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カジカガエルの鳴き声FES!!、ヤマメ3万匹大放流FES!!…参加してみたくなる「AQUA SOCIAL FES!!」秀逸レポートBEST5!

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「八郎湖の生態系を守るプロジェクト」より。自分たちの手でブラックバスを解剖!

TOYOTAが次世代ハイブリッドカー「AQUA」を発売するにあたり取り組んできた、全国50か所で海や川を綺麗にしたり、水辺の自然を守ったりする参加型アクションプログラム「AQUA SOCIAL FES!!」に全国47都道府県の学生が参加してgreenz.jpにレポートしていく「AQUA SOCIAL FES!! 2012 Student Report」企画もいよいよ大詰め、ほぼすべての都道府県のレポートが出揃いました!

そこで、なかでも秀逸なフェスレポートBEST5を選んで、お伝えしたいと思います。選者は、greenz.jp発行人 鈴木菜央と、編集を担当した、池田美砂子さんです。

第5位:八郎湖の生態系を守るプロジェクト
食べれるかも?ブラックバスを捕まえよう。

第5位は、秋田県で行われた、こちらのフェスレポート!
レポーターは日本大学、釜石拓真さんです。とにかく写真が素晴らしい!いきいきとした表情を捉えています。

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地引き網にかかったブラックバス

今回のイベントでは、2001年から外来魚の駆除を行っている秋田県淡水魚研究会の主催により、ブラックバスを駆除して食べるまでを体験しました。

投げて、叩いて、捌いて、食べる!

手に持った竹で水面をばしゃばしゃ。涼しそうでしょ?でもこれ、遊んでる訳ではなく、「刺し網漁」と呼ばれる立派な漁法。これで網にブラックバスを追い込んでいるんです。かかったのは体長40cm、重さ1.2kgの雄。なんと、推定年齢は10才。そして、出てきたのはブラックバスの唐揚げ!!(釜石さん)

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水面をぱしゃぱしゃ!刺し網漁でブラックバスを追い込みます。

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ブラックバスを食べてにっこり!

インタビューに答えてくれたのは、「タルタルソース味がお気に入り」という近所の小学校に通う、ゆうせい君コンビ。実はこのお2人、イベントの常連さん。お魚クイズも全問正解で、「八郎潟の魚達がいなくなるからブラックバスは好きじゃない、フナが好き!」と答えてくれました。

八郎潟は日本で2番目に大きな湖でした。今では干拓により湖は大潟村に姿を変え、日本でも有数の農村となっています。大きな八郎潟も、元々あった生態系も、僕たちはこの目で見たことがありません。だからこそ、日本の原風景に触れる機会をつくることが重要なのだと思います。 (釜石さん)

第4位:「町屋海岸清掃プロジェクト 素足で走れる海岸をつくろう」

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海岸も綺麗になって、気持ちがいい!

そして第4位は…三重県で行われたコチラのフェスレポート。
レポーターは三重大学の殿貝正人さんです。今回の清掃活動の参加者は、なんと620人!!

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拾ったゴミをしっかり分別します。

町屋海岸は伊勢湾に面しており、三重大学に隣接しているため、私たち学生にも馴染みのある海岸です。近隣住民の不法投棄に悩まされていたこの海岸を救おうと、NPO法人「町屋百人衆」の方たちが立ち上がり、その後、三重大学生達による「環境ISO学生委員会」も協力したことで、このような大きな活動に成長したそうです。 (殿貝さん)

第3位:透きとおる水、澄んだ空気の歴舟川を残そう。
3万匹の大放流&バーベキュー

第3位は…北海道で行われたこちらのフェスレポート。

レポーターは北海学園大学の徳冨義貴さんです。北海道の雄大な自然の中での活動は、とにかく楽しそう! 純粋に、参加してみたい!と思わせてくれます。

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「水の郷100選」にも選ばれている、日本一の水質を誇る清流「歴舟川」

北海道のフェスの舞台は、標高1,721mのコイカクシュサツナイ岳より湧き出て、大樹町内のみを通る、歴舟川。「水の郷100選」にも選ばれている、日本一の水質を誇る清流です。砂金堀りができる「宝の川」としても有名で、明治時代には砂金で生計を立てる人もいたとのことです。

そんな歴舟川は、大樹町にとって貴重な地域資源。川に遊びに来る人を増やすために毎年様々な団体がヤマメ稚魚の放流を行っています。今回はその団体の1つ「歴舟川の清流を守る会」の皆さんと活動しました!

今回は、この日本一の清流にヤマメの赤ちゃん約3万匹を大放流しました。バケツにヤマメを入れ放流し、川を懸命に泳ぐヤマメの姿に、子供たちは大喜び!(徳冨さん)

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ヤマメの大放流!3万匹が元気に川を泳いで行きました。

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おばあちゃんといっしょににっこり!

バーベキューでは、普段食べることの少ない川魚のニジマスの塩焼きを食べた子供たちが「しょっぱい」と言いながらも、美味しいところを探しながら食べていたのが、とてもめんこかったです。

参加者は親子連れや、おばあちゃんとお孫さんの姿も多く見られました。参加したおばあちゃんは、「孫と川にくることは初めてで、歴舟川の清流を守る会の皆さんには感謝したい」と話されていました。また大学生からは、「こんなに自然と触れ合える機会はなかなかなく、とても楽しかった」という感想も。(徳冨さん)

第2位:川端里山水辺ツアー
名水、針江の生水が湧く水の郷を守ろう。

そして第2位は…滋賀県で行われたこちらのフェスレポート!!

