あるよく晴れた日。近くの公園で見かけたのは、自転車の前輪の上にカウンターを付けて、赤い大きなパラソルを差した小さなコーヒーショップ。太陽光からのエネルギーで動くコーヒーメーカーで淹れた一杯を、ベンチに座って飲む…そんな風景があったら素敵だと思いませんか。
スウェーデンのデザイン事務所が、そんな素敵なカフェを増やそうとしています。しかも、小さな起業家を支援する新しいモデルとして!
今回ご紹介する「Wheely’s cafe」は、移動式カフェのフランチャイズ・チェーン。コーヒーメーカーの動力を太陽エネルギーで充電したバッテリーを使うことで、できるだけエコフレンドリーなコーヒーショップを目指しています。
さらにユニークなのは、チェーン店として開業するための敷居の低さ。ヨーロッパで一般的なカフェチェーンを開業しようとすると数千万円かかると言われる一方、「Wheely’s cafe」は期間限定ながら、なんと1800ドルで始めることができるのです。
このモデルを開発した「Nordic Society For Invention and Discovery」(NSID)の共同創始者、Per Cromwellさんは、
わたしたちは小さな自営のコーヒーショップを好みますが、大きなブランドに属することのメリットを認めざるを得ません。
と率直に語っています。
ブランド力だけでなく、価格設定や商品開発、ソーシャルメディアの活用から法律的なサポートまで、フランチャイズモデルにはたくさんのメリットがあります。小さくてユニークなお店が増えていますが、あえてフランチャイズにするという逆転の発想が興味深いですね。
ただ、その長所を取り入れる一方で、「Wheely’s cafe」を同じような巨大なチェーンに育てたいとは考えていないようです。
ビジネスにおいても、すべてのものができるだけ持続可能であってほしいと思っています。この両方のよさを生かしたやり方こそ、未来につながる唯一の方法だと思うのです。
立ち上げに必要な資金の約20,000ドルは、あっという間にクラウドファンディングで調達。世界の人達が彼らのスタイルに興味を持ち、応援したいと思っていることがわかります。
エネルギー問題は、ひとりの力ではどうにもならない大きな問題のように見えますが、小さなコーヒーショップでコーヒーを買うことも、エネルギーについて考えるきっかけになるはず。いつか日本の街角でも、こんな移動式カフェが見られるようになると楽しそうですね。
太陽光を使った小商い、みなさんはどんなお店があったら嬉しいですか?
[via Co.EXIST, truthAtlas]
(Text: 山根大地)