\新着求人/地域の生業、伝統、文化を未来につなぎたいひと、この指とまれ!@ココホレジャパン

greenz people ロゴ

一歩踏み出して、コンサルティングを頼もしい味方に。「とことんNPOサポートプロジェクト」の専門家派遣を体験してみました

Some rights reserved by imanka

Some rights reserved by imanka

経済や社会の変化に伴い、一人ひとりの働き方や暮らし方も多様化する中、行政の間でも変化に合わせた事業「新しい公共」が進められています。これまで「公共」は行政によって提供され、私たち市民は受け取るだけでしたが、こうした公共サービスをこれからは市民やNPOが主体となって提供していこう、という取り組みです。

この「新しい公共」を支援する事業の一つに、「とことんNPOサポートプロジェクト」があります。NPO法人や公益法人、ボランティア団体などの非営利活動をサポートするためのプログラムで、NPOサポートセンターが実施しています。

以前こちらの記事でもお伝えしましたが、具体的には研修・個別相談・専門家派遣の3ステップあり、無料で利用することができます。

tokoton_npo

研修」は70講座以上もあり、どれも多様で実践的な内容です。講座を聞いてインプットしたものの、具体的にどう活かしたらいいかわからない…。そんな人は「個別相談」をすることができ、2月12日(火)からはNPOを熟知した相談員による対面型の個別相談が開催されます。またFAXやメール、電話でも相談員が対応してくれます。

さらにより深く話を聞きたい、という場合は「専門家派遣」というサービスも。NPO等の支援経験が豊富な専門家が事務所に訪問し、指導してくれるのです。今回はこの「専門家派遣」について詳しくご紹介します。

専門家派遣って?

「登録型」と「団体推薦型」の二種類あります。「登録型」はNPOサポートセンターが申込団体の派遣希望内容をヒアリングし、事務局に登録されている高い専門性・豊富なNPOなどの支援実績を持つ専門家の中から、団体の運営課題に応じてマッチングします。

一方、申込団体から「専門家候補者」を推薦することも可能です。これが「推薦型」です。専門家候補者の適格性や専門性等についての審査はあるため、審査の結果によっては採択されない場合もありますが、採択された場合、専門家の方には、報告書など必要な書類の提出が必要とされます。なお、過去1年間〜現在において、申込団体の意思決定、運営に携わったことのある人は推薦の対象外とされます。

どちらも最大6回まで、すべて無料。利用するには研修を一つでも受けていることが条件で、あとは申請書を記入して送るだけ。容易に聞こえますが、この申請書を書くことにハードルを感じている人も多い様子。また外部の人に教えてもらうというのは敷居が高いと思っている人や、整理するのが大変だと感じている団体も多いようです。(ちなみに、この専門家派遣、専門家への相談料は東京都からちゃんと支払われますので、ご安心を。)

しかし第三者の意見を聞くことによって、内部のスタッフだけでは気づかなかった課題を見つける機会にもなるはず。そこでグリーンズでは、この「専門家派遣」を体験してみました!

専門家派遣を体験してみた

ここでもう一度、専門家派遣までのステップをおさらいしてみましょう。

Some rights reserved by kizzzbeth

Some rights reserved by kizzzbeth

1.専門家と解決したい課題に近いテーマの研修を1つ以上受講する

2.申請書を記入&提出(書き方など不安な方は「専門家派遣説明会」を受講することができます)

3.NPOサポートセンターによるヒアリング後、派遣される専門家が決定

4.専門家と第1回目の打ち合わせの日程を決定

5.第1回目の打ち合わせ

という流れ。

グリーンズが実際に提出した申請書はこちらからダウンロードできますのでご参考に!