みなさん、「川端(かばた)」って知っていますか? 滋賀県高島市新旭町の針江地区に残っている、豊富に沸き出る安曇川水系の伏流水を活かした人里の生活環境です。山に降った雪、雨が伏流水になり、各家庭から清流がコンコンと湧き出していて、人々は清らかな水を飲んだり、炊事などの日常生活に生かしているという、日本でも珍しい水の文化なのです。

そんな川端文化を次の世代に残していこうという活動を、立命館大学の重光勇さんがレポートしてくれました。

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普段の生活の中に川端(かばた)がありました。

今回は、琵琶湖と、その水を育む里山の保全、さらには水の循環までを考える「針江生水の郷委員会」の皆さんと一緒に、川端の見学と、外来水草オオフサモの刈り取りを行いました。

川端の見学では、湧き水の試飲をしました。数十年かけて針江に辿り着く水は、甘柔らかい口当たり。オオフサモの刈り取りでは、それに覆われた水面が、活動後には見違えるようになりました。 (重光さん)

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オオフサモを切ってかいて集めます!大量のオオフサモが集まりました!

“循環”を強く印象づけられた1日

生活環境を守ること、琵琶湖を守ること、そして里山の保全にまで広がっている活動からは、「琵琶湖のほとりに暮らす責任」が垣間みられます。住民の方々は、それをごく自然に感じ、実際に行動されているのがわかりました。

「個々の対策は大切、でも、それらが有機的に結びついて循環しないと、続かない。だからこそ私たちの活動はここまで広がったのだと思う」と、委員会の方は話していました。当たり前といえば当たり前、しかし、実践できる人は少ないのではないかと思います。(重光さん)

第1位:カジカガエルを守ろうプロジェクト
ルールルー♪カジカガエルの鳴き声を聞こう。

そして、いよいよ! 第1位は…鳥取県で行われた、こちらのフェス!

わたしも一度しか生で遭遇したことはありませんが、カジカガエル、かわいいですね。最近個体数も少しずつ増えているようです。どんな鳴き声か知らない方は、以下のYouTubeでお楽しみください。

レポーターは、鳥取大学の水野壮崇さんと、増田大さんです。2つのレポートから抜粋してお届けします!!

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カジカガエルの鳴き声が聞こえるかな?

今回のイベントは、「三朝温泉かじか蛙保存研究会」主催で行われたもので、三朝町の恋谷橋周辺の河川敷でカジカガエルの鳴き声を聞くため、会場準備やロウソク作りを行いました。目的は、みんなでカジカガエルの鳴き声に耳を傾け、その美しい音色を愛すること。そして、多くの生命を育んできた清流を次の世代に引き継いでいくことを願い、川を守り育てていくことです。(水野さん)

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まずは、草抜きとテント設営から

鳴き声と川のせせらぎの
ハーモニーにうっとり。

会場では、ロウソクの淡い炎とカジカガエルの鳴き声が見事にマッチ。参加者のみなさんはロウソクの炎を見ながら、カジカガエルの鳴き声と川のせせらぎのハーモニーをうっとりと聞き入っていました。(水野さん)

カジカガエルの声と、みんなの声と。

参加者の女性の方に話を伺ったところ、「今までは鳥取には何もないと言われていたが、これからは鳥取のこの自然が大きな価値になる。このカジカガエルの鳴き声が聞ける環境はずっと守っていかなければならない」とおっしゃっていました。また、「三朝温泉かじか蛙保存研究会」の門木光明さんは、「カジカガエルの鳴き声を聞くのも楽しみにしているが、カジカガエルを通してたくさんの人の声を聞けるのもとても楽しい」と笑顔で語ってくださいました。(増田さん)

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ロウソクの淡い炎とカジカガエルの鳴き声が見事にマッチ!!

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とても幻想的な一夜を過ごすことができました

地域が笑顔になるため、
若者ができること。

主催者の方のお話を聞いて、私たちのような若い人が積極的に集落に足を運び、地域の方と一緒に町おこしをしていく必要があると感じました。若者が地域に興味を持つキッカケを作り、地域が笑顔になれるように、私は地域に足を運んでいきたいと思っています。(増田さん)

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参加者みんなで記念撮影!

以上、BEST5をお届けしました。みなさん、いかがでしたでしょうか?

BEST5選定を受けて、AQUA SOCIAL FES!! 2012 Student Campに審査員として参加したThink the Earth 上田壮一さんにもコメントをいただきました!

僕が参加している鶴見川や北上川でのフェスで学生レポーターと話したときにも思ったのですが、その土地に住む若者が、その土地の活動に参加することって大切なんだとあらためて感じました。

郷土の自然のすばらしさに気づいたり、それを未来に残そうとする責任感が生まれたり。

フェスが自然環境を良くするだけでなく、たくさんの人たちの心に変化を生んでいることが実感できるすばらしいレポートばかりでした。

この経験から新しい何かが生まれそうな予感もありますね!

さて、今回のレポートBEST5を選ぶにあたり、すべてのレポートに目を通しましたが、個人的に印象的だったのは、フェスをレポートしてくれた学生たちが、参加して学んだことを、日々の行動に移して行こうというコメントが多かったことです。みんなで知って、動いて、広げていって、海や川を綺麗にしたり、水辺の自然を守ったりして、次の世代に引き渡していければいいなあと思いました。

みなさんも、夏後半は水辺を守る環境活動に参加してはいかがでしょうか?

NEWS!!

この学生レポート企画のきっかけにもなった、全国47都道府県から学生が集まり、マイ・プロジェクトを考えるワークショップ合宿「AQUA SOCIAL FES!! 2012 Student Report」から、新しいマイプロジェクトが生まれました。

「学生賞&折戸賞」を受賞した、シャッター商店街×のぞき=「シャッタークエスト」は活動に向けて動き始めたようなので、ひきつづき注目していきたいと思います!

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