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「マイプロCAMP関西編〜 みんなのマイプロジェクトに出会おう」を初開催!ソーシャルデザインの担い手たちが出会い、交流したひととき[イベントレポート]

虹色ダイバーシティ・村木真紀さんと、参加者のみなさん(C)Yasuhiro Ogata 虹色ダイバーシティ・村木真紀さんと、参加者のみなさん(C)Yasuhiro Ogata

特集「マイプロSHOWCASE関西編」は、「関西をもっと元気に!」をテーマに、関西を拠点に活躍するソーシャルデザインの担い手を紹介していく、大阪ガスとの共同企画です。

関西でgreenz.jpが主催する初のイベント「マイプロCAMP関西編〜 みんなのマイプロジェクトに出会おう」が2013年5月10日(金)に行なわれました。

大阪ガスとの共同企画として3月よりスタートした「マイプロSHOWCASE関西編」では、関西のソーシャルデザインの現場で活躍する25名の方たちを取材し、次々と掲載。すると、大阪市からのgreenz.jpへのアクセス数が急激に伸び、これまで不動だと思われていたアクセス数トップ3「渋谷区・新宿区・品川区」のうち、なんと渋谷区に次ぐ全国2位まで上りつめたということ。

この盛り上がりを記念し、また関西で活躍するソーシャルデザインの担い手たちとのリアルな交流の場を持つべくしてイベントの開催へ至りました。

会場は、真新しい大阪・北エリアの名所「グランフロント」の、オフィス棟「ナレッジキャピタル・大阪ガス都市魅力研究室」。50名を越える来場者がありました。

入り口

入り口を入ってすぐのテーブルでは、来場者は名札に自分の名前と「私にとっての大阪とは?」を書き込みます。(C)NaraYuko 入り口を入ってすぐのテーブルでは、来場者は名札に自分の名前と「私にとっての大阪とは?」を書き込みます。(C)NaraYuko

ドリンクにはアルコールもあり。仕事を終えて駆けつけたサラリーマンの姿も。 (C)NaraYuko

料理は「愛deer料理教室」のケータリング。丹波篠山産の鹿肉料理がふるまわれました。(C)NaraYuko 料理は「愛deer料理教室」のケータリング。丹波篠山産の鹿肉料理がふるまわれました。(C)NaraYuko

イベントへは、マイプロSHOWCASE関西に登場した、愛deer料理教室の林真理さん、虹色ダイバーシティの村木真紀さん、NPO法人Co.to.hanaの西川亮さん、NPO法人サービスグラント・関西の岡本祥公子さんの4名をゲストとしてお迎えしました。

大阪ガスの社会貢献部からは江本雅朗さん、山納洋さんら数名と、greenz.jpからは発行人の鈴木菜央さん、副編集長の小野裕之さんらが東京より来阪。また、関西在住のライター4名もイベントへ参加させて頂きました。

いよいよ、イベントスタート!

19時半になり、みんなで拍手をしてイベントがスタート。

拍手

まずは鈴木さんより「マイプロCAMP」の説明です。

2004年にロンドンでスタートし、今では世界550都市で開催されてる「green drinks」。greenz.jpが初めて開催したのは2007年9月で、その後、約50都市へ広がりを見せています。

当初はゲストを招いて“トークライブ”という形をとっていましたが、「そもそも、来場者のみんなが面白い!」と気づき、トークのお題を来場者から募るようになって始めたのが「マイプロCAMP」です。

この日も、来場者の中から6名の方にトークテーマを発表頂きました。続いて、今回greenz.jp×大阪ガスがご一緒することになった経緯を、大阪ガスの江本さんよりご説明いただきます。

鈴木さんや、greenz.jpの皆さんに出会ったのは、ちょうど1年ほど前。それまでも、大阪ガスの社会貢献部では様々なイベントや企画を行なってきました。そんな活動を“一皮むけたものにしよう”と考えていた時にgreenz.jpと出会いました。

今後も、都市ならではのソフト開発、人々が出会って新しいことを起こしていきます。この会場も、次世代のソーシャルデザインを担う若い人やアイデアのある人が集まる交流スペースとして利用していきます。関西のコミュニティを大切に温めていきましょう。

大阪ガスが主催するイベントと違って、今日は若い人が多い…」との江本さんの言葉に、会場からは笑いが漏れました。(C)NaraYuko 大阪ガスが主催するイベントと違って、今日は若い人が多い…」との江本さんの言葉に、会場からは笑いが漏れました。(C)NaraYuko

両者の挨拶で場が温まった後、さらに「チェックイン」という3分間のアイスブレイク(ミニトーク)が行なわれました。その日、初めて出会う2〜3人が集まり、お互いに自己紹介をしたり「今日は何をしに来たの?」などという、ちょっとした会話を楽しみます。

