米ニューヨークの電話ボックスを活用したミニ図書館や北米のマイクロ図書館ネットワーク「Little Free Library」など、greenz.jpでは、ユニークな草の根図書館をご紹介してきましたが、英ロンドンでは、市内に張り巡らされた地下鉄ネットワークを”ミニ図書館”にしようという試みが始まっています。
「Books for London」は、地下鉄の駅待合室などを活用し、個人や企業が所蔵する書籍・雑誌を無償で交換しあおうという草の根のキャンペーンです。
2011年夏、ロンドン西部West Ealingの住民クリス・ギルソン(Chris Gilson)さんによって立ち上げられ、趣旨に賛同するボランティアたちの協力のもと、これまでに、ウィンブルドン駅(Wimbledon)やストラットフォード駅(Stratford)など、ロンドンの10カ所の駅に、専用の書棚を設置。これらの書棚を活用し、誰でも自由に、読みたい本を借りたり、不要になった本を寄付したりすることができます。
英チャリティ団体「Construction and Development Partnership」の2008年時点の試算によると、英国では毎年1300万冊の本が廃棄されているとか。読み終えた書籍を埃まみれにしたあげく捨ててしまうのではなく、バトンのように他の人々につないでいけば、環境負荷を軽減できるのはもちろん、書籍の中に詰まった”知の財産”を共有し合うこともできますね。
「Books for London」では、ロンドン市民にとって不可欠な公共交通機関である地下鉄の駅に、できるだけ多くの”ミニ図書館”を設置することで、より多くの人々がこれを利用できるようにしようと考えています。
草の根図書館による書籍のシェアリングの例としては、ロンドンのウィンブルドン駅で2009年実施した「Wimbledon Station Book Swap」のほか、”世界中を図書館に!”を合い言葉とするグローバルなムーブメント「ブッククロッシング(Bookcrossing)」も広く知られています。
アナタも、これらの事例を参考に、家庭やオフィスで眠ったままの本を”旅立たせて”みてはいかがですか?
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