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「誰かのサンタクロースになって、想いやりがつながる社会を」。世界中の子どもたちに支援と未来を届ける「チャリティーサンタ」

こちらの記事はNPOのソーシャルメディア活用を支援するプロボノユニット「テントセン」によって寄稿されています。

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チャリティーサンタ東京会場での集合写真

もうすぐクリスマス。クリスマスといえばそう、サンタクロース。みなさんの家にはサンタさんが来たことはありますか? 今回は、クリスマスイブにプレゼントを届けると同時に途上国支援にもなる「チャリティーサンタ」の取り組みを紹介します。

これまで4,500人以上に笑顔を届け、サンタになった大人はのべ4,000人ほどというチャリティーサンタ。北海道から福岡まで16地域で活動し、日本や世界の子どもたちを幸せにしています。そこでチャリティーサンタ代表の清輔夏輝さんにこのプロジェクトに懸ける思いを聞きました。

チャリティーサンタをはじめた4つのきっかけ

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チャリティーサンタ代表の清輔夏輝さん

Q. チャリティーサンタをはじめたきっかけは何だったのですか?

清輔 チャリティーサンタをはじめたきっかけは4つあります。1つ目は、僕が6歳の時にさかのぼります。その年のクリスマスの夕方に、お母さんが「今日サンタさんが来るみたいよ。」と言ったんです。僕は驚きながらも楽しみに待っていました。その時間はすごく楽しかったのを覚えています。家が奥まったところにあったので、弟と新聞広告の裏に矢印でこっちですと書いたりしました。

そうして待つうちに、本当に8時に来たんです。トナカイではなく軽トラックで登場。びっくりしすぎて、実際に何を話したとか、どんなプレゼントをもらったとかは覚えていません。うちのお父さんとおじいちゃんが障がい者の方の作業場を支援をしていて、そこの軽トラでプレゼントを届けに来てくれたんです。この小さい頃の出来事が原体験の1つ目となっています。

次に2つ目ですが、僕は学生時代にヒッチハイクをしていました。合計すると日本3周分ほどにもなります。ヒッチハイクをしていて、いままで乗せてくれた人に恩返しがしたいとずっと思っていたんです。しかし、恩返しをしようにもできないという”もやもや”を抱えていました。そして、あるとき、お寺の和尚さんに乗せてもらい、こんな言葉をもらったんです。

「恩っていうのは、返すんじゃなくて、次の人に渡すんだ。」と。「もし次の人がいなかったら、社会に返していけばいいんだ。」という恩を送るという新しい価値観、メッセージに強い衝撃を受けました。

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そして3つ目。実は『僕たちは世界を変えることができない』の著者、葉田甲太と同い年で仲が良いのですが、彼は学生時代にクラブでイベントを開催してお金を集め、カンボジアに小学校を建てる活動を”チャリティー”としてやっていました。

そういうのをチャリティーって言っていいんだ、手段は結構なんでもいいんだ、というチャリティーの新しい仕組みや捉え方をすることで枠が広がりました。彼との出会いが3つ目のきっかけでした。

最後の4つ目。ピースボートに乗った友だちがいて、途上国の困難で困っているこどもに何かしようと思っていたんです。しかし、日本に帰ってきてなかなか普段の生活に慣れてきてしまって、結局船に乗った半年後とかにも何もできていなかったことです。

彼女は後にチャリティーサンタ共同創設者となるのですが、色々と話を聞くと、世界の貧しい子どもたちのためになること。そして日本の子どもになること、誰しもが参加しやすいハードルが低いこと良いと。そして難しいのではなくて、楽しくやりたいと言っていました。

そういうキーワードをいくつかもらって、全部書き出して、何だろうとずっと考えていたんです。そのとき秋でこれからの季節何かないかなと思っていたら、ふと小さい時にサンタ来たことを思い出しました。

