますか、「やっぱり本には敵わないな!」と感じることがあります。

それは、たとえばウェブ記事は流れやすいこと。もちろん、中には何年経っても、人びとの心に刻み続けられる記事もありますが、書籍と比べると、やはりなかなか難しいことだと思うんです。

あとは、フォントやレイアウト、デザインなど細部までこだわって、読者に問いたいことを表現できるのも本の大きな強みですよね。そして「モノ」として、手元に実在することの愛おしさ。紙を触る感覚とインクの匂い、自分の手でページをめくるというアナログ感。ウェブは、サイトが閉鎖されたら読めなくなるけれど、本は一度紙に印刷したら半永久的に刻まれます。

(そして、ウェブ記事だけでなく、書籍を出した経験があるというと、そのライターに対する編集者からの眼差しが変わるとよく聞くんですよね。)

だからこそ、ウェブの強みを活かした情報発信ができているgreenz.jpとしては、ライターさんの出版をサポートしたり、自身も「green Books」というレーベル展開をすることで、書籍出版を加速させていこうと思っています。

ウェブでの蓄積を、本でアウトプットする

話が少し飛びますが、先日、英治出版からのお誘いで、オランダ人ジャーナリスト、ヨリス・ライエンダイクさんの取材に出かけました。(近日中にも記事になるのでお楽しみに!)

ヨリスさんの最新著書『なぜ僕たちは金融街の人びとを嫌うのか?』は、ウェブメディア「The Guardian」での「Banking Blog」での自身の連載を再編集することで生まれた本だといいます。

彼が、どのようにウェブで書き溜めた記事を1冊の本にしていったか、その詳しい話は記事でのお楽しみとしたいですが、端的にいうとウェブでの取材経験を蓄積していって、本でアウトプットするというプロセスをオープンに実践した、というわけです。

このプロセスによって、読者からのコメントをもらって客観的・多面的視点を手にしたり、ウェブ連載ではリーチできない読者層との接点が生まれ、確かな手応えを感じたのだとか。その感覚は、なんとなく理解できます。なぜなら『ソーシャルデザイン』と『日本をソーシャルデザインする』は、まさにそういうプロセスでつくった本でしたから。

先に紹介した、前田有佳利さん・甲斐かおりさん・磯木淳寛さんの著書は、greenz.jpでの取材記事をベースにつくられたものではありません。しかし、どなたの本にもどこか「グリーンズっぽい」空気が、匂いが感じられます。きっとそれは、僕らのメディアでの取材経験を活かして、本を書かれたからでしょうね。(そうだとうれしい!)

ぜひ本コラムを読んでいただいたみなさんには、3人の著書を手にとってほしいです。そしてもしご都合がつけば、3月29日にSHIBAURA HOUSEで開催する「green drinks Tokyo」へ遊びに来てください。そちらでは甲斐かおりさん・磯木淳寛さんがゲストとしていらしてくれ、こうして本を出版したことによる変化や、執筆・取材時の秘話などを植原正太郎がうかがいます! 

「読書の春」という言葉はありませんが、少しはオープンテラスでお茶しやすくなってきた今日このごろ、そんな心温まる時間の相棒に、greenz.jpライターたちによる渾身の本を連れて行ってはいかがでしょうか?

– INFORMATION –

3/29(水)green drinks Tokyo「暮らしと小商い」
(ゲスト:甲斐かおりさん、磯木淳寛さん)」


【日時】
2017年3月29日(水)
19:00〜21:30
※トークセッションは19:30-21:00です

【テーマ】
green drinks Tokyo「暮らしと小商い」

【参加費】
一般チケット 2,000円(ワンドリンク、軽食付き)

今回のメインテーマでもある書籍がセットになったチケットも販売!定価よりもお得です◎

『「小商い」で自由にくらす (房総いすみのDIYな働き方)』セット 3,300円
一般チケット + 1,300円(定価¥1,512)

『暮らしをつくる ~ものづくり作家に学ぶ,これからの生きかた』セット 3,500円
一般チケット + 1,500円(定価¥1,814)

<greenz peopleの方限定>
いつもgreenz.jpのメディア運営をサポートいただいているgreenz peopleのみなさんは通常参加費より半額の「¥1,000」でご参加いただけます!Peatixで割引チケットをご購入ください。気になる方は、こちら -> https://people.greenz.jp

【定員】
50名

【スケジュール】
19:00 開場&受付開始、交流タイム
19:30 トークセッション
21:00 交流タイム
21:30 終了

【ゲスト】
甲斐かおりさん(かい・かおり)
磯木淳寛さん(いそき・あつひろ)

【司会】
植原正太郎(うえはら・しょうたろう)

【会場】
SHIBAURA HOUSE(東京都港区芝浦3-15-4)
JR田町駅より徒歩7分

【主催】
NPO法人グリーンズ

【申込先】
https://greenz.jp/event/0329gdtokyo/

– INFORMATION –

前田有佳利著『ゲストハウスガイド100 – Japan Hostel & Guesthouse Guide –
https://www.amazon.co.jp/dp/484709476X/

甲斐かおり著『暮らしをつくる ~ものづくり作家に学ぶ,これからの生きかた
https://www.amazon.co.jp/dp/4774186481/

磯木淳寛著『「小商い」で自由にくらす (房総いすみのDIYな働き方)
https://www.amazon.co.jp/dp/4802203004/