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フローリング、壁材から木琴まで!保有林の間伐材利用に取り組む三井不動産が考える「CSRより重要なこと」とは? [What’s CSV?]

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真夏の日差しが照りつける8月のある週末、親子連れで賑わう「ららぽーと柏の葉」に、こんな木の物体が現れました。子どもたちも近くに寄って来て興味津々。叩いてみると、なんだかとてもいい音がします。

実はこれ、北海道の森のカラマツとトドマツの間伐材を使って作られた大きな木琴。この日、子どもたちが木琴をつくって演奏するワークショップ「&EARTH melody」が行われました。この“大木琴”を囲んでみんなで合奏もしたのだとか。

木のやさしい香りが漂う空間で、いったいどんな音色が奏でられたのでしょうか。まずは現場の様子を覗いてみましょう。

木琴をつくってみんなで演奏!
木を身近に感じるワークショップ「&EARTH melody」

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大きな木琴の周りに集まってきたのは、3歳から小学校中学年くらいの子どもたち。まずは木がどこから来たのか、どうして間伐が必要なのか、森と木のお話を聞く時間。みんな真剣な眼差しです。

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続いては木琴づくりのワークショップへ。長さの違う木を順番に並べ、台座に木ネジで止めていきます。うまくできるかな?

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作業に集中すること約20分。ついに木琴が完成!今度は合奏の時間です。間伐材でできた小さな椅子に腰掛けて、まずは自分がつくった木琴の音色を確かめます。

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合奏の曲は「山の音楽家」に決定! 大木琴の奏でるメロディラインに合わせて、子どもたちは伴奏となる和音を担当します。みんなの力で、ハーモニーができあがっていきます。

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やさしい音色に、買い物の足を止めて聴き入る人々の姿も。真夏のショッピングセンターに、北海道の森から清涼感が届けられたひとときでした。

※イベント時の写真は、公式の許可を得て撮影されたものです。(撮影:重松賢)

なぜ間伐材を使ったワークショップを?
三井不動産 齋藤耕太郎さんインタビュー

子どもたちが五感をいっぱいに使って木と触れ合う「&EARTH melody」。二日間、全6回に渡るこのワークショップを主催したのは、ショッピングセンター「ららぽーと」のディベロッパーである三井不動産株式会社(以下、三井不動産)です。普段、都市開発や大型マンション建設に携わる企業が、なぜこのような子ども向けワークショップを開催したのでしょうか。間伐材を使用した訳は? 環境推進室の齋藤耕太郎さんにお話を聞きました。

三井不動産株式会社 環境推進室 齋藤耕太郎さん

三井不動産株式会社 環境推進室 齋藤耕太郎さん

広さ約5,000ヘクタール!
北海道に広がる森林を保有・維持管理しているワケ

ワークショップで使用した間伐材は、グループで保有している北海道の森林から来たものです。

間伐材を使って誰でも楽しめるワークショップを、と考えて企画したのが今回の「&EARTH melody」です。これまで私たちは間伐材を使用して様々な取り組みをしてきましたが、「次の世代をつくる子どもたちに感じてもらいたい」という想いが、ようやくイベントとして形になりました。

と、齋藤さん。三井不動産グループは北海道を中心に、実に5,000ヘクタールもの森林を保有し、植林や間伐といった維持管理を行なっているのだとか。その森の間伐材利用のひとつの形として企画したのが「&EARTH melody」。このイベントにおいて、三井不動産は主催者であると同時に木材の供給者でもあったわけです。

三井不動産グループが保有する北海道の森林

三井不動産グループが保有する北海道の森林

でも、CSR活動の一環として植林を行なう企業は少なくありませんが、「森林を保有・管理している」という事例はあまり聞いたことがありません。三井不動産グループが所有している森林は、2009年には、適正な管理運営の行なわれている森林の証とも言える、SGEC(『緑の循環』認証会議)の森林認証も取得しました。

保有することになったのは様々な経緯があったのですが、「せっかく森林を持っているのなら、地球環境のためにもきちんと保全していこう」ということになり、つる切りや間伐、植林など、維持管理のための取り組みがはじまりました。

人工林はきちんと管理しないと健全な状態に保たれません。「植林→間伐→活用」というサイクルをまわしていくことによって、森が元気になって、CO2も固定されていくんですよね。地元の行政や森林組合、NPOなどと協力して、苗木を植えたり、間伐・除伐を行うと共に、植林には社員も参加しながら維持管理を続けています。

植林活動をする社員のみなさん

植林活動をする社員のみなさん

点在する5,000ヘクタールにも及ぶ土地に植林し、間伐する作業を繰り返していくのは、当然、かなりの労力と費用が必要なこと。でも、サイクルの中で一番難しいのは「活用」の部分だと、齋藤さんは言います。

国内の間伐材は活用するところ、つまり「出口」が少ない。間伐する際は国から補助金が出るのですが、使ったり買ったりする人に対するインセンティブはほとんどなく、安い輸入材ばかりが使用されているのが現状です。その結果、間伐した木が森林に放置されてしまっていることも少なくないようです。