サンタが子どもの家に訪れて、喜んでもらって少しお金もらって、その集まったお金をチャリティに使えば良いと。そして、ヒッチハイクの時の返せていなかった優しさを、誰かに返せるし、子どもの頃の強い原体験とも重なって。これだと思いました。このきっかけ4つががちゃんとはまったのがチャリティーサンタというわけです。

関わるすべての人が幸せになる仕組みについて

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チャリティーサンタの仕組み

Q. チャリティーサンタの仕組みを教えて下さい。

清輔 僕たちは、クリスマスイブの夜にサンタに来てもらいたい両親にアプローチをします。それと平行してサンタになるボランティアも集めます。そして、サンタの講習会をしてサンタレベルを上げて、当日18〜21時という時間指定をして、サンタが出動という流れです。プレゼントとチャリティ金(2000円)は事前に預かって、プレゼントはクリスマスイブに子どもに、支援金は後日途上国に行って渡します。

昨年で言えば、2000円×660家庭(1411人)=132万円がチャリティーとして途上国や東北への支援金として集まりました。チャリティーサンタとしては、サンタになるボランティアも両親もお客さんで、捉え方によって相手がさまざまいることになります。いまでは全国16地域に展開しています。

Q. 全国16地域で活動しているとのことですが、2008年の活動開始以降、どのように展開していったのでしょうか?

清輔 実は2009年にもう13チームになっていました。もともと、ブログやmixiでチャリティーサンタの着想から苦労までを全部公開していったんです。ふとしたきっかけで、当時はとてもうまくいきました。

そしてレポートなども公開して発信をしていると、そんな素敵な活動なら自分の地域でやりたいと言う声が次々と上がりました。あとは、実際にサンタとして参加した人が自分の地元でやりたいと言ってはじめた支部がが半分くらいあります。

実は支部数の目標もあります。20年後の2032年までに、国内500支部を目指しています。そして、5万人の子どもに幸せを届けられるように。いま、2~10歳が1000万人いると言われ、その半分の500万人くらいがサンタを信じていると仮定しています。そのうちの1%に届けることができるように活動を展開していきます。

Q. サンタとして参加する人はどういう方が多いのでしょうか?

清輔 現状では、インターネット中心での発信を中心としているため20代の方の参加が多いです。これまでは子どもにばれてはいけないこともあり広報に苦戦していました。メディアにでる時も「子どもの夢を守ること」を何より気にしています。しかし年々、40代、50代の参加者も増えてきています。

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自前のひげに、自前の衣装。おじさんサンタも!

Q. 冬以外はどのとうな活動をしているのでしょうか?

清輔 現在の組織では、冬に向けての動き出しは5月くらいからで、本部に関しては年中動いています。クリスマスイブのイベントであれば、1ヶ月くらいあれば可能ですが、もはやイベントとして捉えていないので、しっかり準備期間をとって行っています。

具体的にいうと、6月に全国のリーダーが集まるサンタ合宿、秋はサンタ講習会を開催したり、2, 3月には寄付金を届けるチャリティーツアーを行ったりしています。

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プレゼントを待つ子どもの家に向かう

Q. チャリティーサンタの夢やビジョンはなんでしょうか?

清輔 メインメッセージは「Charity with Action~想いやりがつながる社会へ~」。その1つがチャリティーサンタだと思っています。今はまだ年に一回のイベントだと捉えられていますが、先には社会づくりを見据えています。子どもを笑顔にすることとともに、アクションする大人を増やすこと。

僕は、本当はみんな想いやりを持っていると信じています。未来のチャリティーサンタはさらに変化していくと思いますが、今年も幸せを届けていきます。

今日はクリスマスイヴ

チャリティーサンタの活動や思いについて、いかがだったでしょうか? 今日はクリスマスイヴで、全国のどこかでチャリティーサンタが幸せを届けます。想いやりがつながる社会に向けて、みなさんも大切な人へのプレゼントから恩送りをはじめていきたいですね。今年のクリスマス、みなさんは誰のサンタクロースになりますか?

(Text:テントセン佐藤慶一

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