みなさんはいつも、どのようにレシピをチェックしますか?料理本やレシピサイトを見るという方が多いかもしれませんが、今回ご紹介する「Bakespace」は、SNSの特徴をうまく生かした、新しいレシピサイトです。
自称「世界一美味しいSNS」の多彩なメディア戦略
「世界一美味しいSNS」を自称する「Bakespace」は、2006年にメディア・プロデューサーのBabette Pepaj(以下、バベットさん)が開設しました。無料でサインアップすると、「Online Kitchen」というプロフィールページを持つことができ、知り合いや意気投合した人たちとフレンド登録をすることができます。
一線を画しているのは、彼らのメディア戦略です。ウェブサイト上のコミュニケーションから飛び出し、携帯アプリや生中継番組の配信まで活動を広げています。
ウェブサイトでは、投稿したレシピや、お気に入りのレシピ、ブログやビデオなどを整理して公開出来ます。
無料でダウンロードできる、充実のiOSアプリ
アプリは、無料でApp Storeからダウンロードすることができます。さっそく僕も使ってみましたが、料理中のアシスタントとして、とても重宝しそうです。
アプリを開くと、レシピ本がデザインされたボタンが並んでいます。
ジャンルや料理名からレシピ検索ができます。
キッチンタイマーまで揃っていますよ。
さらに、Substitutionsをタッチすると、カロリーカットや、ビーガンレシピに対応するための材料を紹介してくれます!
何よりこのアプリの目玉機能が、レシピ本の作成。この機能を使えば、今まで投稿してきたレシピを編集しデザインして、一冊の電子書籍にすることができるのです!完成したレシピ本は、無料配布はもちろん、有料販売をすることも可能なんです。
テクノロジーを使って、家庭料理が得意な主婦も、小規模なグループでも、誰もが料理本を出版できる機会を増やしたかったんです。どうして今まで著名なシェフだけに、その機会が限られてきたのでしょう?
と、バベットさん。
世界中のユーザーを繋げる、生中継番組
一方、彼らの生中継番組も、ユーザー間のコミュニケーションを活性化させています。Twitterのハッシュタグを使って、放送中に意見や質問を募集するだけでなく、Google Hangoutを使うことで、世界中からユーザーが集まってくるのです。
生中継終了後も、YouTubeで録画をチェックして、聞き逃したポイントをおさらいできます。
キッチンこそ、家のなかで最も大切な生活空間。
どの家庭でも、キッチンは自然と人が集まる場所。きっとみなさんも子どもの頃、キッチンで家事をするお母さんに「今日のご飯は?」とか「学校でこんなことがあったんだ」と話しかけたことがあるのでは?「Bakespace」はレシピを発信する一方で、そんなキッチンという空間を見直す機会を大切にしているのです。
彼らのページでは、
キッチンこそ、家のなかで最も大切な生活空間。空腹を満たすだけでなく、コミュニケーション不足も解消できます。だから私たちは、サイバースペースにキッチンをつくろうと考え、「Bakespace」をつくりました。
と、いきさつが語られています。
充実したレシピやアプリなどの機能はもちろん、食が人々のつながりに大きく関わっていることも気づかせてくれる「Bakespace」。「キッチンという空間を見直す」というコンセプトは、コミュニティが希薄になったといわれるわたしたちの社会にも、いいヒントを与えてくれそうですね。
(Text: 鈴木康太)
[via Bakespace, MarketWire]