米誌「ニューズウィーク(Newsweek)」が2013年1月から、紙媒体の発行をやめ、電子版への完全移行を発表するなど、欧米の大手メディアを中心に、デジタル化が進みつつあります。このようなトレンドの下、ストリート・マガジン「The Big Issue in the North(ビッグイシュー・北イングランド版)」は、QRコードを活用したデジタル版の試行を開始しました。
「The Big Issue in the North」のデジタル版は、従来の紙媒体と同様、週刊で発行。ベンダー(Vendor)と呼ばれる販売員は、デジタル版にアクセスするためのカードを街頭で販売します。読者は、カードにあるQRコードをスマートフォンやタブレット端末などでスキャンするか、「The Big Issue in the North」の公式ウェブサイトでアクセスコードを入力すると、紙媒体と同一のコンテンツをデジタル版で読むことができます。
アクセスカードの価格は、紙媒体と同額の2ポンドで、うち1ポンドがベンダーの収益となる仕組み。イングランド北部で350名を超える「The Big Issue in the North」のベンダーは、従来の紙媒体と並行し、アクセスカードを販売することによって、経済的自立を目指します。
「ビッグ・イシュー(The Big Issue)」は、1980年代後半、ホームレスや低所得者を支援するストリートマガジンとして米ニューヨークで創刊されて以来、「The Big Issue in the North」や「ビッグ・イシュー日本」など、世界40カ国に広がってきましたが、デジタル版の発行は「The Big Issue in the North」が初の試み。街頭でベンダーが読者に”手売り”するという「ビッグイシュー」ならではの販売システムは残しつつデジタル化にも対応する先駆的なモデルとして、「ビッグイシュー」の他エリア版はもちろん、フリーペーパーなど、他の紙媒体においても、参考になりそうです。
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