先週末に、アップルから新商品「iPhone 6s」が発売され、ますますスマートフォンの進化が話題になっています。
その一方で、スマートフォンを使うときの悩みの種のひとつが、バッテリー残量。みなさんの中にも、大事なときに携帯電話のバッテリーが突然切れてしまった、という経験がある方も多いのではないでしょうか?
そんなみなさんにご紹介したいのが、持ち運び用充電器の「AMPY」です。
「AMPY」が従来の充電器と異なるのは、なんと、人間の運動エネルギーを電気に変えてくれるというところ!
使い方はとてもシンプル。運動時にAMPYを携帯または装着します。すると使用者の動作によって内部のコイルの磁石が回転して電流が発生し、リチウム電池に蓄電されるのです。「AMPY」に蓄電された電気は、コードをつないで携帯電話やその他USB電源の機器への充電が可能になります。
発電量は、おおよそ1万歩のウォーキング、1時間のサイクリング、または30分のランニングで、スマートフォン3時間分の使用量となるそう。
運動時に装着するほか、ポケットやカバンに入れて持ち運ぶだけでもOK
また「AMPY」は単体で使用することができますが、専用のアプリも用意されています。アプリでは残りの電気量がチェックできるほか、なんとエネルギーの生産量やカロリーの燃焼量まで確認できるのだとか! 運動を継続するモチベーションとしても利用できそうです。
AMPYのアプリ。電池の残量とともに、電力発生量やカロリー消費量もチェックできます
「AMPY」を開発したのは、Alex Smithさん(以下、アレックスさん)、Mike Geierさん(以下、マイクさん)、Tejas Shastryさん(以下、テジャスさん)の3人。彼らは、ノースウェスタン大学の博士課程に在学中に、起業家クラスで出会いました。
テジャスさんは話します。
開発のきっかけは単純に、一番大事なときに携帯電話の電池がなくなってしまう、この問題をなんとかしたいということでした。
しかし、製品化する過程で使用者のフィードバックを受けるうちに、私たちは「AMPY」の日常生活に与えるインパクトについて考え始め、そのビジョンは広がっていったのです。
「AMPY」はただの器械ではなく、携帯電話のパワーであり、あなたがつくるパワーであり、私たちを動かすパワーなのです。そのため、「AMPY」はスマートフォンやスマートウォッチなどすべてが「スマート」な世の中でも、最も「スマート」なパワーであると考えています。
共同開発者の3人、左からアレックスさん、マイクさん、テジャスさん
こうして開発された「AMPY」は、量産を実現するためにKickstarterでクラウドファンディングに挑戦! すると、目標金額10万ドルの3倍以上の30万9千ドルを達成し、大きな注目を集めました。また有害物質を排出しないエネルギーとして、「Clean Energy Trust Consumer Favorite Prize」をはじめとする数々の賞を受賞しています!
これまでも人間の動きをエネルギーに変える器械はありましたが、「AMPY」ほどの小ささと持ち運びやすさを備えたものは初めてといえるのではないでしょうか。「AMPY」は、この秋出荷予定で現在予約受付中。本体価格は99ドル。もちろん海外発送も可能です。
「電気をどのようにつくりだすか」は、私たちの未来に関わるひとつの大きな課題。
携帯電話やUSB電源の機器に使われる電気は小さいかもしれませんが、そんな小さな、でも日々使用するエネルギーを自ら生産するということは、これまでただ受け取るだけだった電力との向き合いかたを変えてくれるはず。
みなさんもこれを機に、電力との向き合い方を考えてみませんか。
[via AMPY, Kickstarter, Forbes]
(Text: 高橋尚子)