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食べ残しを“捨てる”から“生かす”時代へ。台北のスタートアップ企業が考案した、マンション暮らしでもできる卓上コンポスト「BIOVESSEL」

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異常気象のニュースが相次いでいる昨今。環境や温暖化に対する意識が高まっているのか、巷では、“エコ・フレンドリー(環境に優しい)”な製品を目にすることが増えました。

生ごみを堆肥化する“コンポスト”も、そんなひとつ。コンポストは食料廃棄物や温室効果ガスを削減にすることができますが、庭でもないと実践しづらく、あきらめていた方も多いのでは?

今回の記事は、そんな方への朗報です。コンポストがついに、“卓上で”できる時代になったのです!
 
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今回ご紹介するのは、「BIOVESSEL」というコンポスト。大きさは45×22.5×15センチと食卓にのる小サイズですが、1週間で500g~1kg程度の生ごみを堆肥として再生してくれま
2016年9月にクラウドファンディングを開始すると、あっという間に目標額を達成した話題の新製品。まずは、その使い方を見ていきましょう!
 
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最初に用意するのは、ミミズや微生物を含んだ7リットルの土。これを容器に敷きつめたら、適量の水を吹きかけます。そして湿度や光、PHレベルをチェックしたら、準備は完了。
 
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次に、細かく刻んだ生ごみを投入します。生ごみといっても、肉や柑橘類など適さない食材もあるので気をつけましょう。
 
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再び適量の水を吹きかけ、湿度と光、PHレベルをチェックします。
 
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あとは全てのふたを閉じ、土に還るのを待つだけ。
 
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エコロジーな生活に一歩近づくコンポスト。とはいえ室内に置くとなると、ミミズの存在や生ごみの腐敗臭が気になる方も多いでしょう。

そこで真価を発揮するのが、生ごみ再生の過程を20か月も観察した末に開発された内部構造。船の形やふたの位置、木の部分に開いた穴などは全て、空気の流れを最適化し、容器の中で独自の“生態系”を成立させるために、計算し尽くされたものなんです。

ミミズは汚い土を食べ、きれいな土を排出してくれます。そのため「BIOVESSEL」の中でも、ミミズが生ごみを腐る前に食べてくれるので、部屋が臭くなることはありません。
 
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自然界で起きる化学反応が、容器の中でも起きるよう設計されている

「BIOVESSEL」を開発したのは、台北にあるスタートアップ企業「BIONICRAFT」。その創業者であるBrooklyn Chaoさん(以下、ブルックリンさん)は、開発の目的を次のように語っています。

食品廃棄物やその後処理の問題に、多くの人が目を向けてほしかったんです。この製品がそのきっかけになれば幸いです。

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開発チームのメンバー。左の男性がブルックリンさん

ブルックリンさんが「目を向けてほしい」と訴えるのは、世界を取り巻く次のような現状。

国連環境計画 (UNEP)によると、毎年約13億トンの食品が、食糧廃棄物となり捨てられています(出典元)。中でも野菜や果物については、全世界で生産される45%が何らかの理由により廃棄されているんだそうです。

そしてアメリカでは、これらを埋め立て処理するのに、全埋め立て地の21%にものぼる土地が用いられ、CO2や温室効果ガス(GHG)の原因にもなっているんです。食糧廃棄物というと、目の前の食べ物のことだけを考えがちですが、実はその後処理において土地や大気までもが大きな犠牲になっていたんですね。

生ごみを土に還し、再生させるコンポスト「BIOVESSEL」。これが果たす役割は、廃棄量の削減だけでなく、土地や大気の汚染すらも格段に減らす可能性があります。
 
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食糧廃棄物や地球温暖化といった大きな問題は、“意識の高い一部の人”だけでなく、“たくさんいる普通の人”である私たちの力が、鍵を握っているのではないでしょうか。大きな問題だからこそ、あきらめず身近なところ少しずつ努力を始めるもの。「BIOVESSEL」は、そんなことを教えてくれているような気がします。

[Via KICKSTARTER, inhabitat, psfk, DIGITAL TRENDS, konbini, PLUGiN, UNEP]

(Text: 松原裕香子)