「お金をすごく求めているわけではない。何か世の中に良い影響を与える活動を求めていたら、今日のイベントを見つけました。」等という声が。(C)NaraYuko 「お金をすごく求めているわけではない。何か世の中に良い影響を与える活動を求めていたら、今日のイベントを見つけました」という声も。(C)NaraYuko

いよいよ「マイプロCAMP」のトークタイムへ突入

「マイプロCAMP」のルールは至って簡単です。ゲストの4名と来場者の6名がトークテーマを発表します。他の来場者は、10個のトークテーマのうち、自分が興味のあるテーマを決めてそのチームに加わり、30分間のトークタイムを楽しみます。トーク終了後は、話し合った中でどんなアイデアや意見が出たのか、その結果を再び皆の前で発表し合います。

鈴木さんからはルールの説明と同時に、いくつかの注意ポイントが。

建前ではなく、本心で求めていること、心の中から湧き出てくる言葉を話しましょう。また、自分の言葉を大切にするのと同じように、相手の言葉をよく聞き、大切にしましょう。

ちょっとした心の持ちようで、トークタイムはより充実したものへ。さて、どんなトークテーマがあったのか、そして話し合いの結果、どんな内容が導きだされたのかを見てみましょう。

トークテーマ発表タイム。緊張した面持ちの方も。(C)NaraYuko トークテーマ発表タイム。緊張した面持ちの方も。(C)NaraYuko

等身大の大きいガチャガチャが作りたい(デザイナーチーム・フクヤマメグムさん)

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関西のデザイナーチームで、仕事ではない、 “ワクワクする”プロジェクトをすることになりました。何が出てくるか分からない楽しみや、未知のものへ想像を膨らませる装置として、等身大のガチャガチャをつくることに。ガチャガチャの中身の内容への意見を聞かせてください。

→大阪のマニアック名所の写真や地図や写真、ディープな人物紹介と、「ここへ行っておいでよ!」「この人に会いに行きなよ!」といった指令書を入れておき、大阪の新たなコミュニケーションを活性化させる装置へしてはどうかという結果に。

水辺の使いこなし方をみんなで考えたい(大阪市立大学院生・オオノサトシさん)

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大阪には「水都大阪」というイベントがあり、中之島公園やその他の屋外空間を使って、市民団体、NPOが普段屋内でやってることを屋外へ持ち出し、地域を盛り上げていく試みがされています。そこで、まちの使いこなし方やアイデアを幅広く話し合いたいです。

→「街の中からにじみ出させること」。街や人、例えば個人商店のおばちゃんから、そのアイデンティティや魅力を引出し、関係性を繋げると楽しい街になるのではないか、という結果に。

ボランティアは誰のため?(TABLE FOR TWO・高村伸弥さん)

(C)NaraYuko (C)NaraYuko

色んなボランティアやソーシャルビジネスを興味深く見ているうちに、それは本当に現地の人に役に立っているのか、誰のためにやっているのか分からないケースがあることに気づきました。誰のために行なうのか、みんなで考えたいです。

→答えが出ず、ボランティアやソーシャルビジネスを行なう上で何が重要なのかを話し合ったところ、まずは現地の理解を深めよう、という結論に。現地のニーズとボランティア実行者の考えにはギャップがあることを踏まえ、状況をよく知った上で取り組もう。

図書館サービスの、ここがイヤ(吉田耕平さん)

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「想い出のある一冊を持ち寄って、図書館にしよう」と、蔵書0冊からはじまった「まちライブラリー」で収益を得るための事業化をお手伝いしています。「どうやって儲けるか?」を考えるのは大変なので、現状の「ここがイヤ」という逆説的な視点から、アイデアを導きだしたいです。

→「お高くとまっている・出し惜しみしているのがイヤ!」という結論に。図書館司書のレファレンスサービス(要望に合った本を選び出してくれる)は無料で使えるがあまり認知されていない。司書が持っている本の知識をもっと有効活用できるのではないか。

向こうからお願いされたら、寄付してもいい団体ってどんな団体ですか(NPO法人ノーベル・北村政記さん)

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NPO法人ノーベルで「ひとり旅館プロジェクト」(子どもが熱を出したときに、親御さんのかわりに自宅で預かるサービス)を担当しています。経済的に困難な親でも利用しやすいように、通常7000円のサービスを1000円で提供したい。そのための寄付金を集めたいです。

→感情ではなく、数字で誰にどう使うのかがはっきり分かる団体がよい。例えば目的とする事業にいくらお金が必要で、いくら足りないのかを示すこと。また事業や、担当者をよく知っていて「この人なら信頼できる」と思えること。

LGBTを身近に感じてもらうためには?(虹色ダイバーシティ・村木真紀さん)