実際、三井不動産グループでは間伐した木の一部を木材として売却していますが、なかなかビジネスとして成立するには至りません。

それならば、自分たちで出口をつくろう。三井不動産は、間伐材の「出口の設計」に取り組み始めました。

CSR以上に重要なのは、本業で使うこと。

出口の設計、つまり間伐材を活用することに着目した三井不動産。出発点は「CSR」という意識でしたが、行き着いたのは、「本業」での活用でした。

最初は「社会貢献のために」という意識の中で、オフィスの受付に置くスツール、会議室のテーブル、ノベルティや名刺などに使い始めたんです。お客さんとの話題のきっかけにもなり、社員も意識するようになりました。

でもよく考えてみれば、私たち私たちは建物をつくっているディベロッパーであり、グループ会社にも住宅メーカー(三井ホーム)があります。本業の中でも使えるかもしれない、と考え始めたのです。

「本業」つまりビジネスでの活用。それはグループにとって大きな挑戦でした。不揃いな間伐材でも、集成材にすることで、フローリングや壁材として使用することはできます。でも、手間がかかる分コストが割高になってしまうため、まだあまり事例がないのが現状です。

経済合理性だけを考えると、うまくいかないビジネス。でも、それに挑むことを決めた三井不動産の支えとなったのは、変わりつつあるお客さんの意識でした。

建材としての利用が進む間伐材

建材としての利用が進む間伐材

お客さんの目も変わってきているんですね。現在、三井ホームのマンションや注文住宅で間伐材の導入を進めていますが、「多少高くても輸入材よりも国産材を選ぶ」という方が増えてきています。

国としても国産材の利用を推奨しているので、現在国でも検討されているエコポイントなど、買い手に分かりやすいインセンティブができれば、ますます活用が進められるのではないでしょうか。

少しずつまわり始めた間伐材の利用サイクル。しかもそれをグループ企業の中で完結できているのは、国内でも珍しい事例で、林野庁からも注目されているそうです。このような「本業」としての活用に対して、齋藤さんは大きな意義を感じています。

「本業」で使うことは、CSR以上に重要なことだと思っています。地球環境のためとは言え、事業や本業につながっていかないと持続性がない。自分たちの森林がうまく材としてまわっていくために、自分たちで使う。自分たちで使えば、本来の趣旨に沿った使い方もできますし、使い勝手もいいですしね。

今回のイベントのような場でも積極的に伝えることで、お客様にも理解が進めばいいですし、ビジネス的にもチャンスが出てくると思います。やっと建物の材として使えるようになってきた段階なので、今後も活用を進めていきたいですね。

間伐材の利用サイクルをグループ内でまわす三井不動産のビジネス

間伐材の利用サイクルをグループ内でまわす三井不動産のビジネス

間伐材の利用は、森を健全に保つという意味で大きな環境的価値があります。これだけ見ると企業のCSR活動と捉えられてしまいそうですが、「建物をつくる」という本業で活用することにより、それは企業にとっても利益を生み出すものになり得ます。これはまさしく、greenz.jpとしても注目しているキーワード「CSV(Creating Shared Value)」に値する取り組み。企業が社会と課題を共有し、共有価値を創造していくことで、どのようなシナジーが生まれるのか。今後の動向も注目していきたいところです。

“街をつくることは、地球の一部をつくること”
次の世代への想いと共に。

三井不動産の環境への取り組みは今に始まったことではなく、街づくりやビル設計にも様々な環境配慮が施されています。スローガンは「&EARTH(アンドアース)」。そこに込めた想いについて、齋藤さんはこう語ります。

ディベロッパーは街をつくりますが、「街をつくるということは地球の一部をつくること」だと考えています。大げさな表現に思われるかもしれませんが、家電などは5年や10年で買い替えられますが、街はリプレースするわけにはいかず、一度つくると50年、100年と同じ形であり続けます。幅広く言えば公共財。「公共財=地球」なんです。日々の業務の中でも、そういう意識を持って街づくりをしていこうという想いを込めています。

その「意識」の定着に一役買っているのも、北海道の森林なのだとか。

植林の研修に行くと、驚くほど社員の環境への意識が変わります。木は植えてから正木になるまで50年かかるのですが、植林をすると「次の世代」のことを意識するようになるんですね。子どもの世代のために植えているんだ、と。現地に行くことで、日々の生活が変わるような気付きが生まれて、確実に根付いています。

環境への意識は、常にその想いを念頭に置くと行動も大きく違ってくる。意識の中に環境の軸が根付いていると、事業の中でも経済合理性だけで動いてしまうのではなく、「地球環境にどのような負荷をかけているのか」「どうすれば軽減できるのか」と考える習慣がついてきます。社員にはそういうことを考えながらビジネスをするようになってほしいですし、私もそうありたいですね。

社員の植林研修のコースにもなっている「富良野自然塾」の石碑

社員の植林研修のコースにもなっている「富良野自然塾」の石碑

最後に、齋藤さんご自身の今の想いについても聞いてみました。

私もこの仕事をするまでは、あまり環境コンシャスではなかったのですが、やはり続けることによって、次の世代のために何ができるのか、と考えるようになりました。自分のことだけではなく、「人のために」ということを意識するようになるのです。

先日のイベントも、次の世代に喜んでもらえたのが良かったですね。5年、10年経った頃に、間伐材の話を思い出してくれたらな、と思っています。来年はキャラバンでやりたいですね!

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次の世代のために。企業も個人も社会と一体となってできること、まだまだたくさんあるんだと思います。

三井不動産グループの環境への取り組み。特設サイトを見てみよう!

北海道の森ってどんな場所?Think the Earthプロジェクトのブログをチェック!