グリーンズのもとへ来ていただいたのは、NPOの基盤強化を行う株式会社ソノリテの江﨑礼子さん。2013年2月でグリーンズはNPOを設立してちょうど一年を迎え、今年から正式に会員制度を始めます。そのため寄付や会員のシステムについて相談したいと申請し、この分野に詳しい江﨑さんをご紹介いただきました。

とは言え、NPO運営は初めてなので会員制度のほかにも分からないことだらけ。YOSH編集長も「何も始まっていないので、どんな風に決めていけばいいのか全くイメージできない」とも。

まずは現状を把握してもらうためにNPO設立の経緯から現状、また今後目指していきたいところについて話し、専門家派遣でのゴール設定を行うことになりました。ちなみに今回は、3回の派遣をお願いしています。

昨年実施した、会員制度を考えるための会員「グリーンズ会員β」についてお伝えすると、江﨑さんは早速こんなアドバイスをしてくれました。

グリーンズの支援者は誰なのか、はっきりと描きましょう。支援者が漠然としたまま対応している人が多いですが、寄付を集めるとなると誰が支援者なのかを具体的に決めて、その対象者に最適なアプローチが必要になります。グリーンズはウェブ上でコミュニケーションできるので絞りやすいですね。

ws2
β会員ワークショップの様子

そこで”理想の会員”の具体的なイメージを描くことに。

会員になる人は、読者から参加者になるというか、自分で何かを変えていこうと思っている人たちが理想的。グリーンズの情報を受け取ってワクワクする、というだけでなくて、グリーンズを使って自分の未来をつくっていってほしいですね。

と発行人の菜央さん。

それを受けて江﨑さんは、グリーンズが目指しているのは新しい価値観を動かしていくための会員制度であって、会員になったことを機に自ら動き出す人たちが理想の会員像ではないか、とイメージを膨らませてくれました。

これまで会員になってくれた人たちに何を返せるか思いを巡らしていましたが、

寄付は対価がないと言われているけれど、見返りは「ありがとう」という感謝であったり「あなたたちのおかげで」地域や社会が変わったという実感だと思うんです。なので「そのお金でこんなことが起こってますよ」と伝えることが大切だと思います。

と江﨑さんは話してくれました。

こうして2時間たっぷりと話し合い、最後に江﨑さんが

だいたいみなさん課題はわかってるんですよね。答えは自分の中にあって、第三者が入ることで「やっぱりやらないとね」って思うみたいです。

と話していたように、今後解決すべき課題が明確に見えてきました。そうした課題点を2回目、3回目でさらにブラッシュアップしていきたいと思います。

tokoton2
左から発行人・菜央さん、専門家の江﨑さん、フクヘン・小野さん、編集長・YOSHさん

体験してみての感想

実際に専門家派遣を体験してみての感想をグリーンズメンバーに聞いてみました。

経験者でしかわからない、会員制度がスケールした時に出てくる課題についてや、会員情報管理の仕組みの具体的なアドバイスなど、的確な内容でアドバイスをいただけて、イメージが湧きましたし、具体的に進めていく勇気がわきました。(鈴木菜央)

今回ご相談させていただいたことは、僕たちにとって「分からないことが、分からない」分野だからこそ「大事だと分かっていても後回しになってしまう」テーマでした。こちらのぼんやりした質問や心配事に、専門家だから見える視点で指摘をいただき、今後やるべきことに輪郭を与えていただきました!感謝!(小野裕之)

ネットでいろいろ調べてみたところで、知識は増えても判断はできないもの。目の前で小さな疑問を相談できるのは、とても心強い経験でした。一方的に教わるのではなく、ひとつひとつ育てていこうという姿勢も、とてもありがたかったです。せっかくのこの機会をいかして、仕組みをしっかりとつくっていきたいと思います!(兼松佳宏)



どのテーマに取組むべきか、専門家に何を支援してもらうかなど、そこから相談に乗ってもらえるのがこのプログラムの特徴です。全て無料というのも嬉しいですね。NPO運営に疑問を持っている方、第三者から客観的に見てほしい方、活動をさらにブラッシュアップしたい方など、ぜひ利用してみてはいかがでしょうか?

とことんNPOサポートプロジェクト

実施期間:2012年12月10日~2013年3月29日

【専門家派遣】
対象団体:
(1) 専門家派遣実施までに申込団体に所属するスタッフが研修を受講していること
(2) 専門家派遣内容が受講した研修に関連したテーマであること

派遣団体数:120団体
※派遣先団体が120団体となり次第、受付を終了させていただきます。

申込み・詳細はウェブサイトをご覧ください。

[Sponsored by NPOサポートセンター]