(C)NaraYuko (C)NaraYuko

LGBT(ゲイやレズビアンなどの総称)は、一般企業の中にも存在していますが、当人はLGBTをカミングアウトしずらい状況があります。無理強いすることなく、身近にいることを理解してもらうには、どうすれば良いでしょうか。

→友達にLGBTがいることを知っているケースは多い。当人ではなく、周りの友達にカミングアウトしてもらったり、みんなが“逆の性別”のファッションでイベントを行うなど、LGBTのもそうでない人も一緒に盛り上がる工夫をしてはどうか。また、LGBTシンボルである6色の虹でグッズをつくり身につけてもらう、などのアイデアも。

300年後の大阪に届けたいことは?(NPO法人Co.to.hana代表・西川亮さん)

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現在大阪の北加賀屋で“デザインで社会の課題を解決する”取り組みを実施しています。普段は3〜5年といったスパンでプロジェクトを行なっていますが、300年後の大阪がどうあるといいか、300年後に残したいことを話し合いたいです。

→大阪と京都では、実は大阪の方が寺の数が多いというように、大阪のことを、大阪の人が知らないケースも多いのではないか。まずは知ること。そして大阪には色んな地域出身の人が集まっており、イノベーションが起きる土地柄である。これからも人付き合い大切にしながら、面白いことやっていこう。

プロボノのある働き方、飛び越える押しの一手は?(NPO法人サービスグラント関西・岡本祥公子さん)

(C)NaraYuko (C)NaraYuko

プロボノ(社会人が仕事をしながら、+αの時間を利用してNPO法人などの継続的な運営を応援する仕組み)の広がりが、東京に比べて大阪は比較的ゆっくり。コンセプトには共感してもらえる。実際に実行者になってもらうには、どうすればよいか一緒に考えたいです。

→「イノベーションは外から生まれる。きっかけはプロボノからだった」「プロボノに参加することで、仕事にメリハリがついた」といった、プロボノのメリットをストーリーにして伝えよう。また、話し合いに参加したメンバーの中にはテレビ局の人もおり「プロボノ」を題材にしたテレビ番組を放送しよう、といったアイデアも。

鹿肉を食べることは人間のエゴですか?(愛deer料理教室・林真理さん)

(C)NaraYuko (C)NaraYuko

日本では今、年間50〜60万頭の鹿が屠殺され、その95%が焼却・埋葬処分されています。“資源”でありながら、それが鹿肉として普及が広がっていない現実。様々な文化や価値観を照らし合わせながら考えたいです。

→農村部や鹿肉を文化として快く思わないケースがあるが、屠殺に近い地域には色々な歴史があるから、見過ごしてはいけない。普段家畜を食べていると“命を奪っている”と意識せずに肉を食べるケースが多いのではないか。野生の鹿については、“命を奪う”という感覚が直接的になり、抵抗が生まれる感覚も否めない。しかし、同じ命を奪うなら、食べたほうがいいのではないかという意見も。

短所=長所。短所を売りにするには?(中川さん)

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短所も、あるシチュエーションでは長所になります。そこで“短所”を“個性”だと捉え、世界から必要とされるようなマーケットが作れないか考えています。短所を売りにするデザインについて、みんなの意見を聞かせてほしいです。

→まずは「短所・長所を見出す方法は?」といった議論になった。短所も長所も本人にとっては“特別”と意識されることはなく、普通のこと。“誰か他人に見てもらって良さが分かる”そんな方法があるといいよね…といった話で盛り上がった。

盛り上がりのうちに初の「マイプロCAMP関西編」が終了

出会った人同士で、思い思いに話し合いを展開していったところ、思いもよらない展開が起こるのがダイアログの魅力。今回の「マイプロCAMP」でもそんな展開が見られ、みんな真っすぐに意見を言い合いながら、そして笑いながらお喋りを進めている姿が印象的でした。

トークタイムの様子

トークタイムの様子

(C)NaraYuko (C)NaraYuko

最後に、鈴木菜央さんからの挨拶があり、イベントは延長戦のネットワーキングタイムへ突入。それぞれが名刺交換をしたり、時間が足らなかったグループは再び話し合いを始めたり…。トークが盛り上がり、用意されていたドリンクが足りなくなる事態も発生。喉を潤すべく、自販機にて自分のドリンクを購入している姿も見られました。

時間ぎりぎりまで、楽しそうなお喋りが続きました。(C)NaraYuko 時間ぎりぎりまで、楽しそうなお喋りが続きました。(C)NaraYuko

真新しい部屋で初開催となった「マイプロCAMP」。時間が進むにつれて部屋の空気は活気づき、また、同時に温かい雰囲気へと変わっていくことを感じました。よい出会いと交流のあるgreenz.jpの関西コミュニティが今後も盛り上がっていきますように。またいずれ開かれるであろう、第2回目の開催を待っていようと思います。